第3303話 415日目 炬燵の魔力をお聞かせします。(本人の意思が重要です。)
夕方のエルヴィス伯爵邸の客間。
武雄が勤務を終えて帰って来ており、夕食まで皆で客間で話をしていた。
「・・・まったく、タケオ、ああいうのうーちゃんとだーちゃんに言っちゃダメだよ。」
チビコノハが言ってくる。
「いや、だって・・・仁王様に連絡したかったし?出来るか知りたかったし?
炬燵欲しいし?」
武雄が苦笑しながら言う。
「それはわかるけどね。
でも、精霊通信は皆に伝わるんだから・・・はぁ・・・まぁ、良いか。
で、タケオ、ラフ画書いたんだって?」
「はーい、これ。」
武雄がチビコノハに渡す。
「ふむ、どれどれ・・・あー、なるほどね。
今貰ったのは改修後のやつだけど、テトちゃんからの説明を加味すると、今の書斎に置くように小さくしたんだね。
ふむふむ、机を囲うから軽く横に倒れられるか。
スズネとの話で、回りに敷くクッション作るんだって?」
「ええ、板間は寒いですからね。
綿を入れた大き目な炬燵布団を作るのと同時に周りに敷く用の綿入りマットを作りますよ。
座布団3つ分くらいの長さの綿入り敷マットとかあるでしょう?」
「ふむ・・寝る気だね。」
「堀り炬燵はウトウトするのに最適ですし、寝る際は斜めに横面へ足を伸ばして寝るスタイルです。」
「・・・まぁ、タケオの掘り炬燵の所作は自分なりにしなよ。
特に決まった事ないし。」
「子供の頃はそうやって寝ころびながらTV見ていましたけどね。
これがまた良いんですよ。」
「うん、気持ちは十分わかるわ。
まぁ、とりあえず、改修した部屋になる前に試作するって事ね?」
「ええ、新しい部屋に作るには新品を入れますから、まずは出来る事を確認する試作をしますよ。
仁王様にはもう頼んじゃいましたから、明日にでも皆さんの所に行って、説明と製作依頼してきます。
まぁ、ステノ技研以外は大した事ないでしょうから大丈夫だと思っていますけど。」
武雄が言う。
「まぁ、そうだね。」
チビコノハが頷く。
「ちなみにタケオ、炬燵で寝ると風邪を引きやすいので、ダメですよ?」
チビパナが現れて言う。
「はーい、気を付けます。」
武雄が返事をする。
「ふむ、タケオとコノハ殿の話は終わったようじゃの。
で、その掘り炬燵を体験させてくれるのかの?」
エルヴィス爺さんが聞いてくる。
「はい、可能です。
エルヴィスさんも欲しいですか?」
「ふむ・・・欲しいか欲しくないかというより、どういう物が出来るのか確認したいという所じゃの。
実物を見なければ判断出来ぬからのぉ。
の?アリス。」
「はい、ウカ殿とダキニ殿が食いついている時点で、何やら便利な物が出来るのだろうと思っています。」
エルヴィス爺さんとアリスが言う。
「あ、アリス、便利というか堕落の象徴です。」
チビパナが言う。
「だ、堕落なのですか?」
「「・・・」」
武雄とチビコノハが目を瞑り、難しい顔をさせながら考えている。
「ええ、一度入ったら出られない、いや、出る気にならない家具です。」
チビパナが言う。
「え!?なんですかそれは!?」
「か、家具なのに、出る気にならなくなるとは物騒じゃの?」
アリスは驚きながら、エルヴィス爺さんも少し感心しながら言ってくる。
「ふむ・・・タケオ、どうなのじゃ?」
エルヴィス爺さんが武雄に聞く。
「・・・寒い朝にベッドから出たくないのと同じ事です。
炬燵も使ってみればわかるでしょうが、暖かい所から出たいとは思わないだけですよ。」
「ふむ・・・タケオ、パナ殿が堕落と言っている事はどういうことなのじゃ?」
「さて・・・そうですね、動かなくなるというだけでしょう。
炬燵に入る際に手の届く範囲になんでも置いておけば、炬燵から出なくても良いわけなので、1日ずっと炬燵に居る事も可能です。」
武雄が言う。
「ふむ・・・まぁ、流石に1日中出てこないというのは不可能じゃろうの。
トイレや食事もあるからの。
それ以外を掘り炬燵で過ごすという事じゃろう。・・・まぁ、象徴と言われていますと、そういう者が多いという事じゃの。」
「そうですね。
大多数の人が入ったら出たくないという事なのでしょう。
コノハ、対応策とかあるのですか?」
アリスがチビコノハに聞く。
「・・・ないかな?」
「え?ないのですか?」
「うん、だって、入る入らないと決めるのは、本人の意思の問題でしょ?
炬燵が編み出している事ではないからね。
・・・やったとして、数時間で発熱体が温かくなくなるとか・・・かな?
でも、基本的には、自らの意思で出るしかないよ。」
チビコノハが言う。
「えーっと、本人の意思が強ければ、『出たくない』と考えないと?」
「うん、ね?タケオ。」
「まぁ、そうですね。
それにどこにも行く予定がないから、出ないように手の届く範囲に物を置いて、のんびりしようという事ですから・・・周りの者が注意する程度しか出来ないですよね。」
武雄が言うのだった。
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