第2862話 エルヴィス爺さんに報告しよう。4(ジーナの去就。)
「ま、それはタケオとスミスで話し合えば良かろう。
同居の可不可は決まり次第、ジーナに伝えるようにの。」
「「「はい。」」」
スミスとエイミーとアンが返事をする。
「それと挙式は王都で1回、屋敷で1回じゃ。
ま、わしらの方は部下や領民達へのお披露目じゃからの。
気構える必要はない。
で、じゃ・・・ジーナの去就をどうするか決めかねておる。」
「ジーナのですか?」
「うむ、ジーナは人間社会の見学の為にスミスの護衛としてキタミザト家より出向して貰っている。
じゃが、ここにきてこうなってしまっている。
・・・ジーナが優秀過ぎてジーナの後釜について難儀しておる。」
「ありがとうございます。」
エルヴィス爺さんの言葉にジーナが礼をする。
「そうですね・・・ジーナは王家、王城の各局長、王都守備隊とのやり取りが出来てしまっていますね。
確かにここから新たにスミスの警護者というのは・・・」
エイミーが考える。
「うむ・・・タケオにはまだ相談しておらぬが、わしとしてはジーナの代わりの警護者をキタミザト家より出向して貰い、ジーナには2か月に1度程度で王都に出張をして欲しいと思っておる。」
「お爺さま、ジーナは交代させるのですね?」
「うむ、アリスの出産が控えておる。
アリスの魔眼を引き継いでいたら並みのメイドでは世話が出来んじゃろう。
ジーナであれば対抗して世話が出来るじゃろうからの。
一応、他にも声はかけるが・・・どちらにしてもジーナは戻さねばならん。
じゃが、陛下や王家、局長達との打ち合わせが出来る者が居なくなるのも困る。
なので、ジーナに出張をさせようと思っておる。」
「エルヴィス伯爵殿、私がしますが?」
エイミーが言う。
「・・・ふむ、エイミーは大体の事は知っておるのはわかっておる。
なので、エルヴィス家として動くのは構わん。
じゃが、ジーナはキタミザト家としても動いておる。
機密の塊である、キタミザト家の情報はまだエイミーに全てを話せられぬよ。」
「なるほど・・・それはそうですね。」
エイミーが頷く。
「え?エイミーお姉様、引き下がるのですか?」
アンが驚く。
「うん?キタミザト家は特別だからね。
タケオさんがどれだけヤバい事をしているか・・・陛下とエルヴィス伯爵、キタミザト子爵しか知らない事なんかもあるだろうしね。
その情報を王城にもたらす役目を負っているジーナの代わりは、そうそう用意出来ないわよ。
余程、信頼していないとダメだろうしね。
婚約程度では教えられない事があるのはわかるわ。
ジーナはそれを仕事と割り切ってしっかりと熟しているという実績もあるから・・・後釜が難航するのはわかるわ。」
エイミーが頷く。
「まぁ、ジーナを出張させるよりもタケオが来た方が早いかもしれぬがの。」
「もしくはご主人様と私が一緒に動くかと。」
ジーナが言う。
「それもあるの。
定期的なやり取りは今までの通りじゃが、内容が変わるじゃろう。」
「キタミザト家の情報が少なくなるという事ですね?」
スミスが言う。
「うむ、受け取りはお付きの者がし、内容確認と返事、行動はスミスがしても良いかもしれないの。
というわけで、わしの中ではジーナは戻す。
ジーナ、良いの?」
「はい、元々1年間の予定ですので少し早い交代となるだけと考えますが・・・
伯爵様、本決まりではないのでしょうが、候補は居るのでしょうか?」
「うむ、ヴィートという魔人種の男子がおる。
ジーナも受けた執事の研修は終わっており、今はヴィクターの下におる。
わしとしては同性が良いと思うからの、ヴィートに依頼してみたい。
それとジーナのようにマリ殿の訓練に参加させたいの。
勉強の方は・・・スミスが見ればスミスの成長にも繋がるじゃろう。」
「わかりました。」
スミスが頷く。
「まぁ、これも追々決まり次第に報告を送る事になるだろう。
年明け後に引き継げるようにこちらも動く事にする。」
「畏まりました。」
ジーナが頷く。
「さて・・・言いたい事は言ったかの?
ジーナ、何か伝え残しはあるかのぉ?」
「今日の目的はご婚約の連絡ですので特にはないかと。
・・・あるとすればスミス様の今後でしょうか。」
「あ、そうじゃったの。
スミス、先の家関係は3人で決めれば良いが、個人としてしなくてはならない事がある。」
「はい、何でしょうか。」
「家令を見つける努力をしなさい。」
「家令・・・ですか?」
「うむ、わしのフレデリック、タケオのヴィクターとマイヤー殿のように家や組織を任せられる者を探さないといけない。
まぁ、今直ぐにとは思っておらんが、常に良い人材を見つける目を養わないといけないの。
家令も引き継ぐというのもあるのじゃろうが・・・あまり良い結果にはならんじゃろう。
当主、自らが見出した人材に家令をして貰った方が良い。
そこには信頼があるじゃろうしの。
のぉ、ジーナ?」
「はい、私達親子はご主人様に絶対の忠誠を捧げています。
ご主人様も私達を信頼してくれています。」
ジーナがキッパリと言う。
「・・・ここまでとは言わんが・・・スミスが信を置ける人材に家令を務めさせると家は安定するものじゃ。
ほら、あまり表立って言えぬ事も知る立場じゃろう?
こればかりは当主自らが見つけるしかないのじゃよ。」
エルヴィス爺さんがニヤリとして言う。
「「・・・」」
エイミーとアンがスミスをジーっと見る。
「・・・家令かどうかはわかりませんが、人材を見る目を僕なりに養っていきます。」
スミスが言うのだった。
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