第796話 今後の相談2(どんな条件で買うか。)
「ん~・・・誰かに借りますか?」
スミスが言ってくる。
「流石に借金は・・・」
武雄が難しい顔をさせる。
「タケオさんはどう思うの?」
ジェシーが聞いてくる。
「王都に来るまでにそれなりに魔物を確保しましたからそれを冒険者組合に売るくらいしか今の所ないですね。
それに1人分はあるのです。
無理して他の人に借りを作るよりかは良い人材1人を選んだ方が良いと思いますね。」
武雄が考えながら言う。
「ん~・・・1人で農業が出来るのかしら?」
ジェシーが首を傾げる。
「何とも言えないでしょうね。
とりあえず米の試験作付ですからね。
与えられる畑は小さいでしょう。
その辺はエルヴィスさんと話し合って決めないといけないでしょうね。」
「お爺さまとフレデリックは村を作るような事を言っていませんでしたか?」
アリスが言ってくる。
「普通に考えれば、そんな簡単に村なんか出来ませんよ。
たぶん・・・村の隅に間借りするのが費用的にも順当な方法だと思います。
なのでエルヴィスさんやフレデリックさんが考えているのは将来の話だと私は思っています。」
「ん~・・・でも異種族が隣に住むのを嫌がるかも知れませんから新しく村を作った方がイザコザが少ないのではないですか?
そういう風に考えれば小さい村もありではないですか?」
武雄の考えにスミスが異を唱える。
「なるほど、確かにそうとも言えますか。」
武雄がスミスの考えを聞き頷く。
「タケオ様、村を作る作らないは別として最初の仲間は外見が重要ですよね?」
アリスも言ってくる。
「そうですね。
受け入れやすい種族なのはジーナ達のような人間と狼に変身出来る獣人かエルフでしょうね。
それにエルヴィス邸がある街中ではジーナやアニータ達が居ても苦情は来ていませんから私としても優先的に探したい者達ですね。
次に耳やしっぽが獣で後は人間と同じ風貌の獣人ですかね。」
「それなら普通に街道を歩いていますから抵抗感は低いとは思いますけど・・・街道を歩いているのと隣人として住むのでは違うかもしれませんね。」
アリスがため息をつく。
「こればっかりはしてみないとわかりませんね。
住んだ感じでは街中に明らかに獣人という者は居ないですからね。
出来る限り可愛いか綺麗な女性、もしくは美少年か美男子でしょうね。」
「・・・そうですよね。
うん、確かにその方が良いですね。」
アリスも武雄の考えに頷く。
「ご主人様、アリス様、なんで美人が良いのですか?」
ジーナが聞いて来る。
「厳つい顔より可愛らしい顔の方が街や村の人の対応が優しそうでしょう?
可愛らしい子が失敗しても許されて、同じ失敗を厳つい顔の人がしたら厳しく言われるなんてよく聞く話ですよ。」
武雄が無表情で言ってくる。
「・・・能力よりも外見を重視ですか?」
「農業をさせるのに必要な能力は、何か新しい事を閃く発想力よりコツコツと経験を積む忍耐力だと思っていますけどもね。
その辺は見聞きして確認すれば良いでしょう。
それに異種族が今後雇用できるかの試金石になるかもしれないのです。
外見を重視し、こんなかわいい子達が健気に農業に従事して成果を出そうとしていると領民や国民に浸透させれば偏見は少なくなるでしょう。
まぁ差別は外見でするものではないので本気で嫌っている人には効果が薄いでしょうけども。
とりあえずは今は最低限の能力があれば良いです。
領民の意識が異種族に寛容になれば、異種族の人達も少しは兵士になりたいという考えを持てるようになるかもしれませんからね。」
「そういう物ですか?」
「そういう物ですよ。
エルヴィス家に関して言えば街中でヴィクターやジーナ、アニータにミルコが歩いていれば異種族が生活するのが当たり前の状態を作り出せます。
もちろん、皆が皆優しいとは限りません。4人にはいろいろ言ってくる人がいるかもしれませんが、街中の散歩は日課にして欲しい物ですね。
普通に生活をしている事を人々の目に触れさせる事が今は大事ですよ。」
武雄が考えながら言う。
「・・・じゃあ、タケオは異種族に寛大なのね?」
コノハが聞いてくる。
「・・・コノハも知っているでしょうが、私の出身地は八百万の神々を信じる国民で何でも擬人化させるが好きな国民でもありますからね。
昔から狗神だの九尾の狐だの数多くの童話や伝承に魔物や人の言葉を話す動物の話は出てきますし・・・自分達で作った物にでさえ、前面に賽銭箱を置けば拝み始め、数日で一柱になるかもしれません。
貧乏にも病気にも神が宿ると信じる寛容性が高い地域ですからね。たかが外見が違うと言うだけで忌諱はしないですよ。
むしろ何をしたかで嫌悪度が変わるかもしれませんね。
種族かどうかは発生頻度によるでしょうか。」
「それもそうね。
タケオ。これからもそうである事を望みますよ?」
「さて・・・望めばその通り行くかは何とも言えません。
ですが、公平な目を持ちたいとは思いますね。」
「それは良い事ね。」
コノハが頷くのだった。
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