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第795話 彩雲到着と今度の相談。

武雄達は各々で話しているとテラスの扉を何かがノックされ、皆が一斉に窓を見る。

武雄はテラスの扉を開け、来訪者を招き入れる。

「おかえり、彩雲。」

「はっ!戻りま・・・人数が増えています。」

彩雲がピョンピョンと飛びながら部屋に入るなり首を傾げる。

「まぁいろいろあったのです。

 その辺も打ち合わせしましょうか。」

「はっ!」

・・・

・・

武雄達の中で彩雲を見知らぬ者達で挨拶を済ませ、武雄の方からは彩雲にここまでの王都の出来事と精霊達には今までの事を説明していた。

「・・・エルヴィス領に来る精霊殿が4名なのですね。」

「はい。

 エルヴィス伯爵には伝えてください。

 彩雲の方はどうですか?」

「手紙を預かっています。」

彩雲はお腹辺りから小瓶を出す。

フレデリックの試験は成功をしていた。

「・・・透明でなくなった鳥のお腹付近から物が出て来るのは・・・奇異ですが、まぁ良いでしょう。」

武雄が小瓶を取り栓を抜き中に入っていた紙を広げ中を見る。

紙は丁度A6サイズの用紙が入っていた。内容は向こうでの報告の箇条書きだった。

「・・・なるほどね。」

武雄が読み終わりアリスに手紙を渡す。

アリスとスミスが手紙を見始める。

ジェシーは武雄が許可を出すまで見る気は無いようだ。

「彩雲、とりあえず街の北と東の魔物のコラの部下になる条件は調べるという事になるでしょう。

 同種族が見つかれば話し合いをする場を設け、連れて行けるか決めさせて貰います。」

「はっ!

 スライムに関する件とジーナ殿の件は全て追認するとの話でした。」

「・・・追認・・・ですか?」

武雄が目を細めて彩雲を見る。

「はい、そう言っていました。」

彩雲は頷くのみだった。

「・・・わかりました。善処しましょう。

 手紙には街周辺の森は探索が始まったと書いてありましたが?」

「はい、シグレのアサギリが始めています。

 ハツユキのアサギリも指示の通り王都と魔王国との関に向けて通路を作っています。」

「わかりました。

 夕霧、時雨、初雪、彩雲は稀な存在です。

 皆に依頼している仕事は4名の命以上に必要な事ではありません。

 やり方はいくらでもあります。

 無理は絶対にしないように言ってください。」

「はっ!伯爵からも同様に言われています。」

「なら良いでしょう。

 そして魔王国との輸出入品ですが・・・

 ウォルトウィスキーは月21本の年252本を輸出し、米は500㎏の輸入を伯爵は決めましたか。

 まぁこの部分は私も追認します。

 コノハ。」

「はいは~い。タケオ、何ですか?」

「米200㎏は作付けに回します。

 あとの300㎏を料理に使う予定ですが、酒はどうしますか?」

「タケオ、米は精米ですか?」

「籾状態です。ですので実際はもっと少ないでしょう。」

「試作として10㎏あれば良いです。

 そうすればここの皆が1回は飲めるはずです。

 あ、麹が問題かぁ・・・んー・・・実が付いた辺りで見に行ければ、良い麹菌に出会えそうだけど・・・

 んー~・・・作付けしてから酒事業かなぁ。」

コノハが悩みながら言ってくる。

「とりあえず酒造りは今年末辺りに出来そうですね。

 あとはこっちの問題としては米作りが出来るエルフと出会えるかですね。」

「タケオ、さっきの話だとウィリプ連合国で入手する予定なのですね?」

コノハが聞いて来る。

「ええ、そうですね。」

「タケオ、手持ちの金貨で足りるのですか?」

パラスが聞いて来る。

「・・・そこですよね。

 手持ちの金貨は67枚。冒険者組合に170枚あります。

 ですが、先の侵入者の話ではエルフは1人当たり金貨200から300枚です。

 ヴィクターとジーナを買った際は当初は金貨300枚で次の提示が金貨250枚、即金で払うからと金貨240枚でしたか。

 それに順守条項を私の命令を守るという事以外に3つ付加出来るようにして貰いましたか・・・」

武雄が思案しながら説明をする横でジェシーとアリスがガックリとしていた。

スミスとヴィクターとジーナは苦笑い中。

「あれ?どうしましたか?」

武雄がガックリしている2名に聞いて来る。

「・・・タケオさん、買ったとは聞いたけど本気で買ったのね。」

「買うのに本気も本気でないもないですけど。

 値切って特典を付けて貰っただけです。」

武雄がしれっと言う。

「奴隷売買で良くそこまで価格交渉出来るわよね・・・」

「・・・ジェシーさん、それは違いますよ。

 奴隷の買取は割と簡単な分類の交渉事です。」

「そうなの?」

「ええ。私は奴隷売買だからこそ(・・・・・・・・・)価格交渉が簡単な方だと思っているのですけど・・・

 確かに人型が売られているとすぐに買って上げたいと思うかもしれません。

 私達は人間です、同情もあるでしょう。

 ですが、商売という観点で見ると奴隷を販売するのにかかる費用というのがあると考えられます。」

「買った際の原価ですか?」

アリスが聞いて来る。

「ん~・・・原価+利益+運送料+食事費+衛生費等が販売価格なのですが、原価と利益は固定費として、それ以外の例えば食費とかは売れ残ると日数ごとに増加していきます。

 なので奴隷商人は早く売り渡したいのです。

 そこが価格交渉の材料になると私は考えています。」

「野菜とかとは違うのですか?」

スミスが聞いて来る。

「違いますね。

 野菜や肉と言った食物は売れなければ捨てるしか出来ません。

 なので販売価格は元々価格交渉が出来ないくらい低く設定されていると想定しています。

 価格交渉は多数を買う事による利益分のみです。

 ですが、奴隷は売れ残っても(・・・・・・)どこかで売れる(・・・・・・・)可能性があります。

 なので、ある程度の期間売れ残っても良いように価格がある程度高く設定されていると想定しています。」

「・・・そこの価格帯で交渉をするのですか?」

「そうですよ。

 なので交渉出来る余地がある程度あるというのは交渉としては割と楽と言えます。」

武雄が真面目な顔をして言う。

「んー・・・タケオさん、じゃあヴィクターとジーナを買った時は満足いく価格で買ったの?」

「2割引きですからね。結構向こうも頑張って貰ったでしょう。

 まぁその感覚で言えばエルフは金貨160枚から240枚が相場でしょう。」

「んー・・・タケオ様、農業をさせたいなら2名以上は必要でしょう。

 手持ちでの金額では足りませんね。」

アリスが悩みながら言う。

「そうですね・・・さてどうした物か・・・」

武雄が悩むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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