第3755話 エルヴィス爺さんと雑談。(夢は膨らむが、資金はなく。)
夕食後のエルヴィス侯爵邸の客間。
武雄達が夕食後のティータイムをしていた。
「鉱物被害の対策の件、ありがとうございます。」
武雄がエルヴィス爺さんに言う。
「なに、わしらもしていかないといけない事じゃからの。
こういう事は早めに対処しておけば、後々の苦労が軽くなる物じゃよ。
とはいえ、わしの方からも夕霧殿に指示をしてしまっているがの。」
「私も初雪に指示をしています。
今、夕霧と初雪が情報を共有して、最適な事を考えるでしょう。」
「うむ、こういう時は楽じゃの。
わしらだと意見が2つあると揉める事があるからの。」
「はい、小池の件ですが、上流に作るのは浄水する為ですが、干害用のため池の役割を持たせても良いですよね。」
武雄が言う。
「ため池の。
この地域では、そういった災害は起きておらぬが、これからも起きないと甘く構える訳にもいかないか。」
「侯爵、それにこれから村や町を作ろうと考えるとため池を用意しておいた方が良いと思うよ?
下流に流れる水量を減らすわけにはいかないから、常に水が足らなくなっても良いように溜めてかないと。
お金と一緒だよ。
いつか使うかもしれないから、人々が生きていけるだけの貯蓄をしないとね。」
チビコノハが現れて言う。
「ふむ、ビエラ殿達にお願いして、川の水量を増やすが、増えた分をわしらのため池に流れるようにするか。
悪くはないが・・・費用が無い。」
エルヴィス爺さんが言う。
「ですね。
キタミザト家から資金を融資していますが、それは農業と酪農に振っていますしね。」
アリスが言う。
「うむ、とはいえ、無計画に資金を投入すれば良いという訳ではないの。
周辺の村や町との兼ね合いや街道の整備、上下水道の手配、農地に適した土壌調査・・・うむ、すぐには動けんが、ため池を中心に村や町を作っても良いかもしれぬの。
動くのは、当面先じゃが、検討を始めるとしようかの。
どうせ、スミスが戻ってくる頃には用意しておかないといけないからの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「侯爵様、それとこの街の拡張計画も必要かと。
タケオさんから聞いている計画では、この街の人口も増えるのですよね?」
エリカが言う。
「うむ、その通りじゃ。
おぼろげにはあるのじゃが・・・うーん・・・財政局と経済局に領内の村や町、この街の拡大方法を検討させる部署を作るかのぉ。
はぁ・・・計画は作られてもいないが、どの政策も莫大な予算が必要じゃろうの。」
「新しい街区内にため池もある公園を用意しようよ。
人口が多くなると、精神の癒しが必要だし、万が一の水源としてのため池も兼ねれば、安心だよ。」
チビコノハが言う。
「確かに都市内に大規模な公園があるというのは人心安寧に役に立ちますね。
それにある程度大きく作れば、万が一の際の避難場所になったり、何かのイベント事にも使えます。
維持、管理の費用はかかりますが、考え方によっては一部に訓練場のような広場を設ければ利用料が取れる施設となるかもしれません。」
チビパナが言う。
「普通に遊ぶ分には利用料は取らないが、特産品祭りのようなイベントに使うなら利用料を取るという事ですね。
今は特産品祭りを街中ではしていますが、広場を用意すれば運営、監督するのも楽ですし、広場に集約するので酒の提供も可能かもしれません。」
武雄が言う。
「ふむ、広い訓練場を内包した公園のぉ。
そこにため池もあると。
大きいの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「造成費用もかかりますし、維持費もかかります。」
武雄が言う。
「だな。
検討はするが、実施できるかはわからぬの。
はぁ・・・ここでも資金難じゃ。」
エルヴィス爺さんがため息をつく。
「やりたい物が多すぎですね。」
アリスが言う。
「うむ・・・やらねばならない事が多いの。
今すぐ出来たら良いのにの。」
「皆さん、その悩みを抱えているのでしょうね。」
エリカが言う。
「そうなのかのぉ。
税収がすぐに増えぬかのぉ。」
エルヴィス爺さんがぼやく。
「その分は私が出していますから、なんとかしてください。」
「ふむ、融資はありがたく貰っておくがの。
それでも足らん。
他の領はどうやって、稼いでいるのかのぉ?」
エルヴィス爺さんが首を傾げる。
「それぞれでしょう。
ですが、短期間で巨額を稼ぐのは運が良いか、悪い事しているのが大半ですよ。
地道に領内の食物生産を上げて、人口を増やし、人口が増えるのに合わせ商業、工業を上げるしかありませんよ。」
武雄が言う。
「ふむ、タケオは短期で多くの収入を得ているの?」
「悪い事していますからね。」
武雄が即答する。
「ほぉ、例えば?」
「グローリアさんから買ったドラゴンの革を王都の富豪に高く売りつけて私腹を肥やしていますよ。
あ、その何割かはエルヴィス家に融資に回しているので、結果的にエルヴィスさんも悪人です。」
武雄がにこやかに言う。
「はは、その程度で悪人なら、大悪人が世の中を跋扈しておるの。」
エルヴィス爺さん達が苦笑するのだった。
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