第526話 王家がドキドキ4。(旦那達は何をしているのか?)
武雄は各一家と料理長からリストに金額を書かせ、いくらか確認せずに紙を回収していた。
「では皆さん、ありがとうございました。」
「頭を捻ったわ・・・」
ローナが疲れた顔をさせながら言う。
「はは。
面白いやり取りでしたでしょうか?」
「疲れるから当分したくないわ。」
セリーナが答える。
「ふふ。
では、こちらがレシピになります。」
と、武雄が5枚綴じのノートをそれぞれに渡す。
それぞれが中を確認する。
「ねぇタケオさん、ちょっと気になったんですけど。」
「はい。レイラ殿下、何でしょうか?」
「実家に帰った際に出された・・・えーっと・・・ラザニラ?でしたっけ?」
「ラザニアですね。」
「そうそう。それがなかったのは何で?」
「私が作りましたが、発想自体はヒルダの物です。
エルヴィス邸のみで出すなら大した問題ではないでしょうが、他者に教えるにはヒルダの了承を得てからでしょう。」
「なるほどね。」
レイラが頷く。
「タケオさん、支払いは明日で良いかしら?」
「明日はエルヴィス領に向けて出立の予定なので、今日頂けないのであれば、次にお会いするであろう来年の1月半ばでお願いします。」
「1月半ば?」
「はい。1月半ばに殿下方の挙式と爵位の授与式を執り行う予定と伺っています。」
「タケオさん、それは誰から言われたの?」
「昨日、どこぞの男性陣に囲まれましてね。最高権力者から直に。」
「「「うちの旦那が迷惑をかけてます!」」」
妃達が頭を下げる。
「いえいえ。」
「ちなみに、ウィリアム達はタケオさんに何を聞いたの?」
アルマが聞いてくる。
「・・・知りたいですか?」
「え?・・・その言い方は怖いわね。
でも、知りたいです!」
「まぁ夫婦間で秘密にする事ではないでしょうね。
端的に言えば『保健』を渡す事を依頼されました。」
「「「え!?」」」
アルマとレイラそしてアリスの3名が驚きの声をあげるが、他の面子は「何それ?」と不思議そうな顔をさせる。
「タ・・・タケオさん。
それでどうなったの?」
「ウィリアム殿下に渡してある物を陛下が借り受け、書き写した物をクリフ殿下とニール殿下に渡すそうです。」
「・・・そぉ・・・」
「で、タケオさん、その保健って何?」
ローナが聞いてくる。
「・・・この場だと私では説明者としては不適切でしょう・・・詳しい内容はアルマ殿下とレイラ殿下にお聞きください。」
「あ!タケオさん!逃げる気ね!
ダメよ!タケオさんが皆に説明を!」
レイラが武雄を引き止めようとするが。
「はい、逃げさせて頂きます。
こう言った話は同性でするべきです。
あとは女性陣でワイワイやってください。」
「じゃあ、アリスを置いていってください!」
「え!?」
いきなり身柄引き渡しの要求をされアリスが驚く。
「レイラ?それはアリスも知っているの?」
セリーナがレイラに聞く。
「ある意味で一番体験しているはずです!」
「な!?」
「ん~・・・わからないわね。
タケオさんは説明が出来ないの?」
「いえ。ローナ殿下、保健という分野の物を数枚にまとめた物を書いたのは私です。
ですが、この内容は同性同士、親子、家族でするべきです。
レイラ殿下は誰と最初話し合いましたか?」
「う・・・アリスです。」
「私が話すよりも深い話が出来たのではないでしょうか。」
「それは・・・まぁ。」
「なので、異性は居ない方が良いのです。
それにレイラさん。」
「はい?」
「私が最初、保健のノートを見るに当たって何か言ったのを覚えていますか?」
「え?えーっと・・・」
「私の知識だけ書き出しても意味がないので、違う考え方や慣わしがあるのなら書いてくださいと言った・・・
あれ?レイラ殿下には言いませんでしたか?」
「言われたような・・・言われてないような・・・」
武雄とレイラが首を傾げる。
「まぁ良いです。
どっちにしてもレイラ殿下もジェシーさんも書いてくれませんでした。」
「あ・・・ジェシーお姉様にも見せたの?」
「お土産で持たせましたけど?」
「・・・そう・・・ジェシーお姉様も本気なのね。」
レイラがオドオドする。
「・・・殿下方、すみませんが、私と料理長はこれにて。
あとはアルマ殿下なり、レイラ殿下なりに事情聴取をお願いします。
そうですね・・・お昼は私が作ってきますから、それまで歓談でもしていてください。」
「それがタケオさんを逃がす為の条件?」
「はい。わが身可愛さです。」
武雄はにこやかに言ってのける。
「じゃあ、代わりにアリスを貰うわ。
それでどう?」
「そうですね・・・」
武雄はアリスを見る。
「うぅ・・・タケオ様・・・」
アリスは「嫌です」という感情を涙目ながらに訴える。
「わかりました。ではアリスお嬢様もこちらで。」
「タケオ様!?」
「アリスお嬢様にとっても良い機会でしょう。
エルヴィス家ではそんな話も出来ないでしょうからね。
たまには同性の中でいろんなことを話すのも良いかと。」
「タケオ様!」
「あ、アリスお嬢様、保健の中身の差異を書いておいてください。」
「へ?」
「良い機会です。
アズパール王国の中枢ならその真髄も教えてくれるでしょう。
書いておいてください。」
「うぅ・・・タケオ様は?」
「私は皆様方の昼食作りです。
じゃあ料理長、行きましょうか。」
「はい、わかりました。
では皆さま、これにて。」
武雄と料理長がさっさと退出してくのだった。
・・
・
「さてと・・・で?アルマ、レイラ、保健とは何なのですかね?」
「えーっと・・・」
「アルマお姉様、諦めましょう。」
レイラがため息交じりに呟く。
「そうね・・・じゃあ、持って来るわ。」
「はい・・・」
アルマが席を立ち自室に一旦戻るのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




