表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1413/3622

第1400話 その頃の男の子達は。(アリス、何度目かの対戦。)

「「はぁはぁはぁ・・・」」

ヴィートとマヌエルが地べたに膝をついて疲労困憊だった。

「・・・立ちなさい。」

2人の前にはロングソードの木剣を構えるアリスが居た。


「ん~・・・さすがにアリス相手じゃ無理かぁ。」

「いや、無理というか少しも勝つ希望はなかったんだがな。」

ジェシーとゴドウィン伯爵、パンニューキスが庭先でやりあってる3人を見ながらお茶をしている。

「えー、アリスの話ではジーナちゃんは凄かったらしいし、獣人なら何とかなるのかなぁと。」

「いやぁ・・・あれは規格外だろう。

 で・・・ついでなんだがな?」

「ん?」

「そのぉ・・・小太刀を買おうと思うんだが。」

「良いわよ。」

「え?良いの?」

ゴドウィン伯爵の顔がパァっと明るくなる。

「うん、子供達用でしょう?

 異種族雇用をするんだからあの子達には外に行く際には武装はそれなりにさせないといけないだろうしね。

 長さ的にも良さそうよね。」

「え・・・そ、そうだな。

 隠し持つナイフだと威嚇にはならないしな。」

「うん、見た目的にもしっかりしているしね。

 じゃあ、タケオさんに依頼書渡しておこうかな。

 予備も含めて5本かなぁ。」

「5本?」

「アナタ、欲しがっていたでしょう?」

「うんうん、買おう!」

ゴドウィン伯爵が大きく頷く。


ヴィートが再び膝をつく。

「はぁはぁはぁ・・・」

「はぁぁ!」

「・・・ふっ」

「ぐっ!」

マヌエルがアリスと打ち合うが、アリスは軽く木剣を振りぬきマヌエルを軽く後ろに飛ばす。

「・・・相手は待ってくれません、早くヴィートも入ってきなさい。

 警護を担う者が休んでいる暇はありません。」

アリスがヴィートに言う。

「はいっ!」

ヴィートがアリスに切りかかるがアリスは難なく凌ぐのだった。

・・

武雄が料理を終えたのか子供達と庭先にやってくる。

「ヴィートとマヌエルが倒れてる!?」

セレーネがアリスの目の前で仰向けに横たわって息を整えている2人を見て驚いている。

「おー♪アリス様は鮮紅様なんだもんね、これは当然だよ~。」

「私達凄い人達に拾われたんだね。」

「おーい、お菓子だよ~。」

子供達が2人に近寄り声をかけている。

お菓子をジェシー達の所に置いて武雄がアリスの元に来る。

「アリス、どうですか?」

「見ての通りです。

 じゃ、しましょうか。」

アリスが木剣を置き、バスタードソードを手に取り武雄に向け構える。

「おぉう。

 えーっと・・・」

武雄が周りを見回す。

「ビエラちゃんやクゥちゃんは初雪ちゃんと時雨ちゃんと昼寝に向かっています。」

アリスがそう言うと。

「あー?」

「きゅ~?」

「何してるっスか?」

「戻りました。」

クゥを抱えたビエラと時雨と初雪がやってくる。

「あ!」

武雄が嬉しそうな顔をさせる。

「あ~。」

「きゅ。」

「美味しそうっスね。」

「食べましょう。」

ビエラ達がジェシー達側の席に着く。

「・・・」

武雄が喜びも束の間、悲しそうな顔をさせる。

「さ♪」

「あぁ・・・」

「タケオさん、頑張って♪」

「タケオとアリスはどう成長したのかな?」

「「「ワクワク♪」」」

「おーい、ヴィートとマヌエルの回収手伝って~。」

「「「はーい。」」」

子供達が撤収していく。

「・・・するしかない状況かぁ。」

「さ♪さ♪ちゃんと常時ケアも切りますし、ね?」

アリスが楽しそうに言ってくる。

「はぁ・・・マイヤーさん達は街中に行きましたしね。」

「ですよ。」

「はぁ゛~・・・そうですか。

 5分ください。」

「は~い、5分ですね。」

アリスが頷くのだった。

・・

「はい、やりましょう♪」

懐中時計を見ていたアリスが言う。

「・・・」

その言葉に武雄は目を開け、ゆっくりと小太刀を鞘から抜き右手に順手で持つ。

「ふふん♪今日こそ勝ちますよ。」

アリスが懐中時計をしまい、剣を正面に構え魔眼を発動させる。

武雄は右足を一歩前に出し、左手をかざし小太刀を左の鞘上に持って相対するのだった。


「あわわわわ!!」

「ひっ!?」

「!?」

「え!?」

「こんなに!?」

「凄い!」

子供達がアリスの魔眼に驚く。

「2人とも流石だな。」

「うん、いつもの2人ね。」

「人間種最高峰とは・・・眼福ですね。」

ゴドウィン伯爵達が頷きながら見ている。


武雄は動かない。

アリスもそこはわかっているのだが、本当に動かない。

武雄の戦い方は近付いてくる物を排除するのみ、剣の速さを競うのではなく受けていなし、がら空きの体に打ち込むか腕を取って投げる。

この戦い方は1対1で無類の強さを発揮している。

失敗すれば大怪我だが気にした様子もなく毎回同じ戦い方をする。

・・・自身のシールドへの信頼と実績、これはこれで完成形なのだろう。

だが、妻としていつまでも負けている訳にはいかない。

前回までは一撃で片を付けようとしたのが敗因、なら上半身が頼りになるが当たったと同時に振り上げ、再度振る。

『連撃』と呼ばれる剣技なのだが・・・武雄に会う前に2回しかした事がないほぼぶっつけ本番の代物。

だが、練習していないので誰もアリスが使うとは思っていない。

いなそうとしてもいなせずすぐにもう一振り、2撃目が全力の振り!

とっさの事でシールドも甘くなるだろう。

これで勝てる。


「さぁタケオ様?今日こそ勝たせて貰います。」

アリスに笑みが零れるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いあだからそんな元気有り余ってるならヴァrン゛ンッッ、ダニエラさんとやれば良かったのに(呆
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ