第3370話 伯爵邸で年始の挨拶を終えた者達はというと。(まぁ、武雄とエルヴィス爺さんなら話は盛り上がるだろう。)
エルヴィス伯爵邸の近くの喫茶店。
「・・・」
モニカが項垂れていた。
「・・・はぁ・・・こっちも終えたぞ。
・・・モニカにもまた追加が来たのか?」
キャロルがやってくる。
「はは、そういう言葉が出るという事はキャロルさんも言われた口ですか?」
ラルフが聞いてくる。
「あぁ、シュレッダーという商品の試作をしてくれと言われた。
まぁ、手紙とか書類とかの紙を細かく砕く機械という事らしい。
聞いた感じ、そこまで難しくはなさそうだから、試作をする事にな。
ラルフの所は?」
「色々と話しましたが、一番は防刃布の展開についての話が影響は多いかと。
生産工房も事前に大きくしておかないといけないなぁという事になりました。」
ラルフが言う。
「で・・・ハワース商会も何か言われたんだな。」
キャロルが同情の眼差しをモニカに向ける。
「・・・キタミザト様と伯爵様と歓談したの。」
モニカが項垂れながら言ってくる。
「あぁ、それは私達もそうだった。
で?」
「炬燵という商品の話をキタミザト様が熱弁して、試作して持ってくるって、寄木細工が欲しいとアリス様が言ってくれて、キタミザト様とアリス様のお子様が双子で女の子で子供用ベッドを注文するって言われて、ベッドは出産祝いで送らせて貰うとしていたけど、双子分は用意していなくて、急いで用意しなくちゃで、将棋や鉛筆の売上を聞かれたけど、キタミザト様が王都でもっと周知しなくちゃとやる気を見せて『今の3倍ぐらいになっても良いよね?』とおかしな事言うし、伯爵様は伯爵様で『耐火材等を新築の厨房や暖炉回りの壁に使用し、延焼を遅らせるよう努力義務化する法の準備している』とか言うし、スズネちゃんから変なのの試作と量産の話もあるし、割り振りどうすれば・・・」
モニカがブツブツ言う。
「・・・盛り上がったという事だな。」
「そのようです。
しかし、新商品を追加というより、今の商品をさらに売れるようにするみたいですね。」
「そのようだな。
まぁ、まだ、新しい事が言われないだけマシと思わないとな。」
「ええ、そうですね。
ああいう場で拒否はし辛いですからね。」
「確かにな。
他の工房の目もあるから拒否はなぁ。」
キャロルとラルフがモニカを見ながら言う。
「・・・ハワース商会は仕事量は増えますけど、そこまで悩む事ですかね?
何が問題なのでしょうか?」
ラルフがキャロルに聞く。
「あー、ハワース商会は仕事が増えてから人員を増やすやり方をしているんだ。
ラルフさんの所は、事前に人員を用意するだろう?」
「まぁ、売れるとわかっているのに人員を用意しないといけないと思っているだけですが。
ハワース商会は仕事が来てからなのですか。
まぁ、堅実ですね。」
「堅実ではあるが、いきなり増えるとなれば、色々と考えないといけないだろう。」
「・・・ふむ、まぁ、雇用が増えるという事でしょう。
うちも工場のミシン関係で雇用を増やそうかと組合で話がされています。
サテラ製作所は?」
ラルフが頷く。
「こっちも2人追加で雇用を予定している。
ローチ工房に卸している部品関係の注文が高止まりするような話になって、人員が少し足らない感がある。
まぁ、これから作る試作品が商品化した際の売り上げがどのくらいになるか・・・キタミザト様もイマイチわからないらしいから、それ次第で追加で2名か。」
キャロルが言う。
「キタミザト様がわからないと言ったのですか?」
「・・・王都に売り込むとは言っていたが・・・紙を砕く装置は売れるのだろうか?
キタミザト様としては20か30個は売れると思うと言ってくれているんだが、伸びはないような感じだ。」
「ふむ・・・私はキャロルさんとモニカがしている紙ファイルの方がかなり売れると思いますが・・・紙を粉砕するのですよね?
文官方の古くなった報告書や税関係の書類の破棄に使うのではないですか?
街中に公開するような物ではないでしょうし。」
「なるほど、だから30個程度なのか・・・」
「あとは街中の私達が使うか・・・という事ですが・・・
まぁ、私は欲しいですね。」
「ラルフさんは欲しいのか?」
「ええ、仕事柄、お客様個人の体格を記載していますし、過去に何を買われたのかも記載していますからね。
まぁ、数年いらっしゃらないと廃棄するのですが、その際にその紙を粉砕するのは使わせて貰いたいですね。」
ラルフが言う。
「なるほど・・・あまり使用頻度は高くないが、各商店に1個あれば使うということか。」
「ええ、少なくともお客様の情報を他者が簡単に見れる状態で破棄する訳にはいかないですね。
まぁ、今は破棄とは言っても暖炉で焼いてしまうのが一番早く、確実なのですがね。」
「それは・・そうだが。
ふむ・・・わかった、もしかしたらラルフさんに相談に行くかもしれないが、その際はお願いする。」
「構いませんよ。
私も欲しいですからね。
それに協力工房、商店では、その紙を砕く装置は必須になるかもしれませんね。」
「あー、そうだな。
キタミザト家関係の書類の破棄は気を使わないといけないか。」
「ええ、紙を粉砕し、その後に焼却する方法が良いかもしれません。」
ラルフが言うのだった。
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