第3287話 ハワース商会で打ち合わせ。2(ペナントや木版画の話をしよう。)
「あ、ラルフさん、キーホルダーが作りたいのです。」
「先程のリストにありましたね。
えーっと・・・変な意匠の剣のキーホルダーですね?」
「ごめんなさい、そこは勢いで書きました。
キーホルダーなら何でもいいです。」
武雄が頭を下げる。
「何でも良いというのは困りますが・・・この変な意匠の剣というのは?」
「え・・・人差し指くらいの長さでどくろやドラゴンとか鎌とか・・・毒々しい意匠がある剣です。」
「??・・・キタミザト様、それは何の為に?」
ラルフが真面目に聞いてくる。
「・・・悪っぽそうな意匠は男の子のハートをドキドキさせるのではないかと・・・
木刀もそうなんですけど・・・男の子って木の棒とか好きじゃないですか。
ほぼ全ての男の子には悪はカッコいいと思ってしまう時期があると思うのです。
そこを狙いたいです。」
「凄く対象が狭まっている商品ですね。
ですが・・・キーホルダーですか・・・バッグ等に付けれるようにすれば、旅の方以外でも一定の需要はありそうですね。
スズネさんが言っていましたが、違いを出したがるのにキーホルダーは良いかもしれません。
これは少し、こちらで検討します。」
「よろしくお願いします。
剣だけでなく、動物でも草木でもなんでも小型化してキーホルダーにしてしまえば良いと思います。
それこそSL-05液とかで簡単に作った平べったいのもありだと思いますし。」
「ふむ・・・少し、考えましょう。」
ラルフがメモをしながら頷く。
「それと・・・ペナントとは?」
「はい、三角形の不織布を重ねて固めた布に印刷をして作る。
地域名が書かれた旗ですね。
これをこの街と4町でそれぞれ作っておいてみようと思っています。」
「ほぉ・・・4町ですか。」
「はい、今、ミア軍団等の影響により治安が改善しています。
各町とこの街間での移動が以前よりも、し易くなっています。
なので、移動をする者が増えるのではないかと。
その一環で各町に町名が書かれた旗が手に入れられるとしたら・・・」
「領内の各町とこの街で5つ集める事が皆に自慢できると。」
「はい、出来れば売る際に町の名の下に売った年と日付を入れてみるのも良いかと思います。」
「ふむふむ・・・なるほど、古くなってきたらまた出かけるかもしれませんね。」
ラルフが頷く。
「はい、日付を入れれば、思い出も楽しめますが、他の人に『昔の事を自慢?』と思われるのを嫌い、再度各町に足を運ぶかもしれません。」
「なるほど、なるほど。
ペナントの事はわかりました。
で、問題となるのが、不織布の厚手の布の作成とその表面に意匠を塗る方法ですか。」
ラルフが言う。
「はい、そこで木版画と言って、ペナントのサイズに彫ってある木板を使い、意匠を彫り、色を塗布してその上から無地のペナントを押し当てると、模様が転写されるというのを考えました。」
「なるほど。
親父さん、どうですか?」
ラルフがモニカの父親に聞く。
「出来るだろうが・・・各町やエルヴィス家に意匠の依頼をして、それに沿って意匠を写す木版を作らないといけない。
キタミザト様、それは出来るとは思うが・・・複雑なのは出来ないと思うのですが?」
モニカの父親が聞いてくる。
「そこは逆に何通りか作って、これなら出来るので、この中から選べと意匠を前もって提示した方が良いと思います。
現在の技術ではこのぐらいまでしか出来ないから、各パーツ・・・〇とか△とか☆とか山とかです。」
武雄が言う。
「ふむ・・・どちらかと言うと配置を検討願うという事だろうか・・・
あまり細やかのは出来ないだろうからなぁ。
そこはキタミザト様の言う通り、各記載できる絵を持って行った方が良いか。」
モニカの父親が考えながら言う。
「どうですか?」
武雄がラルフとモニカの父親に聞く。
「ペナントの方は何とかしましょう。」
「うちも木版画の検討を始めるのは大丈夫です。」
ラルフとモニカの父親が言う。
「はぁ・・・良かった。」
武雄がホッとする。
「いえいえ、こちらこそお仕事をありがとうございます。
それにしても今回の発案はハワース商会が大変ですね。」
ラルフがモニカの父親に言う。
「まぁ・・・それだけ頼られていると思っておりますよ。」
モニカの父親が苦笑しながら言う。
「私からの依頼はハワース商会ですけど、木版画とかペナントに転写するのは、親父さんの知り合いでも構いませんよ?
なんでもかんでもというのは大変でしょう?
私としては、ハワース商会とラルフさんから報告頂ければいいので、『各々で取りまとめをしてください』と言うだけです。」
「ふむ・・・検討してみます。
腕の良い意匠をするのに心当たりがあります。」
「その辺もまとめてお願いします。」
武雄が頭を下げるのだった。
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