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第471話 武雄とアリスの話し合い。(まずはヴィクター達の事。)

「・・・」

ベッドには武雄とアリスが裸で抱き合って寝ている。

アリスは案の定、武雄に抱き着いて寝ているのだが、やっぱりガッチリと組まれていて動けません。

武雄はアリスの頭を撫でながらボーっとしているのだが・・・

「アリスお嬢様?」

「はい。」

「そろそろ起きましょうか?」

「・・・イヤです。」

「・・・起きましょうね?」

「むぅ・・・タケオ様は私から離れたいのですか?」

「このままの方が良いですね。」

「では、もう少しこのままでいましょう?」

「・・・そうもいかないでしょう?」

「むぅ・・・致し方ありませんね。」

と、アリスの拘束が解かれた武雄はベッドを出て着替え始める。

そして桶にぬるま湯を作りアリスの体を優しく拭いてからアリスも着替えを始めるのだった。

・・

武雄とアリスは机を囲みながらお茶を始めた。

「さて。そんなこんなで、アリスお嬢様を押し倒しましたが。」

「そこからですか?」

「ええ。マイヤーさんがブルックさんとフォレットさんから報告が行っているはずだと言われました。」

「それは聞きましたけど・・・実際の所はどうだったのでしょうか?」

「そうですね・・・まずはヴィクターとジーナは人間から狼に変身する型の獣人です。

 エルヴィス伯爵領の隣の領主だったそうです。

 カトランダ帝国の東町で売られていました。」

「報告の通り売られていたのですか・・・

 他人事ではないのでしょうね。」

「ええ。どうも2人から聞くとヴィクターの甥が関与している可能性が高いと言われましたね。」

「親族からですか・・・何とも・・・」

アリスは難しい顔をさせる。

「スミス坊ちゃんを守らないといけませんね。」

「そうですね。

 陛下がタケオ様の奴隷契約については難しい判断だと言っていました。

 アズパール王国では奴隷制度は取っていない。なので他国で契約をしてきた者には解除を要請しているとの事なのですが・・・タケオ様の契約は奴隷契約というよりも雇用契約に似ている為、一応、あの2人から事情を聴き出し、タケオ様が25年契約を確実に履行する確約が取れれば認める風な感じでした。」

「わかりました。

 きっちりとその辺は文章にしましょうかね。

 あの2人は奴隷契約が履行中ではありますが・・・たぶん雇用契約をしっかりと結べれば首輪を取っても平気でしょうしね。」

「そこまで信用をしますか?」

「信用は出来るとは思いますが・・・そもそもあの2人は施政者側の感覚をちゃんと持っています。

 自身が領内に戻れば何が起こるのか・・・少なくともヴィクターはわかっています。

 ですからそう易々とは越境しないでしょう。」

「・・・戻ると何が起こると思いますか?」

「アリスお嬢様、わかっているのに聞くのはズルいですが・・・

 まぁ簡単に言えば甥っ子一派とヴィクター派での内戦ですよ。

 私が買い取る際の決め手になった一言。

 『領民を手に掛けることは出来ない』これを信じてあげないといけないでしょうね。

 内戦になれば誰が一番傷つくのかわかっているのであれば突発的に自国領に戻る事はしないですよ。」

「タケオ様がそう言うのであれば私も異存はないです。

 王都で奴隷が認められるかは別として私達の新しい家族として扱います。」

「アリスお嬢様、ありがとうございます。」

「フレデリックと同じでしょうかね?」

「フレデリックさんにはまだまだ及ばないでしょうが・・・これからだと思います。

 それに元領主と貴族の娘の経験は他の者とは違うと思っていますよ。」

「確かにそう言われるとそうですね。

 施政者側で最初から物が見れるのは確かに私達にとっては良いですね。」

「はい。

 と、次は工房ですか・・・

 気が付けば小銃と懐中時計を作っている工房丸々移動できることになってしまいました。」

「小銃はわかるのですが懐中時計とは何ですか?」

「懐中時計というのはですね。

 この短いのと長いのを」

武雄は懐から懐中時計を取り出してアリスに説明するのだった。

・・

「なるほど。

 これは良い物ですね。」

アリスはウンウン頷く。

「では、それはアリスお嬢様にお土産という事で差し上げます。」

「え?良いのですか?」

「はい。便利ですし、これからはもう少し時間を考えながらいろいろ出来るでしょうしね。」

「えへへ♪」

アリスは嬉しそうに懐中時計を見つめる。

「ちなみにタケオ様、懐中時計のお土産はどなたに渡す予定なのですか?」

「そうですね・・・

 クリフ殿下には渡しましたし、あとはニール殿下とウィリアムさん達3名、あとは陛下ですかね。

 それにエルヴィスさんとスミス坊ちゃん、フレデリックさんに料理長、メイド長、執事次席。

 エルヴィス領の局長達が11名でしたかね。

 そして研究所の小隊8名か10名と研究者3名・・・今の所37、8個は決まっていますね。」

「レイラお姉様達には3個なのですか?」

「そうですね。

 元々私の出自でいろんな品物を見て貰った際に腕時計を一番欲しがったのがレイラさんですからね。」

「・・・そうでしたでしょうか?」

アリスが首を傾げながら言う。

「はい。何気なく欲しいとは言っていました。

 気に入ってくれると良いんですけどね。」

「レイラお姉様は喜ぶと思いますよ。」

アリスは嬉しそうに言う。

「あぁ、それと工房の人達の中で最後に挨拶した鈴音ですけどね。」

「はい。」

「私と同郷・・・異世界から来た者ですね。」

「え!?・・・という事はあの子が?」

アリスは驚いているが。

武雄は「アリスお嬢様、鈴音はアリスお嬢様より年上ですよ?」と思うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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