変化
「あんたね!」
「ん?」
楓は少し口に手を当て何かを考え始めた。
「もしかして海斗!私がいなくなってからずっとその魔法の練習をしてたでしょ!」
それから楓は問いただしと説教を弱っている海斗に行った。
「ほ、本当に申し訳ございませんでした」
海斗は結構、真面目に瀕死な状態で布団の上で楓に向かって土下座しようとしたがやはり体は動かず魔法で動ける程度に回復させると土下座し謝った。
「確かに俺は楓とのあちらでの世界の約束を何度も破りました」
「で、でも」
「楓も分かるだろこの魔法の便利さが」
「分かるけど」
「約束したわよね」
「約束は約束よね?」
「は、はい」
この問いただしや説教の中、芽衣や夏帆は一切話には入ってこなかった。
それは自分達が関与するような話ではなく当人達が愛し合い共に暮らしていた時に決めた約束だからかそれとも楓のした約束が海斗を思ってのことだということが分かっているからか。
とにかく楓と夏帆はそれぞれの考えがあり楓の問いただしや説教に口を挟まなかった。
「もういいかしら?」
「あ、うん」
「もうスッキリしたから大丈夫よ」
「それで?」
「海斗、それは直せるの?」
「ああ、大丈夫だ」
「今やる」
海斗は微かに体を発光させると目の充血はなくなり僅かに残っていた体の痙攣も治った。
「少し顔を洗って来ていい?」
「いいわよ」
海斗は洗面台に向かい顔に付いた血を水で落とした。
血を落としているとごく自然な疑問が頭に浮かんできた。
なぜ芽衣だけではなく夏帆や楓まで今この家に、いや部屋にいる?
おかしい。
なぜだ?
俺がブレーンアクセラレータの修行のために周りを認識しなくなったのは一秒も満たなかったはず。
それに部屋に入った時、当然のことながら床に布団は敷いていなかった。
つまり芽衣達は俺が部屋に入るより早くに俺の部屋にどうやってかはわからないが潜み俺が目を瞑っている間に音や気配を消し夏帆は俺の布団の隣に潜り込み楓と芽衣は布団を敷き寝たということかな?
でも何でだ?
何で三人は今日こんなことを?
海斗は疑問を今すぐにでも晴らしたく思いせかせかと自分の部屋に戻った。
そして海斗は驚愕した。
芽衣、夏帆、楓が絡み合いながらどうにか場所を作って海斗のベットで横になっていた。
「え?」
「何やってんの?」
「早くこっちへ来なさい」
「何で?」
「一緒に寝るからよ」
「え?」
「ヤダよ」
「絶対暑いじゃん」
「ダメよ罰よ」
「も〜う」
「何のためのゲームだったのよ」
「せっかく勝って今日は海斗の隣でねれると思ったのに」