第3368話 カトランダ帝国の新年会。(アズパール王国との慣例の戦争を皆に伝えよう。)
カトランダ帝国 皇城 大会議室。
カトランダ帝国皇帝とチコ、各軍の将軍やその補佐官達、文官等々の幹部が集まって食事会がされていた。
「無事に新年を迎えられたな。
去年は色々とあったが、チコの挙式が出来た事が何よりの吉事だったな。」
カトランダ帝国皇帝が言う。
「はい、父上。
挙式を出来た事、なによりです。
それにウィリプ連合国との交易だけでなく、第2軍のアズパール王国との交易も順調と聞いております。
我が国にとって今年は満足の行く成果が出せると思います。」
チコが言う。
「うん、そうあるように皆が動かないとな。
聞いた所によるとチコも夫婦仲は悪くないとあったが、チコ、大丈夫か?」
「大丈夫です。
妃達も仲良く過ごしています。」
「うん、それなら良い。
輸出入も順調となるなら穀物価格も安定するだろう。
後はアズパール王国向けにウィリプ連合国向け、ドワーフ王国向けに売れる物を多くしないといけないか。」
「父上、ドワーフ王国は手先が器用ですし、ウィリプ連合国は品々の価格が安い。
この2か国相手には難しいでしょう。」
チコが言う。
「それはそうだ。
だが、それでも売れる物を作らなければ我が国はいずれ廃れるだろう。
利益が少なかろうが、掌くらいの大きさだろうが。
何か他国に売れて、真似できない物を作らないといけない。
これは永遠の課題だろうな。」
「父上は何か作られましたか?」
「ないな。
色々とさせたが、いまいち他国に売れる商品にまではならなかった。
チコも売れる物を探すようにしてくれ。」
「畏まりました。」
チコが頷く。
「さて・・・皆が揃っている場で言っておく。
今年の8月にアズパール王国と慣例の戦争を行う。」
カトランダ帝国皇帝が言うと皆が姿勢を正す。
「チコに初陣を飾らせる。
それと同時に我の軍が次代に引き渡すに足る軍である事をチコに見せる。
ここ数年は睨み合いだけだが、久しぶりに部隊戦闘も許可する。
帝都護衛軍 総司令 アルヘンタ侯爵。」
「はっ!」
アルヘンタが立つ。
「出陣する部隊の編制を開始しろ。」
「了解しました!」
「皆、心せよ。
我の代での集大成を見せて貰う。
我が安心してチコに引き継げると思わせてくれるな?」
「「「はっ!陛下の御心を安んじ奉ります!」」」
軍幹部達が立ち上がり言う。
「うん、今回の慣例の戦争は、我らの為に始まり、我らの為に終わる。
準備を怠るな。」
「「「はっ!」」」
軍幹部達が言う。
「出陣する部隊には後日通達を出す。
各位、修練を怠るな。」
「「「了解しました!」」」
軍幹部達が言い席に着く。
「うん、アルヘンタ、頼むぞ。」
「はっ!」
アルヘンタが返事をして席に着く。
「チコ、お前は総指揮官として、帝都護衛軍と共に参戦して貰う。
とはいえ、チコの指揮で戦争の全体の流れを邪魔して、こちらが壊滅しては意味が無いからアルヘンタの指揮を学ぶというのが主だった事になるだろうが、ここぞという時は号令を発しないといけない。
その見極めを学ぶ場とする事だな。
日々、勉強だ。」
カトランダ帝国皇帝が言う。
「そうですね・・・時間はまだありますから、色々な事を学んで戦地に向かいます。」
チコが言う。
「あぁ。」
「・・・皇帝陛下、先ほど『見せて貰う』と言っておりましたが、戦地に来られるのですか?」
軍の幹部が聞く。
「うむ、我としては戦地には行かんが、全体を見える場所で観戦したいと思っている。
まぁ、これは現在の要望であって、見る場所が確保出来なければ、結果をここで待っている事になるだろうがな。
それについても今後の検討課題と言う事だ。
我が見ていようと見ていなかろうと、皆は最善を尽くしてくれると信じている。」
「はっ!誓って全力で臨みます!」
聞いてきた幹部が返事をする。
「父上が観戦にどこかに行くという事は皇城は空になるのですね?」
チコが言う。
「うむ。乗っ取りし易くなっているな。」
「いえ、父上、そういう事ではなくですね?空になるという事は政治が止まるという事です。」
「そうだな。
書類が溜まる程度だ、そういったものは戻ってから片付ければ良い。
それよりも・・・アズパール王国との慣例の戦争をウィリプ連合国も観戦に来るだろう。」
カトランダ帝国皇帝の言葉に皆が何も言わずに皇帝を見ている。
「・・・来ますか?」
「チコは来ないと思うのか?」
「いえ・・・正式には見に来ないでしょうね。」
「だろうな。
我から招待する気もないしな。
だからこそ、チコに初陣を飾らせ、皆の部隊戦闘を見せたいのもある。」
「ふむ・・・父上、アズパール王国に与える被害はどのくらいを?」
「壊滅させなければ良い。
内容は別にして、結果は引き分けという所で手打ちが出来れば良い。」
カトランダ帝国皇帝が言うのだった。
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