第3748話 研究室と試験小隊の詰め所での雑談。(次への検討と工程の調整をしよう。)
研究所の2階 研究室。
研究室内の会議用の机で発表に使った各自の資料が積まれていた。
「はぁ・・・なんとか終わりましたね。」
トレーシーが机に肘を付き、左手で頬杖をしながら言う。
「トレーシーさん、ズルいですよ。
追加の研究課題を回避して。」
鈴音も机に着きながら言う。
「ははは、次までの猶予は貰えましたね。」
トレーシーが気にしないと言い放つ。
「まぁ、盾の方は王城への報告案件だからな。
確実に終わらせたいのだろう。」
ノットも席に着きながら言う。
「・・・そう思う事にします。
今まで保留だった発表が出来るのなら、王城も納得してくれるのかな?」
鈴音が言う。
「そうだな。
しっかりした物を室長は作るだろう。
それより室長の次の研究課題を見つけないといけないな。
第二研究所は非魔法師でも使える武具だろう?」
「そうですね。
魔法師向けは一研が担当、二研は普通の兵士が使える物という区切りですね。」
ノットと鈴音が言う。
「盾の新方式は今していますよね。
剣の標準化は試験小隊の方でしています。
さて、次は・・・」
トレーシーが考える。
「装備品ではないですか?
革とかの防具って、基本はあっても本人の体型に合わせて替えるので、標準化は難しそうです。
となるとリュックとかの装備品を統一してしまうのはどうでしょうか?」
鈴音が言う。
「ふむ、とは言えだ。
リュックも個人の体型により大きさが違う物だと思うが?」
ノットが鈴音に言う。
「んー・・・部隊毎に多少の差があっても持って行く物は戦闘服に食料、救急的な物、寝る際の物とか・・・共通する物も多いはずです。
体型に対しての差はそこまでないのではないですか?」
鈴音が言う。
「ふむ、確かに魔法師専門学院という魔法師の学び舎の課外授業の際も必要最低限を指示して、他は本人達に任せていますね。」
トレーシーが言う。
「種族の差というのが、この地ではないとなると標準的なリュックというのは、売れるかもしれないな。」
ノットが言う。
「移動時に重たい物は幌馬車で輸送するけど限度もあるからね。
必要最低限は自分で持たないといけないけど、その必要最低限が個人毎か小隊毎で違いがあるという事をスズネさんは言っているんだろうね。
ふむ・・・次の研究内容は標準的な装備品について・・・かな?
エルヴィス家の方々にお願いして、個々の装備品の種類や個数のアンケートを取りながら、標準的な物を割り出すという事をしてみるのも良いかもね。
今まで感覚的にしていた事を数値や文章にまとめるのも研究所の役割かもしれないね。」
トレーシーが言うのだった。
------------------------
研究所の1階 試験小隊詰め所。
マイヤーが試験小隊皆と話をしていた。
「とうとう盾の試験になるんですね。」
ブルックが言う。
「分割式は面白そうだな。」
オールストンが言う。
「発想はあっても中々、ちゃんとした製品にお目にかかった事がないですからね。」
アーリスが言う。
「これが完成したら、結構、貴族軍で受け入れられるかもしれないですね。」
ブレアが言う。
「戦争時の陣営の防御では組み立てて使い、小隊もしくは班で動く際は分割して使うという事だよね。
無駄がないから、双方を持っていた所なんかは、徐々に採用数を増やしてくれそうだ。」
ベイノンが言う。
「?・・・大きい盾ではいけないのですか?」
ミルコがケイとパメラに聞く。
「いけなくはないと思います。
軍での基本は大きい盾、今、話題にしている盾で言う組み立て時の盾を使っての防御です。
これが分割式になれば、攻め込む小隊全員が装備して戦闘を行い。
戦闘後は組み立てて、陣地の縁の防御に使えるという事です。
双方で使えるという事は、個別に持って行かなくて良いという事です。
経費も安く済みます。
なので、諸先輩方は『売れるだろう』と言っているのです。」
ケイが言う。
「なるほど・・・でも、この間の魔王国との慣例の戦争で、小さい盾は使いませんでしたが?」
「あー・・・戦争中では分割式よりも大きい盾で防御を固め、防いだ所を切り込むといった手法を取っているので、エルヴィス家では持っていかなかったか、もしくは数が少なかったのでしょう。」
ミルコの問いにケイが言う。
「・・・オーガの突撃を小さい盾では防げなかっただろうね。
でも、部隊で移動する際には小さい方が取り回しは良いよね。」
パメラが言う。
「そうだね。
となると、研究室が作ってきたこの分割式盾は、採用になるかもしれないからしっかりと試験をしないといけないという事ね。」
ケイが言う。
「さて、研究室の方からの依頼は以上だ。
それと試験小隊の剣と盾の標準化へ情報の収集と検討だが、所長から3月の王都への出張までには、第1弾の報告として、平均値と中央値の数値と検討の報告書を出すように言われている。
所長は王家専属魔法師に報告する事になるだろうから、しっかりと頼む。
アンダーセン、行程の調整をしてくれ。」
「了解しました。
今の行程に研究室からの依頼と報告書の作成期間を落とし込んだ、修正版を・・・明日中にはお見せできるようにします。」
アンダーセンが言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




