変化
海斗が家に着き扉を開け中に入り靴を脱ごうとした時、おそらくは扉の開けた時の音を聞いたのだろうドタドタと芽衣が降りてきて海斗に抱きついてきた。
「遅いよ〜〜〜」
「なにしてたの〜」
芽衣の抱きつきは海斗の首の辺りでドンドン強く締め付けられた。
「首!首!」
「うぉぉぉぉお」
「締まるぅぅぅぅ」
「あ、ごめん!」
「ゲホォ!ゲホォ!」
「首は強くダメ!絶対!」
「そうだ!」
「後で遅かった理由は聞くけどとりあえずリビング早く行こ!」
「え?」
「なんで?」
「お父さんが話しあるって」
「じゃあ着替えてからで」
「ダ〜〜〜〜メ!!」
「大事な話だって!!」
「え〜〜」
「どうしても?」
「どうしても!!!」
「分かったよ」
海斗は芽衣に腕を引っ張られリビングに連れて行かれた。
「海斗帰ってきたよ!」
「おかえり海斗」
「おかえり海斗くん」
「ただいま」
海斗と芽衣は二人の向かいの椅子に座った。
「すまないね海斗君帰って来たばかりなのに」
「いえ遅くなってすいません」
「ん〜〜〜」
「まあ私はいいが」
チラッと芽衣の父親、今は海斗の父親でもある忠弘は海斗の母親、今は芽衣の母親でもある皐の顔を見た。
忠弘は海斗に対して物凄い形相を向けているのを見てゆっくりと二人を見据える体制に戻った。
芽衣は表情には出なかったがかなり笑い転げそうなほど面白がっていた。
それに比べて海斗は母親の形相を一瞬見てから机をジッーと眺めながら冷や汗をかいていた。
「ンンッ」
「じゃあ本題に入るよ」
「実は俺、五日後に海外赴任することになったんだ」
「え?」
「まだ戻ってきてそんなに日にちが経ってないのにこんな……ごめんね」
「大丈夫です」
「じゃあみんなで行くんですか?」
「いや」
「俺一人で行く………つもりだったんだけど」
「私も行くことにしたわ!」
「母さんだけ?」
「ええ」
「単身赴任はお互い色々と心配ですから」
「ね?」
「あ、ああ」
「そ、そうだね」
「俺たちはいいの?」
「あなた達は学校があるでしょ」
「友達と離れたくないでしょ?」
「それに私達はとにかく」
「二人は英語できるの」
「うっ」
「二人はもういい歳だし二人でもなんとかやっていけるでしょ」
「分かった」
「いつぐらいまでなんですか?」
「よくわからないんだ」
「そうなんですか」
「分かりました!」
「じゃあ二人とも頑張って」
「おう!」
「うん!」
「土産と土産話を持って帰ってくるぞ!」
「じゃあごはん食べようかしらね!」
「そうしよう!」
その後はいつも通りの食事を済ました。




