第698話 ジェシーと武雄の相談。2(エルヴィス領とゴドウィン領との付き合い方。)
「で、タケオさん、今後のエルヴィス領では何をする気なの?」
ジェシーが徐に聞いてくる。
「エルヴィスさん、打ち合わせ前に言っても良いのですか?」
「わしは構わんよ。
フレデリックも良いかの?」
「はい。この際です、
現状でのタケオ様の予定を聞いておくのも良いかもしれません。
おっと・・・執事を連れて来ましょう。
彼らも知っておいた方が良いでしょうね。
それに最終的には文官同士で擦り合わせをしますから大枠だけ決めれば良いと思います。
では一旦失礼いたします。」
と一旦、フレデリックは退出しすぐに数名の執事を連れて戻って来る。
「うむ。ではタケオ、お願いするかの。」
「はい。
まずいろいろしていますが、エルヴィス領から他領に出す物はトレンチコート、ウォルトウィスキー、ウスターソース、そして研究所が研究し、制作する盾が基本になります。」
「コートとウィスキーは前回試したわね。盾の話もさっきアリスに聞いたし。
ソースというのは?」
ジェシーが聞いてくる。
「揚げ物、サラダ、スープ等々今までとは違う用途が広いソースですね。
元々は第1皇子一家領で作られていた物を魔王国に面している貴族領のみ販売するという条件でレシピを私が買ってきた物です。」
「お爺さま、アリス、スミス、それは美味しいの?」
「「「とっても!」」」
エルヴィス家の面々が頷く。
「そうかぁ。じゃあうちも買ってみるかなぁ。
樽での販売はしているの?」
「はい、今日から販売をしていますよ。」
「あ、そうか。確かその販売をしにタケオさんは出かけていたのよね。」
「はい。
ですが・・・ここで問題が発生します。」
「ん?どうしたの?」
「このソースは野菜を使って作るのですが、需要が多くなると穀物よりも野菜を作って貰わないといけない可能性があります。」
「なるほどね。
穀物の増産は出来ないのか。現状を維持しつつ野菜の面積を増やすというのね。」
「人口がいきなり増える訳ではありませんから・・・
ある程度は小麦の生産量が減る可能性すらあります。
ですので領内の小麦の生産量とテンプル伯爵領からの仕入れ量では足らないかもしれません。」
「そうね。
その分をうちから買うというの?」
「はい。
1つの所から大量に仕入れるのも価格を下げる面では良いかもしれませんが・・・
フレデリックさん、この際テンプル伯爵領からはそのままでゴドウィン伯爵領からの量を増やす事をしてはいけませんかね?」
「仕入れ先の多様化は3つまでなら良いかもしれませんね。
仕入れ量の調整はうちの文官達で調整しましょう。」
「フレデリック、上手くしてね。」
「フレデリックさん、お願いします。」
ジェシーと武雄がフレデリックに頭を下げる。
「タケオさんの考えだとコートとウィスキーと盾とソースをうちが買って、うちからは穀物だけかしら?
何だか金欠になりそうね。
他に欲しい物はないの?」
「ポクポク肉を売って欲しいのですけど。」
「ん?ポクポク?
あれは少数生産なのよね~・・・と言うよりなんで知っているの?
領外に出す事なんてほとんどないのに。」
「王都に行った際の旅先で第2皇子一家領とゴドウィンさん達の所で作っていると教えられました。
それを売って貰えませんか?」
「ポクポク肉かぁ・・・」
「ジェシーお姉様!ぜひ売ってください!」
アリスがポクポク肉に反応を示す。
「何じゃアリス、そのポクポクというのは?」
「聞いたことないですよ?」
エルヴィス爺さんとスミスが首を傾げながら聞いてくる。
「オーク肉と似た感じなのですが、とっても美味しいのですよ!
あれはまた食べたいです。
ジェシーお姉様、売ってください!」
「はぁ・・・あれ一応うちから陛下への献上品の一角なのよ。
それに高いでしょ?」
「そこを何とか!」
アリスが食い下がる。
「んー・・・タケオさん、いくらで買って貰えそう?」
「オーク肉の4倍の買い付け値でどうでしょうか。
そして定数を買う事を契約しても良いですね。」
「買い付けで4倍かぁ・・・魅力的ね。
でもまずは少数ね。それこそ2、3か月に2頭で今年は10頭前後からで良いかしら?」
「うぅ・・・ジェシーお姉様、それでは私達の口に入るのは2か月に1回です。」
「ポクポクは飼育が面倒でね。
数を増やそうにも数年単位だわ。」
「ジェシーお嬢様、これはまだ検討段階での依頼なのですが、飼料の輸出を増やせませんでしょうか?」
「ん?フレデリック、飼料が足らなそうなの?」
「はい。
タケオ様の話の続きなのですが、現状の試算では上手く行くと領内の収穫物の1割が野菜になりますので飼料にまで手がまわりません。」
「・・・飼料についてはたぶん増産は可能ね。
作付面積に余裕があるわけではないけど、飼料用なら品質を下げれるからね。
皆に少しずつ作って貰ってから集めればそれなりの量になるだろうしね。
具体的な数量は文官同士でお願い。」
「はい、畏まりました。」
「大枠は決まったの。
あとはまた夕飯後に話そうかの。
ジェシーもスタンリーも夜通しの馬車で疲れておるじゃろう。
夕飯まで寝ておれ。」
「はい、お爺さま。」
「お言葉に甘えさせて頂きます。」
「うむ。
夕飯後は将棋とリバーシじゃからの!」
「「将棋?リバーシ?」」
ジェシーとボールドが首を傾げる。
「タケオ様が作った玩具です。
結構、頭を使うんですよ。」
アリスが楽しそうに言う。
「そっか、それも楽しみにしていましょうか。」
ジェシーは楽しそうに言うのだった。
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