表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/113

始まり

儂はカティアを探した。


探したと言ってもカティアはすぐに見つかった。


カティアは中央広場にいた。


そこには血を流し倒れている盗賊や村人そして怪我を負い今にも倒れそうな村人がいた。


だが盗賊は全員殺したようだった。


盗賊の多くは剣の傷によって死んでいた。


だが辺りには剣を持った自警団の姿はなかった。


自警団は盗賊が攻めてきた時にとっくに全員死んでいたんだそして自警団じゃない村人の中に剣を持った人は儂の嫁であるカティアだけだったカティアはある家の壁に寄っかかっていた。


カティアは体の至る所に怪我をしていて腹部に一本背中に二本短剣が刺さっていて血を大量に流していた。


儂はカティアに近づきカティアに刺さった短剣を全て抜き儂が使える回復系の魔法の中でもっと回復力のある魔法を使いながら声をかけ続けた。


カティアはゆっくりと目を開け少しだけだが話すことができた。


「カイトありがとう」


「でももうダメだわ」


「血、流しすぎた」


「だ、大丈夫だ前に教えただろこれでも俺は昔はすごい魔法使いだったんだ」


「確かに昔よりも半分ぐらい力はないけどさお前1人ぐらい助ける事なんて簡単なんだぞ」


儂はそれはひどい顔で喋っていただろうな。


「カイト、子供達のことお願いねそれに弟にも構ってあげて」


「大丈夫、大丈夫だから」


「今まで通り俺がいない時お前が子供達の面倒見といてくれよ」


「弟くんのことだって俺みたいな頼りがいのない奴よりお前じゃないとダメだ」


「だがら目を瞑っちゃダメだ」


「大丈夫、カイトになら信じて任せられる」


「でもせめて次の人生があるならまたカイトと…」


「おい、カティア」


「カティアァァァァァァァァァ」


そのあと俺は村人に回復魔法をかけまくって生きていた盗賊にアジトを聞き出し潰しに行った。


腕を片方無くして盗賊のアジトの物全て手に入れたが心の何かは晴れなかった。


アジトを潰したあと心ここに在らずの状態で片腕で農業に勤しみ夜は酒に溺れて体がボロボロになっていくだけでどんどん廃人になっていたが子供達の事があったおかげで体が壊れていいっても頑張れたし酒で寂しさを埋めてもこれを朝昼晩続けようとは思わなかった。


カティアが死に少し時間が経ち弟さんと会ってそして話をした。


全て話終わると俺は殴られた。


弟くんにはこう言われたよ。


「何だそのボロボロの体は何だその覇気のない喋り方はお前は子供のことを頼まれたんだろ」


「お前はその姿を子供が大人になるまで見せ続ける気なのか!」


そう言われて儂は何も言えなかった。


実際、子供達と話す時は俺は弟くんと話す時のように覇気はなく腰は曲がり髪も伸ばしっぱなしにだった。


確かにカティアが死に儂は今までよりも父らしくなくなっていたと思う。


弟くんに言われカティアの言葉を再び思い出した。


そして決めた。


子供達に今俺が見せれる精一杯の父親の背中を見せると。


それからは自分でも頑張ったと思う。


夜の酒をやめ背中を伸ばし髪を切り子供とは今まで通り接した。


村のために自衛の手段について村の人達と話俺がリーダーとして新たな形の自警団を作った。


片腕ではあったが一生懸命リーダーをしたし子供が大人になるまでしっかりと父親としてまあまあの背中は見せたと思う。


シティアは村を出て冒険者になった。


カイルは自警団に入りベイルは儂の畑を譲った。


そして儂が98歳になりひ孫も見れ、たくさんの人に見守られて死んだ。


儂は最初カティアに会えるものだと思っていたが死んで初めて会ったのはクソ女神だった。


「はぁぁ」


「結局壁作って何もしなかったわね」


「まあいいわ次こそ殺しなさいよ」


「色々いじって自然に魔王を倒すようにしてあげるわよ」


「じゃいってらっしゃい」


「ちょっ待…」


最初のように穴に落とされた。


カティアには会わしてくれないのかよ。


クソがクソが。


だからお嬢様気質の女は嫌いなんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ