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歌姫

「あなた、ウォルスベルト王国を知ってる?」


「ああ、知ってるよ」


「確かその国は3、4年前に滅びたんだったか」


「理由は確か戦争に負けただったかな?」


「ええそうよ」


「我がウォルスベルト王国は近隣の大国に敗れ滅びた」


「そして今あなたが魔力を吸い取っている御方こそウォルスベルト王国、第一王女ミューラ・フェル・ウォルスベルト様です」


「なんで滅んだ国の王女様がこんな所に?」


「逃げてきたのよ」


「まあ、ミューラ様は死んでいることにはなっているけどね」


「それで?」


「それと俺を魔族だと勘違いした理由とどう関係がある?」


「敵国は強かったわ」


「こちらの兵の数に対して敵国の兵は3倍多く防衛することしかできていなかった時、王がある決断を下したの」


「決断?」


「ええ」


「我が国の王家には代々、秘密裏にとある石が受け継がれていたの」


「その石の名を魔召石(ましょうせき)


「魔召石は数千年前に初代王が魔族との取引で貰った石なの」


「数千年前か…」


「王はかなり大切な何かを魔族に渡したそうだけどその石は人から吸収した魔力の量に見合った量の悪魔、もしくはその量に見合った実力の悪魔を召喚して使役できるというかなり強力なものだったの」


「初代王はその石を用いてウォルスベルト王国を誕生させ強国としたの」


「でもそれも長くは続かなかった」


「魔召石は触れたものの体内に入ると死ぬ間際にしか体外へ排出できないの」


「体内に入っている魔召石は不定期に吸収を強めたり逆に取り込んだ魔力を排出したりするの」


「それが繰り返された初代王は魔召石を体内に埋め込んでたったの2年で亡くなったの」


「それから王家は代々魔召石を体内に埋め込んで受け継いできた」


「ただ全員短命だったけど」


「ある時から宮廷魔術師の役職を作ってから魔召石が魔力を排出する度、吸収させるようにしてから王は短命ではなくなったの」


「そして話は戻るけど、王の決断とは代々魔召石に溜めてきた魔力を使って悪魔を召喚することを」


「そして王は一体の強力で禍々しい悪魔を一体召喚したわ」


「その悪魔は戦場で猛威を振るったわ」


「瞬時に何千人もの兵を殺し負傷させその悪魔に全員恐怖したが勝てるという希望を持てた」


「長い防衛戦は兵の心をかなり磨耗させてたからあの禍々しく恐ろしい悪魔さえあの時の兵はきっと眩い英雄に見えたと思う」


「でも、そんな悪魔も敵国の三割を殺したあたりで倒されたの」


「敵国が雇った傭兵にね」


「傭兵に負けた?」


「そいつただの傭兵か?」


「聞いた話からするとその悪魔は上位悪魔のはず」


「王は悪魔が死んだことを聞いて自害を決めたわ」


「王は全ての魔力と命を魔力に変えて魔召石に吸収させ一体の女悪魔を召喚した後、魔召石をミューラ様に授けて亡くなったわ」


「女悪魔は姿をミューラ様に変えると短剣で自害した」


「私たちは本物のミューラ様と共に国を出て焔々団として金を稼ぎながらミューラ様の中にある魔召石を取り出せる人を探していたの」


「そんな中、あんな魔力を出す人間がいたから人間に化けた魔族かと思ったのよ」


「王が召喚した魔族も似たような感じで魔力を出していたから」


「ん?」


「でもなんでだ?」

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