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第620話 ヴィクター達からの収支報告。

客間の扉がノックされエルヴィス爺さんが許可を出すと執事とヴィクターとジーナが入って来る。

「「「失礼します。」」」

3人は室内の面々に挨拶をする。

「伯爵様、キタミザト様。

 本日のヴィクターとジーナの研修が終わりましたので、ご挨拶に参りました。」

「うむ。」

「はい、ご苦労様です。

 ヴィクター、ジーナ、今日から本格的な研修でしたがどうでしたか?」

「はい。

 今日は主のお金の研修をしておりました。」

「そう言っていましたね。

 ですが、私は領地持ちのエルヴィス家と違って王都への納税がないので基本は収入と支出になると思っているのですがどうでしょうか。」

「はい、その通りです。

 今日は軽くですが今の開始時点のキタミザト家の収支の確認をしてきました。」

「ではジーナが収支の説明を行います。」

「は・・・はい!ではこちらの紙に収支をまとめましたのでご覧ください!」

ジーナが緊張しながら皆に1枚の資料を渡していく。


------------------------

キタミザト子爵家の収支報告書(仮)

≪収入≫

貴族報酬 年金貨300枚

研究所の建物補助金貨200枚

研究所の資金 1750枚(内金貨100枚は所長手当)

計金貨2250枚


≪動産の収入≫

トレンチコートの契約料 1着当たり銀貨5枚

ウォルトウィスキーの契約料 1本当たり銅貨5枚

ウスターソースの契約料 小樽1個当たり銅貨2枚


≪支出≫

研究所建て替え費用 金貨400枚。

ウスターソース等のエルヴィス家への貸付 金貨200枚

ヴィクター親子の給料 金貨6枚×12か月=金貨72枚

ヴィクター親子の家賃補助 銀貨7枚×12か月=銀貨84枚=金8枚銀4枚

総監 月金6枚×12か月×1名=金72枚

小隊長 月金5.5枚×12か月×1名=金66枚

小隊員 月金4枚×12か月×8名=金384枚

研究室長 月金5.5枚×12か月×1名=金66枚

研究員 月金4枚×12か月×1名=金48枚


騎士章持ち差額 0.5×12×9=金貨54枚

資料を買い付け 金貨18枚

計金貨1280 銀貨4枚


≪キタミザト子爵家の現在の残金≫

計金貨969枚、銀貨6枚

※ただし動産の収入は含まれない金額


------------------------

「資料の通り、来年1年間の収支報告(仮)になります。

 現状ではキタミザト家と研究所を合算していますが、最終的には別々の内訳を作りたいと思います。」

「ふむ、タケオ何かあるかの?」

「いえ、この通りでしょう。

 今は試験小隊の人員が半分以下なので残金が多いですが、再来年には試験小隊の人員が増えますので支出が増えますよね。

 それと・・・あぁ、研究所の建て替え費用が金貨100枚増えたから私の頭の中の計算とズレているのですね。

 やはりこういった内訳はちゃんと確認しないといけないですね。」

武雄が頷きながら「あと冒険者組合に金貨130枚あったからそれはへそくりかな?」と思っていたりする。

「タケオ様、やはり再来年に人員が定数揃うとしたら・・・あまり余裕がなくなりますか。」

「再来年は建物の建て替え関連費がなくなるので貴族報酬の金貨300枚が残金に回りますね。」

武雄とアリスが話している横で。

「んー・・・」

スミスが悩んでいる。

「スミス、どうしたのじゃ?」

「いえ、この動産収入が意外と少ないなぁと。」

「スミス様、そこは見た目的に少なくなっていますが、トレンチコートは年間500着、ウィスキーは1~3年は年3000本、ウスターソースは今の所同数の3000個程度は売れるかもしれないと習っています。」

ヴィクターが説明する。

「という事は・・・

 トレンチコートで金貨250枚、ウィスキーで金貨15枚、ウスターソースで金貨6枚ですか。」

「はい。

 ウィスキーとウスターソースの販売価格は現在ではまだ未定となっています。

 ウィスキーは現在試供品をお届けしているそうで実質価格は上がる可能性があると言われています。

 ウスターソースもまだ試作品を作る段階なので正式な価格とは言われていないそうです。」

「そうなのですね。

 年間を通してみると大き目の収入になるのですね。」

「上手くいけばですけど。」

スミスが素直に感心している横で武雄は苦笑していた。

「タケオの中ではあとは何をする気じゃ?」

「そうですね。

 黒板とかは始まりましたよね。

 あ、スミス坊ちゃんの寄宿舎用の収納を作らないといけなかったですね。」

「棚を作るのかの?」

「はい。太腿くらいまでの収納棚ですね。

 寄宿舎で見たクローゼットは奥行が販売されている家具よりも浅く作られているのでそれに合わせて考案しようかと。」

「特注かの?

 高そうな感じじゃが。」

「はい。私も普通に頼むと高いと思うので、大部分を木製ではなく布製にしようかと考えています。

 基本的には下着等の軽目の物を入れられる収納にしようかと。」

「ふむ、利点はなんじゃ?」

「軽い、安い、引っ越しの際は折り畳める・・・でしょうか。」

「意匠はどうかの?」

「いや、布ですから意匠も何も・・・引き出しがあるだけです。」

「ふむ・・・タケオ。

 貴族として(・・・・・)と考えるとどう思う?」

「んー・・・。

 特権階級をちゃんと他の生徒に見せないといけない・・・煌びやかでなくてもちゃんとしていないといけないのでしょうか。

 そう言った面では意匠は権威の象徴と捉えられなくもない・・・ですか?」

「うむ。

 確かに寄宿舎は3年しか過ごさないからの。

 安く済ませる方法も取り入れられるじゃろうがの。

 だが、わしらは貴族じゃ。

 ある程度、他の面々よりも室内の調度品には気を遣う必要がある。」

「なるほど。

 では、布製の収納の件はスミス坊ちゃんには使えなさそうですね。」

武雄がため息をつく。

「すまんの。

 だが、領民たちに向けては良い考えだと思うの。」

「んー・・・ならハワース商会にまた行って考えを聞いてきます。」

「うむ。

 領民の生活が向上すれば良いのぉ。」

エルヴィス爺さんが朗らかに言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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