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くたばりぞこないのモノローグ  作者: 妻戸裕次


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第15話〜ヨロシク哀愁、ヨロシク煩悩〜

掃除じゃなかった、法事。……

住職が、静かにこう語った。


「人は煩悩の数だけ衣服を身につける。お釈迦様や仏様は煩悩がない。だから本来は裸でもよい。 とはいえ、それでは具合が悪いので、衣を一枚だけまとっておられる。」


なるほど、深い。


……深いけれど、


ワシャ、いったい何枚着りゃええんじゃ!!


百八枚か?


夏は熱中症、冬は着ぶくれ。


歩けばガサゴソ、座ればモコモコ。


まるで人生そのものじゃ。


いや待てよ……


ワシャ、除夜の鐘か!!


ひとつ鳴るたび煩悩ひとつ。


百八つ鳴り終えても、


まだ脱ぎきれぬ未練が一枚。


人間なんて、


結局その一枚が愛おしい。


笑って生きて、


ぼやいて生きて、


今日もまた、


煩悩という名の上着を羽織る。


――ヨロシク哀愁。

――ヨロシク煩悩。

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