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第574話 大人たちのマッタリ時間。(喫茶店の人員は?)

夕飯後、武雄とエルヴィス爺さん、フレデリックとヴィクターはエルヴィス爺さんの書斎に移動していた。

アリスとスミスとジーナとチビッ子達は客間に移動して食後のお茶を楽しむようだ。


「今日の夕飯も絶品だったのぉ。」

「上手く作っていましたね。」

「私が治めていた領地ではこの様な食事は無かったので、主に拾われてから食事の偉大さをわかった気がします。」

エルヴィス爺さん、武雄、ヴィクターが朗らかに語り合っていた。

ちなみにここからは武雄も席に座りまったりと歓談することになっている。

また皆の前にはウォルトウィスキーがあり、各々勝手にやっている。

エルヴィス爺さんはストレート、武雄はハーフロック、ヴィクターは水割りだ。

「タケオが来てからは食事が楽しくての。」

「エルヴィス殿、わかります。

 私共も旅の食事が楽しみでした。」

「想像は容易いの。

 タケオ、さっき言っていたウスターソースはいつ完成かの?」

「レシピ通り作れれば、約4日ですかね。」

「ほぉ、割りと早いの。」

「まずは作ってくれるか・・・からですね。」

「問題ないと思うがの。

 ファロン殿は食べたのかの?」

「はい、頂きました。

 あれは間違いなく売れるかと。」

「ふむ・・・

 ファロン殿、このウォルトウィスキーとウスターソースを魔王国に卸したら売れると思うかの?」

「そうですね・・・

 私が治めていた領地ならウスターソースは売れますね。

 ウォルトウィスキーというよりも酒類はあまり飲まないので来客時ぐらいにしか需要はありません。

 国としてみると両方とも売れると見ます。」

「ふむ・・・」

「外貨獲得に動くのですか?」

武雄が聞いてくる。

「うむ。基本的には金銭は他から稼がないといけないという事はわかっておる。」

「はい。」

「周辺の貴族領から集めても大きく見れば国の中だけの移動になるからいつかは枯渇するかもしれん。

 今のうちから他国からも少ないかもしれないが、収入の目処は立てたいの。」

「エルヴィス殿は先を良く考えておられるのですね。」

ヴィクターが感心する。

「いやいや、今までは何も売る物は無かったのじゃがな。

 ここに来て売れそうな物が出てきたから欲を出してみたのじゃよ。」

エルヴィス爺さんが苦笑する。

「ちなみにファロン殿、貴殿の居た領地からうちに向けての何か目新しい物はあるかの?」

「さて・・・私達は衣服や家具等の調度品を買い付けるために商売をしていますが・・・

 エルヴィス領向けには肉と小物の輸出をしていましたね。」

「うむ。

 こちらからも干物関係をやり取りしているの。

 買ってくるばかりじゃ。これからは多少利益が得られるかの?」

「ウォルトウィスキーに関していえば領内でさえ3年後に本格的な普及ですからね。

 他国への輸出を考えるのはさらに先でしょう。」

「ウスターソースはどうじゃ?」

「まずはこの街で流行らせ、次に領内、さらに周辺の貴族領でその後に他国でしょうが、この街で流行らせた段階で輸出をしても良いかも知れません。

 どちらにしても半年か1年後の生産量がどうなるかですね。」

「そうか、やはりすぐに財政が向上する訳ではないの。」

エルヴィス爺さんが寂しそうに呟く。

「はい、残念ながら・・・

 皆の給料に反映させるには少し時間がかかるかと。」

「・・・タケオ、気づいていたのかの?」

「魔法師専門学院の各領地の求人表を見まして・・・そこで。」

「そうか・・・厳しいものじゃ。」

「だからこそ、満足度を上げる為の昼食時の割り引きなのでしょう?」

「うむ。

 フレデリックが考え付いたのじゃ。」

「はい。

 文官、武官の離職を押さえる為の政策として考えました。

 大まかに昼食代が銅貨10枚かかるとして半額の銅貨5枚を援助するとして月銅貨150枚を援助しようかと思っています。」

「銀貨1枚と銅貨50枚ですか。

 給料を上げるよりかは皆の心理的に向上するかもしれないですが・・・」

「ん?タケオは何か思う所があるのかの?」

「いえ・・・昼食を持ってくる人(・・・・・)も居るのかなぁと。」

「なるほど・・・確かにそれはあり得ますね。

 家からサンドイッチを持って来る方もいますか。

 タケオ様はこの政策はどうやったら上手くいくと思いますか?」

「そうですね・・・食券というのはどうでしょうか。」

「「「食券?」」」

「補助を全員にするのではなく、希望者に食券を1枚銅貨5枚、10枚1組で販売し、研究所の1階の喫茶店の昼食の日替わりメニューのみ対象とし、さらに文官全員の給料を銅貨50枚分上げるとしてはどうでしょうか。

 そして喫茶店の日替わりメニューは・・・フレデリックさん。文官の方々は何名でしたでしょうか?」

「この街には340名で各町に40名ずつですね。」

「では、毎日約半数の150名分を用意しましょうか。」

「全員分ではないのかの?」

「全員来るとは限りませんし、毎日来るとも限りません。

 喫茶店側としても廃棄率も考えると半分程度を見込むのが一番かと。

 それに毎日150食という決まりを作れば仕入の数量管理が出来ますので店舗側にも利があります。

 それと一般の方には銅貨12枚で日替わりメニューを提供しようかと思います。」

「少し割高じゃの。」

「価格差銅貨7枚・・・気持ち的にそれだけ優遇されていると思ってくれれば福利厚生の意味にはなるでしょうし、そもそも原価は銅貨6枚程度に抑えるべきでしょう。

 そうすれば喫茶店の経営は軌道に乗りそうです。」

「ふむ、利益をどれだけみるのかが鍵じゃの。

 タケオ的にはどのくらい稼ぎたいのかの?」

「料理人はエルヴィス家から派遣されますが、皿洗いや配膳、片付け、会計等をする人。・・・短時間でも2、3人雇わないといけないでしょうからその費用分と食材費、後は諸経費分は稼ぎたいですね。」

「雇用か・・・どんな募集要項にするのかの?」

「短時間なので、時間制の雇用が良いとは思うのですが・・・

 顔見知りに声をかけますかね。」

「タケオにそんな知り合いがいたかの?」

「料理長の奥さんと娘のヒルダですかね・・・

 あとは居ないですかね。」

「ふむ、料理長経由で聞いてみるしかないの。

 それにある意味で適材ではある。」

「そうなのですか?」

「料理長の妻は元うちの料理人じゃからの。」

「あぁ、だからヒルダは料理の手際が良いのですね。」

「うむ。」

「わかりました。

 明日にでも料理長に相談してみます。」

「そう言えば、ファロン殿はどういった物を食べれるのかの?」

武雄のマッタリ時間は過ぎて行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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