表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
829/3612

第818話 武雄がアリス達と合流。

ここはジェシーの部屋。

「というわけで料理をしてきます。」

「「やったー♪」」

アリスとスミスが武雄から「ジェシーさんの懐妊祝いをします」と説明を受けていた。

「いや、タケオさん、お祝いを用意してくれるのはありがたいのだけど・・・

 コノハ殿の祝福やパンニューキスを付けてくれただけでも相当の感謝をしているわ。

 あとで何かちゃんとした物を送るからね?

 お金で良い?」

ジェシーが聞いて来る。

「・・・それさっきまでオルコット宰相から言われていたんですけど。」

「あぁ、そう言っていたわね。

 褒賞金はいくらにして貰ったの?」

「知りません。」

「はい?知らないの?」

「はい。恩賞の金額は気持ちの金額でしょう?

 金額の大小ではないでしょうから聞いていません。」

「あ・・・タケオ様、またそれをしたのですか?」

アリスが驚きながら聞いて来る。

「え?アリスお姉様、『また』とはどういう事・・・あ!前回の襲撃の補償金ですね!?」

スミスもアリスの考えに追い付いたようで驚きながらアリスに聞く。

「あぁ~、アリス達から報告があったあれかぁ。

 タケオさん、補償金と褒賞金は違うんじゃないの?」

「どちらも気持ちを貰うというこちらの考えは一緒ですよ。

 前回の王家からの補償金も今回は総監局からの褒賞金も・・・どちらもこちらから欲しいと言った覚えはないんですけどね~。

 向こうから『払い込んでおきます』と言われて『はい』と返事しただけなんですよ。」

武雄が苦笑する。

「・・・金銭で解決させようとしているのはわかっているからこそのその開き直りっぷりね。

 うん、じゃあ、タケオさん、うちからも謝礼金は出すからね?」

「貸しで良いですよ?」

武雄が目線のみジェシーに向ける。

「うん、金銭にするから!絶対にするから!貸しは止めて!」

「・・・なんで貸しを嫌がるのでしょうか・・・」

「ちなみにタケオ様、クリフ殿下に貸しがあるのですよね。

 また貸しですか?」

「・・・さぁ?クリフ殿下とニール殿下がどう思うかは知りませんね。

 別に私は何か返しが欲しくてコノハに依頼したわけではないです。

 ですが、コノハがする事によって米や酒がやりやすくなる環境にはなると思っているのは確かですね。」

「ん?タケオ、あの宝物庫で私に『お金が貰えるかも』と言いましたよね?」

「正確には『お酒に関しての資金が手に入る可能性がある』と言ったのですけどね。

 正直な所、どこかしら謝礼金を出してくると思っていました。

 総監局が動くとは思っても居ませんでしたけどね。

 で、結果として私の懐には総監局からいくらか入りますからそこから米関係の資金は出しますよ。

 それに今回の恩賞は各王家に精霊が付いたことと懐妊し流産の可能性を低くしたことへの対価です。

 コノハやマリ、パラス、パナの4人の業績でしょう。

 なので後日になるでしょうが、4人には恩賞からいくらか払います。」

「「「「おお!」」」」

精霊達が「何買っちゃう?」と嬉しそうに話をし始める。

「さて、ジーナ。」

「はいご主人様。何でしょうか。」

「コノハはアリスお嬢様の精霊、マリはスミス坊ちゃんの精霊ですので私が直接の関与は出来ません。

 ですが、パラスはジーナの精霊です。

 私の直属の部下の精霊ですのでキタミザト家の資金から給金を出します。」

「え?給金?」

ジーナが聞き返してくる。

「ん?なんですか?部下の部下です。

 お給金は出します。まぁ・・・実情はジーナが知っていますから多くは出せないですが。

 パラスと話し合ってお給金を決めてください。」

「・・・わ・・・わかりました。」

ジーナがぎこちなく頷く。

「あの~・・・タケオ様、私とコノハなんですけど・・・」

アリスが控えめに手を上げながら武雄に聞いて来る。

「はい、なんでしょうか?」

「結婚したら私とコノハはタケオ様のお給金で養っていただけるのですよね?」

「当たり前ですね。

 そのための貴族報酬ですからね。」

「私が使える金額はいくらでしょうか?」

「確か騎士爵位の報酬が年間金20枚でしたね。」

武雄が言うとアリスが「しっかり覚えているし!」とジト目になる。

「・・・ジーナ。」

「はい、ご主人様。」

「アリスお嬢様と話し合いなさい。」

「具体的にはどういたしましょうか?」

「アリスお嬢様には今のお小遣いと同金額を支給するとして、アリスお嬢様とコノハとパラスの給金を決めてください。」

「あくまで貴族報酬からでよろしいのですね?」

「はい、固定収入からでお願いします。

 動産収入はあてには出来ないでしょう。」

「畏まりました。」

ジーナが頷くのだった。

「では、私は厨房に行ってきます。」

「「「は~い。」」」

アリスとスミスとジェシーが見送る。

「では、私も行きます。」

ヴィクターも武雄と退出するのだった。

・・

「さて、アリス様、今はいくら頂いているのですか?」

「・・・金貨4枚です。」

アリスが渋々答える。

「年48枚。騎士報酬が金貨20枚ですね。

 という事は・・・現在キタミザト家の収入は貴族報酬と子爵報酬合わせて金貨400枚です。

 私とお父さまの給与と家賃補助で金貨80枚銀貨4枚かかっています。

 さらにアリス様が金貨48枚。

 コノハ殿とパラス殿をいくらにするか・・・」

「そうね・・・」

アリスとジーナが考え始める。

コノハとパラスは「いくらでも良いけどね~」とお気楽モード。

そしてその様子を見るスミスは「僕はいくらにすれば良いのかな?」と興味津々なのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ