第2740話 降伏勧告中。(もっと脅しも入れた方が良いのでは?)
ブリアーニ王国側の関から1つ目の町の城門の前。
城門上から弓や魔法が放たれたりはせず、ただただ門が固く閉ざされている。
第1軍 第2大隊は着陣するも攻城兵器等は使わずに、まずは魔王国の兵士が拡声器のような魔法具を使い、大音量で降伏勧告をしていた。
少し離れた所で武雄と第2軍大隊長、幹部達が眺めている。
ベイノン達は空いているテントを借りて、昼寝すると言って休憩中です。
「えーっと・・・大隊長さん、この降伏勧告が普通なのですか?」
武雄が隣に居る大隊長に聞く。
「普通かどうかはわかりませんが、この地は我々が占拠した、無駄な争いをせずに投降しろという内容は幹部会議で決まった事です。」
大隊長が言う。
「・・・そうなのですか・・・」
「・・・ちなみにですが、キタミザト殿ならどうしますか?」
「その聞き方、いやらしいですね。
ヴァレーリ陛下やブリアーニ女王が良く使う言い方のような気がします。」
「これは失礼しました。」
大隊長が軽く頭を下げる。
「ふむ・・・そうですねぇ、勧告内容に期限と制裁が入っていないと思いますし、もっと具体的に何をしたいのか。
そもそもなぜこんなことになっているのかを説明しても良いかもしれません。」
「ふむ・・・色々と足りないという事ですね?」
大隊長と幹部達が考える。
「相手の立場になってみると・・・いきなり他国軍が現れて、ワーワーと降伏勧告をしてきたとしたら・・・
『何やれば良いんだよ!』と混乱すると思いませんか?
少なくとも住民は本当に戦争の事を知らない可能性もあります。
もしかしたら事情を知る上位の文官、武官の全員が関に居たかもしれないですしね。
残った下位の文官だけでは降伏の仕方すらわからないのではないでしょうか。」
「あー・・・そこは思い至りませんでしたね。」
大隊長達が難しい顔をさせる。
「私なら・・・次の鐘がなるまでの降伏勧告の内容は今のままで良いとして。
鐘が鳴ったら次の鐘が鳴るまでに降伏をするように時間の区切りを設けた勧告をします。
そして、次の鐘がなると同時に門内側の・・・そうですね・・・門を中心に50mを焼きたいですね。
これも勧告内容に入れますね。」
「その心は何でしょうか?」
「うん?1つに住民に戦争という恐怖を想像させるという事。
次に魔王国はやる気であると思わせる事と早くしないと巻き込まれるという焦らせたい事があります。
そして、開門したら第2軍は例の物品買取と穀物販売をするじゃないですか。
えーっと・・・ここが門です。
門を挟んで内側に幅、奥行き共に50mを柵かなんかで仕切って、1か所からしか入ってこれないとします。
そして門の外側も同じように幅、奥行き共に50mを柵かなんかで仕切って、ここで買い取りと販売をするとします。」
武雄が地面にそこら辺の枝を使って門と囲いの絵を簡単に書く。
「門を挟む事に意味はありますか?」
「我々には無いですよ。
ですが、町の住民達からしたら町という隔離されている空間の唯一の通路です。
そこを他国に占拠されているというのを目で見れてしまいます、これの精神的圧迫は相当な物と思います。」
「なるほど。」
「ちなみに私がやるのなら、まず門の内側で荷馬車を止めさせ、空いている木箱を用意し、刃物類を全部入れさせます。
これは没収ではなく治安上の安全の為として絶対に行います。
もし、門を通過してこれ以外の刃物が発見された場合は理由を問わず没収とします。」
「武器を取り上げるのですか?」
「ええ、門の向こうは魔王国が占領した占領地、この町の人からしたら他国です。
王軍からしたら戦争中の敵国の住民を国内に入れるのですよ?
なぜに武器を持たせたまま越境させます?
最低でもすぐに取り出せないようにさせないと関の兵士の命の危険が出ます。
そんな危険は低くするべきです。」
「はい、そうでした。
愚問でした。」
大隊長が頭を下げる。
「はい、続きです。
刃物は木箱に入れさせますが、南の町に行く際に身を守る物は必要ですし、料理にも使うでしょうから門を超えて各確認や買取等が終れば木箱から出して構わないとします。」
「はい、わかります。
その案を採用しても?」
「私は独り言を言っているだけです。
採用する、しないは王軍の方が相談して決める事でしょう。
ヴァレーリ陛下からは独り言はして良いと言われていますし。
それに私の案が最善とは限りませんよ。
私ならする程度の一案でしかありません。」
武雄が苦笑しながら言う。
「失礼しました。
これより第2軍の幹部会議をしてきます。
キタミザト殿はご自由にお過ごしください。」
大隊長達がそう言って頭を下げる。
「ええ、わかりました。
あ、ちなみに大隊長さん、町の出入口は何個あります?」
「裏にもう1つあり、そちらも降伏勧告をしています。」
「ふーん・・・外から丸太や木や土で開けられないように埋めてしまった方が良いのでは?
出入口は1か所の方が管理はし易いと思いますけどね?」
武雄が考えながら言う。
「・・・検討します。
では、失礼します。」
大隊長や幹部達が武雄に頭を下げて、離れて行くのだった。
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