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第619話 皆で今後の相談。2

「で、だが。

 タケオがさっき料理長と話している時に今後、どのレシピを街に広めるかという話をしていたのじゃが。

 タケオはどう思うかの?」

「えーっと・・・バターと生クリームで牛、トリカツとプリンで鶏、ピザ等の穀物、出汁系は干物関係・・・分類としてはこれでしょうか?」

タケオが考えながら大雑把に分類する。

「うむ、どれも満足じゃった。

 でじゃ、普通ならレシピは各店で秘匿されていて各料理人が自分の舌でレシピを盗む物という感じなのじゃがの。

 レシピを教える事(・・・・・・・・)で領内の活性化を狙えないかと思っての。」

「・・・牛は牧場でしょうか。鶏は養鶏場の普及と同時期にやれば効果は高そうです。

 穀物は自給率が最大85%と低い今の時点でするというのも・・・品薄になれば開墾をしてくれるのでしょうか。

 出汁は干物ですか・・・そうだ。シイタケ等のキノコ栽培をする農家を作れませんかね?」

「タケオ様、キノコ専門の農家ですか?

 キノコは秋口に村の農夫たちが山に入り、自然に生えている物を採って来るのですが、タケオ様の考えだとキノコ採り専門という事でしょうか?」

フレデリックが首を傾げながら言う。

「副業ではなく本業としてです。」

「んー・・・タケオの言いたい事がわからんの。

 そのキノコ専門農家はどういった事をするのじゃ?」

エルヴィス爺さんが聞くとスミスとフレデリックも頷く。

「先ほどフレデリックさんも言っていましたが、多くのキノコは秋に収穫され、干物等に加工をされるのでしょう。

 なら1年を通して同じ気候《・・・・・・・・・・・》を作り出せたら季節に関係なく安定的にキノコが収穫できると思います。」

「1年中かの?・・・春、夏、秋、冬どの時期でも秋と同じにするのかの?」

「はい。」

「ふむ・・・フレデリック、納屋の室温を一定にする事は可能かの?」

「可不可で言えば可能でしょうが・・・

 冬から春にかけては室内を温める為の薪が必要ですし、夏は逆に室温を下げる何かしらの方法を取らないといけないでしょう。

 果たしてシイタケでそこまでコストをかけられるのか・・・」

「うむ・・・そうじゃの。」

エルヴィス爺さんとフレデリックが難しい顔をさせる。

「ちなみにタケオ様、キノコはどうやって栽培するのですか?」

スミスが聞いてくる。

「木を細かくした物と腐葉土のような栄養がある土とを混ぜて苗床を作り、そこにキノコの菌糸を蒔いて栽培します。

 あとは湿度を高めにし、霧が出る環境のように空気に湿り気がある状態を維持して、気温も10月くらいの気候を1年中作り出せば人工栽培が出来ると思っています。

 それにシイタケだけではなく、価値が高いキノコを栽培出来れば収益になると思いますし、普段は取れない時期に出荷すれば需要はあるとも考えています。」

「ふむ・・・・

 フレデリック、経済局に振ってみるかの?」

「そうですね。

 年明けの局長会議の際に皆に聞いてみます。

 もしかしたら既にしている所や、したい所が出てくるかもしれません。」

エルヴィス爺さんとフレデリックが頷く。

「それともう1点なのですけども・・・出来るかはわかりませんが良いですか?」

「ふむ・・・何か別の事を考え付いたのじゃの?」

「ええ、人工湖の話に付属するのですけど。

 魚の養殖は出来ませんか?」

「「「「養殖?」」」」

その場の面々が驚く。

「はい。

 王都でレイラさんが『紅魚は海でも川でも獲れる魚』と言っていました。

 ですので紅魚の成魚から卵を採り人工孵化の後に人工湖に大きな生け簀を作って、魚が成魚になるまで、管理すれば良いのではないでしょうか。」

「うむ。

 じゃが、紅魚を人の手で孵化させた事はないと思うのじゃが・・・フレデリック、過去にあったかの?」

「私も見聞きしたことがないですね。

 タケオ様、どうやるのですか?」

「知っている知識だけで言うなら産卵をしにきた紅魚のオス、メスを採り、メスからは卵を採取し、オスの精子をかけて人工授精をさせます。

 その後に一定の水温にしてある水槽や小さい生け簀に入れ孵化をさせます。

 孵化したのちは小麦等の飼料を与えて個体が大きくなれば大きな生け簀に移して、さらに成長をさせれば良いと思います。

 ですが、まずは紅魚の生態調査から始めないといけないので商品になってくるのは数年後だと思います。」

「ふむ・・・

 フレデリック、これも年明けの局長会議行きじゃの。」

「はい。」

「では話を戻すと、現状で出来るのは牧場を中心とした牛肉、牛乳、生クリーム、バター、チーズでしょうか。

 それと養鶏場を中心とした鶏肉、卵ですね。

 私はこの2つに関連する料理を近々広めると良いと思います。」

「ふむ。スミスはどう思うかの?」

「前に出たピザですが、これは商隊や旅人のような一時滞在者向けに流行ると思うのです。

 街に生活している人達向けには牛や鶏が良いのはわかるのですが・・・旅人が来たいと思わせるレシピを先に出して街に来る人を多くする事も必要なのではないでしょうか?」

「ふむ・・・確かにスミスの言葉も正しいの。

 外貨は街の外から(・・・・・・・・)持って来るのが正しいからの。

 アリスはどうじゃ?」

「そうですね・・・私は養鶏場の政策が始まりつつあるなかで各村のやる気を促すには鶏肉と卵の消費量をまずは上げる必要があると思います。

 さらにスミスの言う一時滞在者向けにはタケオ様が作ったトリカツをウスターソースに絡ませた物をサンドイッチにすれば良いのではないかと思います。」

「ふむ。

 アリスの考えが理にかなっていそうじゃの。

 タケオ、フレデリック。」

「「はい。」」

「タケオはトリカツだけでなく、他に数種類の鶏肉料理を料理長と考え出してくれるかの?

 フレデリックはそこからレシピをリスト化し、街の振興に寄与できるような方策を考えてくれるかの?」

「「わかりました。」」

武雄とフレデリックが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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