第782話 妃会議2日目と武雄の研修(周辺諸国の国家体制)。
ここは妃達の会議室。
「だー!!!それはどういうことよ!?見たの!?」
ローナが怒っていた。
「えー・・・だって、クリフお義兄様はそういう方でしょう?」
「そうだよねー?」
レイラとアルマが口を揃えてクリフ批判をしていた。
「何が・・・『あれは絶対ムッツリスケベでねちっこいはず』よ!?」
ローナが怒る。
「ええ?だって政策も軍事も満遍なくこなしているのでしょう?
なら・・・夜の方が下手だったり何かしら性癖がおかしいんじゃないの?」
レイラが言ってくる。
「いやいやいや、レイラ、それはどうしてそう思うの?」
セリーナが聞いて来る。
「完璧な男性なんていません。」
「そうだよね~。お義兄様は施政者として完璧だからね~。
どこかに何かあると思うのが普通だよね。」
「・・・そういうウィリアムはどうなのよ?」
ローナがジト目で聞いて来る。
「ウィリアムは情報収集は得意だけど軍事はした事ないしなぁ。
人付き合い下手そうだし。そう言った面では凡人だよね。
まぁ夜は優しいけど・・・タケオさんの知識のおかげで上手くはなったのかな?」
「そうですね~。」
アルマの説明にレイラが頷く。
「「・・・」」
リネットとクラリッサはいつの間にか猥談になっており赤面しながら聞き耳を立てている。
「ぐむむ・・・うちのクリフだってタケオさんの知識のおかげでそれとなく上昇中よ!」
あっけらかんとしている第3皇子妃達を見てローナが負け惜しみを言ってくる。
「でも皆も結局の所はタケオさん頼みなのね。」
セリーナが統括する。
「「「うっ・・・」」」
ローナにアルマ、レイラが口をつぐむ。
「はぁ・・・旦那達のみに負担を強いてはいけないでしょう。
タケオさんに新しい技教えて貰わないといけないかしら?
あ、そういう私もタケオさん頼みか・・・」
「「「技!?」」」
3人が食いつく。
「アルマ、レイラ、アリスを抱き込んで新たな情報を入手しなさい!
見返りは要相談で!」
「「はいっ!」」
アルマとレイラがセリーナに言われて即答する。
「さてと、じゃあ本題に行こうかしら。
次期王はクリフだけどその後の王位継承についてね。
クラリッサ!リネット!呆けるんじゃない!」
「「は・・・はいっ!」」
セリーナに怒られ新妃は姿勢を正すのだった。
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ここは王城内の小会議室。
最終日の新人貴族研修午後の部が絶賛行われていた。
「・・・はい?」
武雄が午後の会議を聞いていて質問をされたので聞き返していた。
「ですから。
キタミザト殿は今後の国家体制はどうした方が良いと思いますか?」
オルコットが再度聞いて来ていた。
実際の所実質3回の研修で貴族としての守るべき事や地方貴族の話、研究所の話、今後の軍事方針や専売局との話を終えており、概ね必要な事は話されつくしていた。
で、午後になって総まとめをしていたのだが・・・
いつの間にか政治体制についての話になっていて今武雄が名指しされていた。
武雄は「これってかなりヤバい内容だよね?ちゃんとした受け答えをしないとマズい」と思っていたりする。
「そうですね。
・・・陛下がというよりも王都が何をしたいのかに寄ると思いますが・・・
私の中ではアズパール王国は地方分権国家という括りなのだと思っています。」
「ほぉ・・・続きを。」
オルコットが楽しそうに言ってくる。
「地方分権国家は地方自治を各領主がしますので、地域にあった政策を長期の計画で出来、長年その土地を同一家族が管理する為、地域への理解や領主への愛情が生まれると考える一方で汚職や中央の命令を聞かなかったりと不安要素もある国家体制でしょう。」
「ふむ。では他にどんな物がありますか?」
「私が見聞きしているのはカトランダ帝国でしょうか。
あの国は中央集権国家という括りなのだと思っています。
その特徴は人・物・金を首都に集めると共に地方の行政においては中央の役人が数年交代でしてるのでしょうから汚職が防ぎやすく、中央の命令が早く行きわたるので国家としての政策の実現が早いという考えが出来る一方で、地方行政が数年ごとにリセットされてしまう可能性もあるので地域の発展が遅々として進まないという不安要素がある国家体制だと思います。
それに中央に権力を集中するという事はそれだけ利権に絡む人間が中央に集結するとも言えます。
中央、地方問わず賄賂という手段を一番使いやすい国家とも言えるかもしれません。」
「ふむふむ。
魔王国についてはどうでしょうか。」
「魔王国の印象は中央主権と地方分権の両方をしているという感じですか・・・
ヴィクターに前に聞きましたが、王の周辺では王軍が基本的な国の施政を担っていると言っていました。
特に戦争や外交関係は国の裁可が必要だという認識です。
そして地方領主は自治と治安と実際の戦争を担当している者という事でしたので割と地方分権よりかもしれません。」
「なるほど。
ウィリプ連合国についてはどうでしょうか?」
「すみません。そちらは存じていません。
オルコット宰相、説明をお願いして良いでしょうか。」
「大統領制国家群という感じでしょうか。」
「国家群?」
武雄が聞きなれない単語を聞き返す。
「ウィリプ連合国は7つの国家の集合体です。
10年ごとに投票で7家から首領を決め大統領を名乗っています。
国家としての指針や法令は大統領府が起案し、その起案を7国の国王の多数決で国の行方を決めているというのが正式な所でしょうか。
国家を8地域に分割して統治している国家です。
キタミザト殿の言い方だと地方分権に近いですかね。」
「7国なのに8地域ですか?」
「はい。7国という言い方が面倒ですね。
国を7家と大統領府の8地域に分割して統治している国家です。」
「そうなのですか。」
武雄が頷く。
「では、キタミザト殿は今後の国家体制はどうした方が良いと思いますか?」
オルコットが再度聞いて来る。
「・・・その土地で国家が形成されているのならそれがその地域でやりやすい方式を取っているという事なのだと思っています。
まぁ多少は国家に不満を持っている輩はいるにしても今の体制を変えないと国家が壊れる訳でもなく。
エルヴィス領内において現状の体制を壊さないと領民が救えない訳ではない。
貧困も少ないようですし、飢餓が起きているわけでもない。
潤沢な資金があるというわけではないが国も王家も地方領主も金策に喘いでもいない。
総じていえば『現状を変える必要がない』となると思います。
他国の政治体制が良さそうと思うのは良いとしても自国の政治を転換させるには多くの労力と多くの血が流れるのは必然です。
そして多くの血とは文官、武官ではなく国民が流すのはわかり切っています。
それをしてまで政治体制の転換を望む事はあり得ません。
むしろそれをする必要になった時は相当この国は腐敗しています。
なので最初の所に戻りますが、王都が何をしたいのかで変わるのでしょう。」
「キタミザト殿の考えはわかりました。
では次はアルダーソン殿、いきましょうか。
アルダーソン殿は今後の国家体制はどうした方が良いと思いますか?」
新貴族への戒めの最終講義が始まるのだった。
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