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第1370話 夕食前の説明。2(では今問題になっていることは。)

「大まかに言ってこれがキタミザト家と貴方達の話になります。

 わかりましたか?」

「たぶんー。」

「なんとなく。」

「とりあえず真面目に働くというのはわかった。」

「15年かぁ。」

「頑張るしかないね。」

「お腹空いたなぁ。」

子供達がアリスに答える。


「では、続きまして。

 私達が問題だと思っているゴドウィン伯爵側がタケオ様より早く貴方達を助けないといけなかったのはなぜなのか。

 そしてなんでこの地の領主であるゴドウィン伯爵と奥様は困っているのか。

 さて、なぜでしょうか?」

アリスが子供達に聞く。

「「あーなんでだろうね?」」

「ん~・・・キタミザト様達が俺達を雇って終わりでしょう?」

「15年働けば良いと言っているしね。」

「問題ないよね?」

「「うんうん。」」

子供達が発言してくる。

「先程、貴方達を戦争の理由にする可能性があると言いましたが、アズパール王国内にも似たように今回の件を利用しようとする者がいる可能性があります。」

「うん・・・そこはわかった。」

子供達が頷く。

「今回の件を利用し『ゴドウィン伯爵は統治能力がないのではないか』と王都で言い回る可能性が高いのです。」

「「ん~・・・なぜ?」」

「簡単に言うと領主に成り代わりたいと思う人が居るからですね。

 ゴドウィン伯爵が失敗を多くすれば王都の判断で交代させる事が出来ると考えているからです。

 なので、小さい失敗も大々的に報告するのです。」

「・・・なぜ?」

子供達が首を傾げている。

「例えばですね。

 引っ越して両隣に住民が居たとして、左に住んでいる人から右に住んでいる人の事を『あの人は日中家にずっといて怪しい』、『あの人は夜出歩いているから何か悪い事をしている』、『朝会うと酒の匂いが酷い』等々、毎日毎日噂話を聞かされたらどう思いますか?」

武雄が子供達に聞く。

「・・・怖い人?」

「近づいちゃいけないかな?」

「1人では会ってはいけない?」

「でも、噂なんでしょう?

 なんの仕事をしているか聞かないとわからないよ。」

「でも怖い人だったら聞いた瞬間に殴られるかもよ?」

「それは嫌。」

「じゃあ、聞かないし会わない方が良いね。」

子供達が話し合っている。

「そうですか。

 でもその男性は町の酒場で料理人をしているだけなのかもしれません。

 酒場の料理人の仕事は昼過ぎから夜、店内では酒も飲まれるし、匂いも籠るでしょう。」

武雄が言う。

「あ~料理人かぁ。」

「それは思いつかなかったね。」

「うんうん。」

子供達が頷いている。


「つまりは『人は噂話を聞き続けると相手を実情を知らなくても思い込みから相手の性格等を決めつけてしまう』という事なのです。

 という事を前提に考えると・・・今回のゴドウィン伯爵と奥様が何に対して困っているかわかりますね?」

「えーっと・・・まずは奴隷商が知らない内に町に居た事だよね。」

「うん、あと領主である伯爵様ではなくキタミザト様が解決した。」

「私達をキタミザト様が雇ったね。」

「あと、何かな・・・ん~・・・」

「あ、私達は皆人間種でないね。」

「でもこれだけで伯爵様の悪口になるのかな?」

「「「ん~・・・」」」

子供達が悩む。


「では私達からの回答例を示しましょうか。

 ちなみに今回の孤児院への訪問ですが、ゴドウィン伯爵からの依頼で調査した際にたまたま行ったと報告をします。

 なので無断で行ったわけではありません。

 ですが、それを含めてもまだゴドウィン伯爵の悪口が言われる可能性があります。

 では、私が1つ1つ今回の説明をします。

 それに対してアリスが領主の交代を望む者の言い分を言って貰いましょう。

 アリス、出来ますね?」

武雄が子供達を見ながらアリスに言う。

「まぁ・・・わかりました。」

アリスが頷く。

「では、1つ目ですね。

 今回の件はキタミザト子爵に頼んで解決した。

 子供達もキタミザト子爵が救出し、執事教育をして15年後に解放する旨の宣誓書も作成したので問題ないだろう。」

「・・・それは他領に居るはずのキタミザト子爵を呼び、今回の件を丸投げしたのですか?

 統治者としての責任は感じないのですか?

 ゴドウィン伯爵・・・貴方は統治者としての能力が足らないのではないですか?

 と言った感じでしょうか。」

「まぁ、そうでしょうね。

 さて、皆さんどう思いますか?」

武雄が子供達に聞く。

「私達の行き先が問題なのですか?」

「じゃあ、伯爵様の所で執事をしたらどうだろう?」

「そうだね。」

「そうすれば、責任とかいうものを取ったことになるんじゃない?」

「うんうん。そうだね。」

子供達が代案を考え付く。


「・・・なら2つ目に行きますよ。

 今回の件はキタミザト子爵に頼んで解決した。

 救出した子供達は旅に不安があるので我が家で執事教育をして15年後に解放するので問題ないだろう。」

「・・・ゴドウィン伯爵・・・

 それは他領に居るはずのキタミザト子爵を呼び、難しい交渉をさせただけではなく、本来キタミザト子爵が得られた輝かしい救出の成果を横取りしたのですね。

 成果の横取りをするなんて・・・貴族としての気概はないのですか?

 まったく統治者としての能力が足らないのではないですか?」

武雄とアリスが寸劇をしている。

「えええ・・・・」

「こっちもダメなのぉ?」

「じゃあ・・・どうすれば良いの??」

「他に何か案はないかなぁ。」

「ん~・・・」

「頭使ったらお腹空いたぁ。」

子供達は頭をフル回転させるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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