第524話 王家がドキドキ2。(第1皇子妃達と第2皇子一家の話し合い。)
広間にはアルマとレイラとエリカ、そして武雄とアリスが残っていた。
「タケオさん、これは結構あくどいわ。」
レイラがジト目で言ってくる。
「そうでしょうか?」
武雄は気にしていない。
「だっていくらで買うか言わないんだもん。
これはエイミーちゃんの言う通り試されていると考えるのが普通よ。」
レイラがため息交じりに言う。
「ふふ、こういう形態もあるという事ですよ。
これは入札方式と言って本来建物等を建てる時に複数の会社から選定をする場合に用いるのですけど・・・簡単に言えば建物の条件を同じにして最低価格を提示した会社と契約する選別方法です。
今回は全員にレシピをお教えしますが・・・もっとあくどく考えれば最高金額を提示した所にしか教えないという条件でも出来たのです。
それに比べればまだまだ優しいですよ。」
「こんなやり方は聞いたことがないわ・・・
建物を頼む時だってうちからどこか1集団に頼むのが普通だし・・・
でも・・・そうか、そういうやり方もあるのか・・・」
アルマが悩む。
「賄賂の温床になりかねませんけどね。
特定の集団がいつも契約すると内通が疑われて他の集団がそっぽを向くかもしれません。
ですから、これを採用するなら公平性が重要ですよ。
と、レイラさん達も話したいでしょうからね。
私とアリスお嬢様は窓際に移動しますか。」
「はい、わかりました。」
武雄達は席を立ち窓辺に向かうのだった。
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隣の広間にて。
「あぁ・・・聞いてはいたけどこれはキツイです・・・」
エイミーが机に突っ伏していた。
「エイミー殿下・・・どこまで知っていましたか?」
「昨日はタケオさんが何気に『王家の方々はレシピを買ってくれますかね?』と言っていたのです。
で、私が『買うと思いますよ?いくらですか?』と聞いたら・・・
『え?価格は各々が決めれば良いんじゃないですか?』って・・・1つか2つかと思っていたのに・・・まさかあんな数のレシピ数だとは思いもしなかった・・・」
「ですよね・・・一気に放出した感がありましたね。
はぁ・・・エイミー殿下どうしましょう?」
「わからないのよ・・・タケオさん的には本当に『気持ち程度』で提案したんだろうけど・・・
こっちとしては王家としての面子や今後のタケオさんとのやりとりもあるだろうし・・・」
「あぁ・・・第2皇子一家としてはエイミー殿下とエルヴィス家のスミスもありますからね・・・」
「そこは関係ない!・・・はずです。」
エイミーは言葉尻が弱くなる。
「そうですよね・・・こっちは王家ですもんね。
でもレシピに金貨十枚単位はおかしいですよね?」
「それはそうだけど・・・ただのレシピじゃない、この世にタケオさんしか作り出していない。
他の者が作り出していない料理よ。
それを優先的に私達王家が入手できる・・・うちの領地内や周辺貴族への対応で使えるなら有利な条件で場を作り出せるわ。
これは政争に使えるのよ。」
「でも、他の皇子一家や王城内で本が作り出されたらお終いです。」
「そこは・・・ふふ。
同時に出版すれば良いのよ。
それも1品くらい少なくね。」
「あ、なるほど。」
「王家とエルヴィス家でしか出さない料理が1品あればそれだけで他の貴族に優位な場での交渉が出来るわ。」
「さて・・・いくらにしますか?」
「・・・んー・・・私のお小遣いいくら残っていたかなぁ・・・」
「いやいや!一家の経費で落としましょうよ!
身銭を切ってはいけません!」
リネットが慌てだすのだった。
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もう片方の広間にて
「あぁ・・・タケオさん、やってくれるわ。」
セリーナがため息を思いっきりつく。
「はぁ・・・セリーナこれって・・・」
「私達への配慮じゃないかしらね?
アンの騒動にウスターソースを王城の料理長に売り込んでくれたし、それにクラリッサへの面談・・・一応、口頭で謝礼は言っているけど。
親として家族として・・・謝礼金なしはないわ。」
「だよね。
タケオさん、口頭ではいらないと言ったけど。
お金欲しかったのね。」
「そうとも考えられるし、そうじゃないとも言えるし・・・」
ローナの言い方にセリーナが悩む。
「違うの?」
「んー・・・良い方向に考えるならさっきの『売ります』宣言でタケオさんはアンの騒動を打ち消しているのよ。
説明する気はないと言っていたでしょう?
ならこっちに話を投げているから私達が何とでも話を作れるのよ。」
「確かにそうか・・・じゃあ、銅貨10枚というのは?」
「タケオさん、帰りにアリスに何か買う気なんでしょう?
それが銅貨40枚なんじゃないの?」
「そうだよね。このレシピの数を銅貨10枚は少ないよね。」
「あの・・・ローナ殿下、セリーナ殿下。
アン殿下の騒動とウスターソースを売り込むとは何でしょうか?」
クラリッサが聞いてくる。
「あ、そうね。
その辺の情報が必要か。」
ローナがクラリッサを見ながら言う。
「そうね、共通の認識は私達ではしてないといけないわね。
そもそもタケオさんがカトランダ帝国からアズパール王国に帰って来てうちの領地に来た時にね。」
セリーナが頷き説明を開始するのだった。
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