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【完結保障】【精霊無双】~奪われていた精霊さんたちが帰ってきたら、溺愛されて困ってます~  作者: くーねるでぶる(戒め)


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13 バダンテール伯爵の憂鬱③

「旦那様、住民たちへの聞き込みの結果、『精霊の愛し子』は東に向かったようです」

「東か……」


 儂、エマニュエル・バダンテールは書斎でファビアンからの報告を聞いていた。


 それにしても、よりにもよって東か。たしかに、最短で我が領から抜けるなら東だな。


「待てよ……。東には王都がある。王都で儂の非道を喧伝するつもりか……? こうしてはおれん。すぐに東に向かうぞ!」

「お待ちください、旦那様。もう日も暮れています。こうも暗くては、見落とす可能性もございましょう。明日でもよろしいのでは?」

「だが!」

「伝令を走らせればよろしいでしょう。東の街や領境で検問をするように命じるのです」

「そう、だな……。そうするか。ファビアン、伝令を走らせろ!」

「かしこまりました。手配いたします。旦那様はもうお休みになられては? あまり顔色がよろしくありませんが……」

「そうだな……。いや、その前に来客のようだ」


 バーンッ!!!


 儂の声と同時に、書斎の扉が勢いよく開けられた。


 入ってきたのは既に剣を抜いて臨戦態勢のテオドール率いる『虹の翼』だ。


「父上! かくご……え!?」


 テオドールたちに同様の気配が広がる。


 カシャカシャ……!


 なにせ、儂の書斎には完全武装の衛兵が十人も待機していたからな。驚いたのだろう。


 一度謀反を企てたのなら、なにが起きても引き返さない覚悟が必要だと言うのに……。


「遅かったな、テオドール。お前は本当に愚鈍な失敗作だ」

「あなた! これはどういうことですか!?」


 テオドールを焚き付けたのだろうコランティーヌが儂を責めるような視線で見ている。儂の謀殺を企てておいて儂を責めるなどお門違いも甚だしい。


「コランティーヌ、お前の考えそうなことはわかっている。どうせ、テオドールに儂を殺すように諭したのだろう? そして、この屋敷にはお前の命令に逆らえない者がいることも知っている」


 コランティーヌの実家は侯爵家だからな。その権勢は儂をも凌ぐ。コランティーヌの嫁入りと一緒に付いてきた従者など、儂の命令よりもコランティーヌの命令に重きを置く連中だ。


 今回は、敢えてコランティーヌを泳がせ、目障りな邪魔ものどもをすべて駆逐するつもりだ。


「すべて捕らえろ。領主を殺そうとした現行犯だ。手に余るようなら殺せ」

「クソッ! エアカッター!」


 テオドールがなにを思ったのか儂に向かって魔法を放とうとする。


「なぜだ!? なぜ魔法が使えない!?」


 こいつはどこまで愚鈍なのだろうな。精霊との契約を破棄されたのだから、魔法が使えるわけがないというのに……。


「や、やめろ! 俺はバダンテール伯爵家の嫡子だぞ!?」

「テオドールちゃん!? あなた! わたくしの実家を敵に回すおつもりですか!?」

「もう聞き飽きた。牢にぶち込んでおけ」

「あなた!?」

「ちちうえー!?」


 騒がしい連中が消えて、ようやく儂の書斎に静寂が戻ってきた。


「旦那様、今までお疲れさまでございました」

「清々しいまでの開放感だ……。だが、まだ気を緩めるわけにいかん」


 まだ『精霊の愛し子』の問題が片付いていないからな。


「あとのことは任せる。明日から忙しくなるぞ」

「はっ!」



 ◇



 夜。


 僕は満天の星空を見上げながら草原の上に横になった。


 今日は一日中歩いていたんだけど、パンツの記憶しかない。


 今日はノアとシーネがなぜかミニスカート姿で僕の前を飛んでいたんだ。暑かったのかな?


 でも、時々パンツがちらちら見えるし、とても目のやり場に困ったよ。


 そんな僕の悶々とした気持ちを慰めてくれたのが下級精霊たちだ。彼らの頭を撫でたりして気分を落ち着けた。ハニワの頭など僕が撫ですぎたのかピカピカ輝くようになってしまったほどだ。


 今日は早く寝てしまおう。


 僕は目を閉じると、草原の真ん中で寝返りを打った。



 ◇



 わたくしはシーネ。リュカの母親を自認する光の精霊にございます。


 そんなわたくしは今、猛烈な羞恥に襲われていました。


「あぁ……」


 やってしまった……。いくらリュカの気を引くためとはいえ、自らリュカに下着をさらすだなんてとてもはしたないマネをわたくしは……、わたくしは……!


 それでもリュカの気を引けたのなら、わたくしも自分を慰めることができました。


 でも、今日のリュカは下級精霊たちをかわいがってばかり……。これではただ恥をかいただけです!


「はぁ……」


 リュカの寝息を聞きながら黄昏てしまいます。


 そんなわたくしの横に、ふわりとノアがやって来ました。


「どうしましょう、ノア。わたくしたちったらとてもはしたないマネをしてしまいました……。これではリュカに嫌われてしまうかもしれません……」

「ん……?」


 しかし、ノアはわたくしに首を横に振って答えます。


「効果、あり……」

「え?」

「リュカの顔、赤かった……」

「そ、それは本当ですか!?」


 わたくしは恥ずかしくてリュカの顔を見れなかったのですけど、ノアはリュカの顔を確認していたようです。


 ノアの胆力はすさまじいですね。下着もあんな過激なものを身に着けていましたし……。


「次は、キス……」

「ッ!」


 キス。それは男女の愛を誓う尊い儀式。


「大丈夫でしょうか? その、リュカに嫌われたりしませんか?」

「いける……!」

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