久しぶり
「芽衣!」
「何?」
「夏帆」
「手伝いに来たわよ」
「要らないわそんなの」
「へぇーー」
「いいわ」
「じゃあ手伝ってあげない」
「私あなたの手伝いするんじゃなくて海斗に喜んでもらえる料理を自分で作るわ!」
「へぇーー」
「私が作る料理よりも美味しいものなんて作れないわよ」
「じゃあどっちの料理が美味しいか海斗に判断してもらいましょ!!」
「いいわ」
「絶対私が勝つもの!」
「ふん!」
2人は声を合わせたかのようにそういうとそれぞれの料理を作り始めた。
海斗はよく見る面白い番組を見ながら大笑いしていると2人がほぼ同時に料理を机に並べ声を合わせて「海斗早く此処に座って!」っと言った。
海斗はびっくりして体をビクッとさせて「は、はい」っと返事をした。
海斗はテレビを消し立ち上がり椅子へと向かい恐る恐る椅子に座った。
机に広がっていたのは二つどちらも海斗の大好物の炒飯とポトフだった。
「え!?」
「これ2人が作ってくれたの!」
「うん!そうよ!」
「感想教えて」
「おう!」
「任せろ!」
海斗はまず炒飯をレンゲスプーンで掬い口に運んだ。
炒飯はレンゲスプーンに作った時からパラパラとしていたが口に運んでからもしっかりとパラパラとしていて味はとても本格的で入っている肉はとても美味しかった。
「2人とも美味いよこの炒飯!」
「プロが作ったみたいだ!」
「ポトフも食べてみて」
夏帆がそういうと海斗は頷き器を掴みまず具を食べその後に汁を流し込んだ。
ポトフは切られていないウインナーが食べた瞬間ものすごい肉汁が口に広がりキャベツやにんじんそして玉ねぎは柔らかく味が染みていてじゃがいもは口の中でほどけ箸が止まらなかった。
いつの間にか具がなくなっていて汁は濃すぎず薄すぎずの程よい塩気とコンソメの味すぐに汁もなくなりいつの間にか器を持って2人の前に出し大きな声でおかわりっと言っていた。
ハッという顔を海斗はすると「ご、ごめんつい美味しかったもんだから」っと言って器を下げた。
「いいのよ」っと言って夏帆はニコニコの笑顔で器取り台所へ向かった。
芽衣は少し悔しそうな顔をして台所へ向かっていくかほを見届けた。
海斗は炒飯を食べ終えポトフを2杯おかわりすると「ご馳走様でした!」っと言って手を合わせ食べ終わった器を台所へ置きに行った。
器を置き終わり戻ってきた海斗に2人は椅子に座るように指示し海斗を囲むように近づいて来ると「どっちが美味しかった?」っと冷たい目で海斗を見て2人は言った。