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第722話 アリスの戦術考案と部下帰宅。

夕飯後にはオルコット宰相とクラーク議長、警備局長、第2騎士団長達が部屋に挨拶に来てスミスに対して正式には謝罪をし、スミスも「今後同様な事が起こらなければ当家としても大事にする事はありません。」と謝罪を受け入れて終わり、多少歓談をして皆が退出して行った。

スミスは「今が一番緊張しました」と疲れた顔をさせながら部屋へと戻って行き、ヴィクターとジーナは「何かあれば呼んでください」と執事らしく退出。

武雄とアリスは湯浴みもさっさと終わらせ今は寝る前のリバーシ中。

ミアとスーは前回も用意された子供用ベッドでスヤスヤ寝ていたりする。


「ん~・・・タケオ様、4つの角周辺を毎回取らせないようにしているのですね。」

アリスが武雄の打つ手を見ながら言ってくる。

「ええ。このやり方なら勝率が6割か7割は出せますからね。」

「なんだか・・・ズルくないですか?」

「ズルいですか?

 私はこのやり方が楽だからしているんですけどね。

 まぁルールにはしてはいけないとはないですし、ズルいと思うならアリスお嬢様も何か勝ちに繋がるやり方を考えてはどうですか?

 例えば先に角を取ってしまうとか。」

「・・・でもタケオ様はこっちが角を取りに行くと違う方を攻めだしますよね。」

「ええ、当たり前ですね。

 私はいつものやり方をしたいのですから。」

「むぅ・・・それだと練習になりません。

 タケオ様、練習させてください!」

「・・・私は角を取りに行けば良いのですか?」

「はい!お願いします!」

・・

「むぅ・・・2回しても勝てません。」

アリスが腕を組みながら呟く。

「思い付きだけで必勝法が生み出されるわけないですよ。」

武雄が苦笑する。

「勝ちたいです!」

「考えては試すを何度もしながら自分なりの打ち方を見つけるしかないですよ。」

「ん~・・・見つかりますかね?」

「私はこの打ち方が閃いた時は唐突でした。

 そして勝率が割りと良いので重宝しています。

 アリスお嬢様は何を思い付くか楽しみです。」

「いつか見つけてみます。」

アリスが考えながら頷くのだった。


とテラスの扉を何かがノックする。

アリスは直ぐに席を立ち、剣を鞘から抜き、片手で持ちながらミア達の近くに行く。

武雄は壁に寄り添いながらテラスを見る。

武雄はアリスに顔を向け苦笑しながら首を振る。

アリスは何も言わずに先程まで居た席に戻る。

「・・・おかえり、彩雲。」

「はっ!戻りました。」

彩雲がピョンピョンと飛びながら部屋の中にやって来る。

「ミア達は寝ています。

 と、そうだ。朝霧達にご飯を上げないといけないですね。

 アリスお嬢様、ちょっと厨房に行ってきます。」

「はい、わかりました。」

武雄は一旦退出するのだった。

・・

「これは栄養価が高いですね。」

朝霧(緑)と朝霧(黒)と彩雲が生ゴミの入った桶の上に立ちながら食事をしている。

「そうですか。

 それは良かった。」

武雄はスライム達の食事風景(足元から吸収している)を目を細めてながら見ていた。

「タケオ様、料理長に何か言われませんでしたか?」

アリスもタケオと同じような顔つきで朝霧達を見ていたが何もなさそうなので武雄に話を振って来る。

「ええ、言われましたよ。

 『生ゴミを何に使うのですか?』と訝しがられましたね。」

「何とお答えを?」

「別に・・・『特務です』としか言っていません。」

「特務・・・良いんですかそれで?」

「良いんじゃないですか?誰からの(・・・・)特務かは言っていませんし。

 誰かに言われてもまぁ『ゴミ貴族』とか揶揄されるだけでしょう。」

「最低なあだ名ですが・・・タケオ様はそれで良いのですか?」

「特には。生ゴミは朝霧達が活動する為にも必要ですし。

 それに部下の労を労うのに必要な食糧を無料で(・・・)貰えますからね。

 先見性も能力もない(・・・・・・・・・)他者からのあだ名なんて気にもしません。

 それにそんなあだ名で人を呼ぶ輩は私が居ない所でしか言いませんよ。

 まぁ私に面と向かって言うならそれはそれで面白いですけどね。」

「はぁ・・・王都で何と言われようがタケオ様が良いと言うなら・・・

 それにタケオ様が何で生ゴミ(・・・・・・・・・・)を持っていくのか(・・・・・・・・)を真剣に考えられる人ならあだ名なんて付けませんしね。」

アリスが呆れながら頷く。

「さてと。彩雲、食べながらで良いので夕霧達の話を聞かせてください。

 夕霧は何と言っていましたか?」

「はっ!ではまず、先のキタミザト殿からの用件を伝えた返事からします。」

と彩雲は話を始めるのだった。

・・

「なら夕霧もエルヴィス伯爵も私の言った通り、『上空から見た地上の情報取集』と『特定の人物との手紙や伝言のやりとり』の為に彩雲を動かすのに同意したのですね?」

「はっ!その通りかと。

 それとゆくゆくはエルダームーンスライム達を集めたいと言っております。」

「その辺は追々でしょうね。今は存在の確認が先決でしょう。

 ちなみに王都(ここ)までエルヴィス邸からはどのくらいで来れますか?」

「はっ!街道沿いを飛び、途中で枯葉の摂取をしてエルヴィス邸から2日で来れました。

 食事の摂取・・・そうですね。この桶の半分を事前に摂取しておけば1日で着きます。

 また、前回キタミザト殿に言われた鳥達が飛んでいる高さの2倍以上の高さを飛ぶことを実施し、何の障害も無く飛行が出来ました。

 もう少し高く飛べそうではあります。」

「そうですか。なら次はもう少し高く飛びなさい。

 迎撃されては意味がありません。

 それにしても片道1日。アリスお嬢様、彩雲を使うと最速で情報が渡せますね。」

「はい。伝令を送っても1日と半日はかかります。

 これは緊急時に役に立ちそうです。」

アリスが頷く。

「彩雲もエルダームーンスライムという事は5種のスライムの生成と吸収が出来るのですね?」

「はっ!」

彩雲はお腹辺りから5種のスライムを生む。

とその時部屋のドアがノックされる。

アリスは武雄に顔を向ける。

「彩雲、朝霧、動かないように(・・・・・・・)。」

武雄がスライムに注意を促す。

アリスは武雄が頷いた後「どうぞ」と入室の許可を出すとエイミーが入って来るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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