第572話 鈴音とサリタの雑談とブルック達の買い物。
「あぁ・・・」
鈴音が自分に割り当てられた部屋のベッドにダイブしてゴロゴロしていた。
「やっと住み家ができたのか~。
長かったような短かったような・・・」
鈴音は自らが教えた小銃が原因で工房を畳む事をブラッドリーが決めた日の事を昨日の事のように覚えている。
驚き、悲しみ、悔しさ、申し訳なさ・・・あの時は皆に詫びるしかなかった。
「でも、あれがあったからここに居るんだよね~・・・
捨てる神あれば拾う神あり・・・だっけ?
領主様のご家族で王都の貴族とも仲の良い武雄さんの後ろ盾もあるし・・・上手くいかせないといけないよね!」
鈴音はやる気を新たにするのだった。
ちなみにブラッドリー、ベインズ、ボイドは今チャドとエルヴィス家の執事を交えてこの屋敷の契約についての話合いをしている。
鈴音とバキトとサリタは一足先に部屋に戻って良いとなっていた。
と、鈴音の扉がノックされ鈴音が許可を出すとサリタが入って来る。
「やっほー、スズネ。」
「サリタさん、お疲れ様です。」
「疲れたわね・・・それにしても総石造りの物件を与えられるとはね・・・」
サリタが鈴音の部屋の椅子に腰をかける。
鈴音もベッドに腰かけて話をする体勢を取る。
「ですね。
工房は木造と思っていたんですけど・・・違うのですかね?」
「んー・・・東町ではそうだったけどね。
帝都では石造りの工房もあったみたいよ?私は見たことないけどね。」
「んー・・・これってさっき会った伯爵様の意気込みなんですかね?」
「ね?キタミザト様だけでなくこの地の領主も私達に期待しているみたいね・・・
これってとんでもない待遇よね?」
「ですよね。
それに温和そうな伯爵様で良かったですね~。」
「アズパール王国の領主も帝国の文官みたいに威張り腐っていると思っていたわ。」
「はは、武雄さんとアリスさんを見ていればそんな感じはしないですけどね。」
「あ・・・そうだった。
あの2人は上司の感覚で、領主側だと認識していなかったわ。」
サリタが苦笑する。
「で、どうしたんですか?」
「あ、そうそう、とりあえず今日は夕飯を皆で取りに行くだろうから準備してと伝えに来たのよ。」
「生活品は明日ですかね?」
「そうね。
どんな店があるかわからないからね。」
「とりあえず大通り沿いに見に行けば良いのでしょうかね?」
「だね。」
「あ、王都で見た食器はありますかね?」
「あれ良かったよね!
あれは王都だからあったのかなぁ?
ここって地方都市だからあるか心配だよね。」
「地方って・・・ここは私達が居た東町より栄えていません?」
「あれ?そうだっけ?
他にも帝国に無かった物もあると良いね。」
「ですね。
あ、サリタさん、さっき見たんですけど」
鈴音とサリタは楽しそうに話し合うのだった。
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「アニータ、ミルコ、選べましたか?」
ブルックが2人に声をかける。
アーキンとブルック、アニータとミルコは宿に行ってから早めの夕飯がてら雑貨屋に寄って下着や寝間着等を見ていた。
「ん~・・・これを選びました。」
「僕はこれです。」
2人して選んだ物を見せてくる。
「へぇ~。」
ブルックが楽しそうに頷く。
アニータは下着も寝間着もシンプルな白で選び、ミルコは下着は白だが、寝間着は何やら可愛らしい馬の絵が入っている物を選んでいた。
ブルック的には女の子は可愛らしいのを男の子は無地を好むかと思っていたので新鮮な驚きだった。
それに「まだお子さまだしこれからかな~。」と微笑ましく思っていると。
「決まったかい?」
アーキンも近寄ってくる。
「ええ。
アニータが無地でミルコは可愛らしいのを選んだわ。」
「うん、可愛らしくて良いんじゃないか?」
「あれ?アーキンは少しも驚かないの?」
「ん?・・・どこか驚く所があったか?」
アーキンが首を傾げる。
「ミルコが可愛らしいのを選んだのだけど・・・」
「ダメなのですか?」
ミルコが不思議がる。
「いや、ミルコ、問題ないぞ。
ブルック、男の子が可愛らしいのを選んでも良いだろう?」
「それはそうなんだけど・・・私的には意外だわ。」
「そうか?・・・まぁ他人の寝間着姿なんて普段は見ないもんだが・・・
普通に可愛らしいのを着ている男性はいるぞ?」
「え!?・・・アーキンも?」
「いや、俺は無地が好きだが隊の連中では4割くらいはいるんじゃないか?」
「そんなにいるの!?」
ブルックが新たな真実に驚く。
「まぁ、女性みたいに花柄とかはなく馬とか馬車とかだったな。
普通に売っているぞ?
まぁ大人用はここには無いようだが。」
「男性の下着売り場なんて行かないわよ。
それにしてもアーキンは女性の寝間着を知っているのね?」
ブルックが目を細める。
「普通に売っているし、そのぐらい常識の範疇だろ?
誰かに聞いてみろよ。知らないヤツはいないと思うぞ?」
「だ・・・誰に聞けと?」
「キタミザト殿ならちゃんと答えてくれると思うぞ?」
「・・・止めとく。」
ブルックは少し考えたが諦める。
「どうしてだ?」
「こんな話をキタミザト殿にしたら『面白そう』と言い出して作りそう・・・」
「あぁ、確かに。」
アーキンとブルックがため息をつく横で。
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「ん?どうしたの?」
「キタミザト様に言うと作ってくれるんだって。」
「そうみたいね~。
何か作って貰おうか。」
2人は小声で何やら勘違い(?)をするのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




