第3731話 協力工房の打ち上げ。(ゴム底が改良されるようです。)
夕食時のエルヴィス侯爵邸がある街のいつもの居酒屋では。
いつものメンバーが揃っていた。
「・・・はぁ・・・今日も無事に終わった・・・」
モニカが初っ端から気落ちさせながら飲んでいた。
「ほほほ、今日は魔王国とブリアーニ王国の方が来る日でしたね。
ハワース商会に何か注文が行ったのですかね?」
ローが笑いながら言う。
「ローさん、正解です。
まぁ、今回は色々と仕事の範囲を決めた事による収入を確保したという感じですね。」
モニカが言う。
「何をしたんですか?」
ラルフが聞いてくる。
「何をというか、冷蔵箱の販売範囲をエルヴィス侯爵家の領地に限定したという事です。
他国や他の領地にはキタミザト様経由で技術を売るという合意をしたんです。
なので、その利権販売があったんです。」
「ふむ、臨時収入があったという事ですね。」
ラルフが頷く。
「そうなんですけど、利益を売ったという自責の感情がズッシリとくるわけです。」
モニカが言う。
「ほほほ、モニカも若いですね。
自分の所で賄いきれないから利権を手放したのでしょう?
してしまったのですから、次は確保した利権を有意義に使わないといけませんね。」
ローが言う。
「そうなんですけど・・・わかっていてもズッシリときます。
利権を手放して良かったのかと。
はぁ・・・」
モニカが深いため息をつく。
「ふむ、とはいえ、キタミザト様が上位で話し合って売って来て貰えるという販売はキタミザト様頼りとなりますよね?
楽では?」
ラルフが考えながら言う。
「楽なんですけどね・・・そうなんですよね、楽なんですよ。」
モニカが考えながら言う。
「ほほほ、色々思う所があるのでしょうね。」
ローがモニカを見ながら言う。
「こんばんは~。」
「失礼する。」
「今日も皆居るな。」
鈴音とキャロル、アマーストがやって来る。
「おー、珍しい組み合わせだな。」
ベッドフォードが3人に言う。
「スニーカーの靴底の形状についての打ち合わせでした。」
「色々と形によって性能が違うという話をな。」
「ついでにゴムを作る際の金型で出来る物でもあるべきでね。」
鈴音、アマースト、キャロルが言う。
「ほぉ、新しい靴底ですか。
何か変更が?」
「もっと滑り辛くする形状はあるのかと、試験小隊の半長靴の靴底にした場合の厚さと耐久度の高さを考えました。」
鈴音がラルフに言う。
「ふむ、新しいのは出来そうですか?」
「明日、型の図面を作って・・・まぁ、今週中には試作出来るだろうな。
アマースト殿に試作を作って貰って、試験小隊員に確認して貰っての採用となるだろうな。
もっと滑らない靴底についてはラルフさんの所に納入しよう。」
キャロルが言う。
「半長靴の方は以前ラルフさんから貰っているから、靴底の試作中に用意して、完成までに更に4日といった所だな。」
アマーストが言う。
「そうなのですね。
ふむ・・・では、こちらも試作用の布を用意しておきます。
キャロルさん、26cmで用意願います。」
「わかった。
2組持って行く。」
「ええ、お願いします。」
ラルフが頷く。
「で、モニカさんがやけ酒気味なんですけど?」
鈴音がモニカを見ながら言う。
「ほほほ、なんでもキタミザト様に利権を売ったとか言って、早まったかと気に病んでいるんですよ。」
ローが言う。
「あー、冷蔵箱ですね。
でも、街中での想定製作個数が多くて、今の経営状態だと賄えないと判断して、この領内以外での製造と販売の権利を売ったんですよね?」
鈴音が言う。
「うっ、スズネちゃん、正確にわかっているわね。」
モニカが難しい顔をさせる。
「ええ、それにこの街だけで何戸部屋や店があると思っているですか?
たぶん、大変な事になると思いますよ。
それに、これから製造をしながら改良もしていくのでしょうからね。
新規販売と修理をしていく部署が必要だろうなぁと思って聞いていましたよ。」
鈴音が言う。
「あ、新しい部署が出来るのか。」
「ええ、数千は販売出来るでしょうからね。
ちなみにここの酒場のオーナーさんは買う気満々。
タケオさんがしている魔王国の輸入物も、私経由もあって、一早く扱っているという事と試験的な料理も試しているという関係から、キタミザト家、エルヴィス家の命令に従うとオーナーさんは言っています。
今回も仕入れると意気込んでいますが・・・モニカさん、注文来ていませんか?」
「ここは・・・あ、ローさんと同じで特注の大きいのを依頼しているんだった。
ローさんのが出来たら、次はここ用のを作ります。」
モニカが言う。
「ほほほ、来月には魔王国とブリアーニ王国のお嬢様方に冷やした物をお出し出来そうですね。」
ローが頷く。
「あ、そうだ。
今日はどうしてスズネちゃんが来ているの?
魔王国とブリアーニ王国の方が来る日は飲みに来ないのに。」
モニカが言う。
「打ち合わせが延びたからです。
とはいえ、軽く飲んだら帰ります。」
鈴音が言うのだった。
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