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第2739話 その頃のアズパール王達はというと。(武雄の成果が魔王国への牽制になる。)

アズパール王国 王城のアズパール王の執務室。

アズパール王が執務机におり、囲むように第1皇子妃のローナ、第3皇子妃レイラとキタミザト家側室エリカ、エイミーとアンとスミスが座り、アズパール王から武雄が今出張している内容を教えられていた。

まぁ、レイラやエリカ、スミスは知っているので再度確認と言う所ではあったのだが。

ジーナとドネリーは打ち合わせには参加せず、窓際に居る。


「・・・待ってください。

 お爺さま、ということは先の魔王国との戦争は目くらましだと?」

エイミーが額に手を当てて言う。

「うむ、そうだ。

 実際にタケオとエルヴィスは魔王国の国王の侍女と自陣で話し合いをしている。」

流石にアズパール王もヴァレーリの事は話さないようだが。

「はぁ・・・つまりは出来試合だったと?」

「ふっ、ローナ、もっと酷いぞ。

 向こうは遊び、こっちは命がけだ。

 事実、向こうの被害はオーガのみだ。

 我が国の方は戦死者もあるが、魔法ポーションの大量放出と兵士達の疲弊だ。

 オーガ戦の後、本気で攻められて居たら瓦解しただろうよ。

 3伯爵とタケオには改めて礼を言わんといかんだろう。

 魔王国に『これ以上は無意味』と思わせる戦力を見せつけたんだからな。

 良くやった。」

アズパール王がしみじみと言う。

「で、タケオさんが魔王国とそのデムーロ国の戦争の観戦に招かれたんですね?」

アンが聞いてくる。

「あぁ、タケオとエルヴィスは魔王国と裏で良好な関係を築きつつある。

 その中で・・・まぁ、魔王国の意地だろうな。

 遊びでない、本気の侵攻作戦を見せたいという事だろう。」

「それは・・・お爺さま、慣例の戦争でのオーガ戦で我が国が勝ったから?ですか」

エイミーが聞いてくる。

「そうだ。

 あの程度で、はしゃがないでくれという警告を見せたいんだろう。

 そして対オーガ戦の流れを作ったのがタケオだと知っているんだろう。

 そのタケオに本気を見せて、正確に我に報告を上げさせたいという思惑だろうな。」

「・・・難しいですね。」

「まぁ、我が国よりも小さいというデムーロ国だが、そこを1週間程度で落とす計画だと聞いている。

 普通に考えて、ありえんぞ?」

「ですね・・・タケオさん、一体なにを見せられているんでしょうか?」

「報告書が楽しみだな。」

アズパール王達が今の武雄の現状を話し合っている。


ジーナは皆が武雄の話をしているのを他所にそっと窓から外を眺めている。

「・・・」

「ジーナ様、どうされました?」

ドネリーが聞いてくる。

「いえ、少し感慨にふけっておりまして。」

ジーナが言う。

「キタミザト様の事で?」

「いえ、そうではなくて・・・まぁ、昔の事ですし。」

ジーナがにこやかに言う。


「うん?ジーナ、どうした?」

アズパール王が聞いてくる。

「いえ、昔の私だったらどうだったかと思いまして。」

ジーナが答える。

「それは慣例の戦争ではないな?」

「はい、あのヴァレーリ陛下が全軍を率いての侵攻ですので・・・心躍ったろうと。」

「ほぉ、それほどなのか?」

「はい、魔王国のヴァレーリ陛下は思慮深く、民思いで、そして歴代最強の呼び名を持つ方ですので。

 その方が鍛えた王軍を全て連れて戦争をするというのは、幼心に熱い物を感じたろうと。」

「歴代最強・・・か。」

アズパール王が言う。

「はい、個人の武は並ぶ者が居ない程の達人と聞いています。

 噂では陛下お一人で国を落とせると言われていました。

 ですが、ヴァレーリ陛下は戦争嫌いなのです。

 その陛下が戦争を起こすというのは、余程お怒りなのだと、そして最初から全力で行くのだと思います。

 以前の私は貴族令嬢でしたが、お父さまに無理を言って、観戦させて頂いていたかもしれません。」

ジーナが言う。

「そうか。

 アリスのような存在だな。」

「はい、似た感じではあります。

 ですが・・・ご主人様が漏らしていましたが、アリス様でもヴァレーリ陛下には敵わないかと。」

「ふっ、それはわかっている事だ。

 国のトップから末端の兵まで我が国では敵わぬ猛者共というのはな。

 だが、その者達に一目置かれる存在にならねばならん。」

アズパール王が言う。

「お爺さま、魔王国とは今、大事な時期なのですね?」

エイミーが聞く。

「タケオが魔王国に『私達は負けるでしょう、でも来るなら大損害を出させて見せます』と大見えを切ってきているし。

 実際にタケオはオーガ戦で今までにないくらい損害を出させる事に成功している。

 普通、オーガ90体居ればそれなりに損害が出るのだが、ほぼ無傷で乗り切ったのだからな。

 まぁ、その言もあって、魔王国に『これ以上は無意味』と思わせられたのかもしれない。

 タケオは魔王国に本格侵攻をさせないように成果をだしながら精一杯努力している。

 次も上手く行くかわからないから、これから色々としなくてはいけない。

 魔王国に行って何を見て、今後に生かすのか・・・楽しみだが、予算繰りが大変だと今から頭を悩ませてしまうな。」

アズパール王が苦笑しながら言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] とはいえ拉致問題の解決が見えないと、魔王国との八百長は末端にはまだ聞かせられないからなぁ…。王国貴族は“良くも悪くも王道”だから関与は無いと思うけど。
[一言] > アズパール王が執務机におり、 > 囲むように第1皇子妃のローナ、第3皇子妃レイラとキタミザト家側室エリカ、 > エイミーとアンとスミスが座り、 > アズパール王から武雄が今出張のしている…
[一言] 昔の大国は、周辺国から留学生を集めて国富と戦力を見せて「この国には敵わない」というイメージを植え付けてきた。王の話からそういう戦略的な交流が始まるのかもしれないかなあと感じた。王国内でも自他…
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