第2731話 エルヴィス爺さんに報告だ。(行く気がおきません。)
移動中のエルヴィス爺さんとビエラはというと。
「アリス、なんだって?」
ビエラが先ほどの休憩時に合流した瑞雲を抱きながら対面に座るエルヴィス爺さんに聞く。
「ふむ・・・わしらが出立したら面倒事が発生したようじゃよ?
1つは魔王国側から奴隷商が奴隷を伴って越境をしたそうじゃ。
これは夕霧殿達が監視をしながらフレデリックが軍務局を動かし、保護に動くそうじゃ。」
「解決だね。」
「うむ、終わったようなものじゃの。
保護してからは・・・まぁ、連れている奴隷によりけりじゃろう。」
「ルフィナとか増える?」
「ふむ・・・確かに安全策はタケオ達に任せるのが良いのじゃが。
わしらも異種族雇用をしたいと思っておるのじゃよ。
武官、文官問わずに素養があれば採用してみたいのぉ。」
「ほぇ~、伯爵の所も人居ないんだね。」
「うむ、あまり給与面が良くないからのぉ。
タケオの所みたいに15年から25年働いてくれたら良いのじゃが。」
「どうだろうね。」
「さて、どうなるのやら。
あとはタケオが昇進とスミスが王立学院卒業と同時に領主になる際の爵位の内定じゃな。
タケオは侯爵、スミスは伯爵とのぉ・・・増々王都に行く気がせんの。」
「伯爵、もう向かっているよ。」
「そうじゃの。
はぁ・・・嫁取りとはこんな大変さじゃったかのぉ。」
エルヴィス爺さんが窓の外を見ながら呟く。
「伯爵、大変?」
「言葉が悪かったの。
大変というよりも面倒な事が一緒にくるだけじゃよ。
爵位もスミスの嫁達もわしは喜ばしい限りで、不満はないの。
ただ、一緒に動いている何かしらの企みが面倒というだけじゃ。」
「ふーん、伯爵とタケオ、大変ね。
スミスはエイミーとアンと仲良く過ごすだけだね。」
「はぁ・・・まぁ、それが一番じゃの。
スミスがこういった事に対処するにはもう少し経験が必要じゃよ。
当面はわしとタケオで対応するしかないの。」
「伯爵はどうやるの?」
「陛下とクラーク先輩・・・伯爵に裏から頼むかの。
ま、ダメなら放置で領地に籠る事しか出来んがの。」
「伯爵、それ、タケオが大変じゃないの?」
「大変じゃろうの。
じゃが、タケオの場合は失って困る物が少ないという事があるからの。
王都としてはタケオに無理を言って、魔王国にでも行かれたら大変じゃからわしより言い辛いじゃろう。
かく言うわしにそれらを言った所で『魔王国に専念しているのでわかりかねます』と素知らぬ振りをして終わりなんじゃが。」
「??・・・伯爵、スミスの話で一緒に来る面倒事わかっているの?」
「さて、正確にはわからんが・・・ジーナからの報告とタケオと陛下のやり取りを知っておれば、なんとなくわかって来るものじゃ。
いろいろと難癖をつけて来る者はおるじゃろうが・・・『田舎者故、わかりかねます』と妙な発言はせずに無知を装い通せば良いだけじゃよ。」
「えー?伯爵、無知じゃないでしょ?」
「はは、無知では領主は出来んよ。
じゃが、無知を装う事で面倒事から遠ざかる術は知っておかないとの。
たぶん、タケオは出来るじゃろうが、スミスは真面目じゃからのぉ、まだ出来んじゃろうの。」
「スミス、出来るようになる?」
「わしやタケオが教えるのは違うじゃろうの。
出来るようにするのは・・・エイミー殿下じゃろう。」
「エイミー?」
「うむ、聞いた話ではあるがの。
もしエイミー殿下が男子であったのなら直系のパット殿下ではなく、エイミー殿下が将来の王候補筆頭だっただろうとな。」
「そなの?」
「陛下の次男の長女じゃから、『もし男子ならば』という風な話で盛り上がったのじゃろう。
まぁ、言いたい事を言う者はいつの時代も居るものじゃよ。
エイミー殿下は陛下の次男の長女だからああなったのじゃよ。
これが男子なら全く違った性格になっておったじゃろう。
それをどうのこうの言ってものぉ。」
「エイミーは凄いんだね。」
「凄いと聞いておるよ。
ふふっ、そんな女子がスミスの嫁に来てくれるとはの。
わしは早々に隠居生活が出来そうじゃの。」
「伯爵、伯爵じゃなくなったら何するの?」
「アリスの子供達と毎日遊ぼうかの。」
「それで良いの?」
「そうなりたいの。
とは言いつつ、すぐには無理じゃろうの。
少しずつさせて行くしかないの。
はぁ・・・まだまだ楽は出来そうにないのぉ。」
「伯爵、それって何年後?」
「最短で5年ぐらいで楽になれるかもしれぬの。」
「まだまだ先だね。」
「そうじゃのぉ。
困った物じゃ。」
エルヴィス爺さんがビエラに言う。
「伯爵、他には何か書いてないの?」
「特にはないの。
ビエラ殿は何かアリスにあるかの?」
「ない!」
「今日の朝出立したばかりじゃからの。
昼過ぎに残飯を集めて、瑞雲殿に食事を取らせてから屋敷に戻そうかの。」
「はーい。」
エルヴィス爺さんが言うとビエラが返事をするのだった。
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