第3815話 ローの店でいつもの試飲をしよう。(輸入物は高い物です。)
昼前のローの酒屋。
ヴァレーリ達がイーリーの雑貨屋と宝石店に行き、ローの酒屋に到着した。
「キタミザト殿が居る。いつから居たんだ?」
ヴァレーリが呆れながら聞いてくる。
「私もちょうど今来た所なんですよ。
気にしないでください。」
武雄がにこやかに言う。
「そ、そうか。遅くなってすまん。」
ヴァレーリが何となく謝って来る。
「いえいえ。」
「ほほほ、今日は別々の行動だったのですね。」
試飲用のワインをいつものように持って店の奥からローがやって来る。
「おぉ、店主殿、いつも通りお元気そうで。」
「ほほほ、お嬢様方が来るのが楽しみで待っておりますよ。」
ローが言う。
「うん、私も会えて嬉しいですよ。
今日のは?」
「ほほほ、今日いらっしゃるという事は昨日の特産品祭りは参加されているのでしょう。
そこで、結構出払ったのですが、王都の酒で良いのが残りましてね。
今回は、それを飲んで頂こうかと。」
「ほほぉ、それは楽しみだな。」
「本当ねぇ。」
ヴァレーリとブリアーニが楽しそうに頷く。
「うむ、店主殿、それとは別になるのだが。」
「ほほほ、白で中の上が5樽入りましたよ。
いつでも樽で出荷出来ます。」
「それはありがたい。
買わせて頂く。」
グローリアが軽く頭を下げる。
「ローさん、いくらですか?」
「ほほほ、今、値段を持ってきますね。」
武雄が聞くとローは試飲セットをヴァレーリ達の前に置いて、奥に行く。
「キタミザト殿、いつもですまないが、換金をお願いしたい。」
「大丈夫ですよ。
立て替えますので、後程、皮の方はお願いします。」
「うむ。」
グローリアが頷く。
「ここに来るまでに雑貨屋と宝石店に行ってきたんだが、色々と楽しめた。」
ヴァレーリが言う。
「?特に特別な事はしていなかったかと思いますけど、何かありましたか?」
武雄が聞く。
「宝石店の商品自体は、あまり変わり映えはしないが、価格差は面白かったな。
それと雑貨屋だが、あそこはキタミザト殿のお抱えなんだな。」
「ヴィクターが連れて行ったのなら、イーリーさんの所ですかね?
私関係とわかる物を販売しているという事は魔王国関係の品々がありますしね。」
「うん、そうだな。
将棋を買いに行ったんだが、うちの商品の価格に驚いた。」
ヴァレーリが笑いながら言う。
「輸入物は高くなりますよ。」
「いや、まぁ、そうだが、それでも日頃の価格をそれなりに見ているからな。
高かったぁ。」
ヴァレーリが笑いながら言う。
「輸入物は高くなるのは致し方ないですよね。
我が国も、輸入物が今は大半なので、大変ですよ。」
ブリアーニが言う。
「だがな。
輸出側としては、流通している価格を下げる訳にはいかんからな。
輸入するという事は、そこから輸送費等が足されていくんだろう?
高くなって当然だよ。
だが、個人としては面白かった。」
ヴァレーリが言う。
「生産者側で安く作れれば良いのですけど、限度はありますしね。」
アンナローロが言う。
「それは生産者側の努力だけでは如何ともしがたいなぁ。
それこそ、全く違う作り方をして、安く作れて、品質はそのままであれば、輸出時の単価は下がるだろうが、人件費や費用等々が抑えられる画期的な方法なんて、そう簡単に出来る訳がない。
出来たら、もっと安く輸出している。」
ヴァレーリが言う。
「それもそうだね。」
ブリアーニが頷く。
「まぁ、当面は生産側の諸経費をどう低くするかと、輸送時の幌馬車に積む量をどうするかを検討していくしかないだろう。」
ヴァレーリが言う。
武雄は会話に入っていかないが、聞きながら「どこも抱える問題は一緒ですね」と考えながら聞いている。
「あー、なんか良い方法はないものか。」
ヴァレーリが武雄を見る。
「そんな方法があるのなら、エルヴィス家で実施しています。」
武雄が諦めながら言う。
「それもそうだな。
だが、輸入物を取り扱う人達は常に考える事でもある。
キタミザト殿、これから先、何かあったら情報交換をしような。」
ヴァレーリが言う。
「はい、わかりました。
とはいえ、そう簡単に見つかるのなら苦労はしませんが。」
武雄が言う。
「ほほほ、難しい話も良いですが、何も考えずに酒を飲んだ方が良いかもしれませんよ。」
ローが奥からやって来る。
「ふむ、まぁ、そうかもな。
余計な考え事をしながら酒を飲んでも美味しくはないだろうな。」
ヴァレーリが頷く。
「キタミザト様、こちら樽の販売価格になります。」
ローが武雄に紙を渡す。
「安くはないですね。」
「これも人件費などが乗っていますから。」
ローが武雄に言うのだった。
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