面倒
「大変申し訳ありませんでした!!!!」
男達が声合わせて謝罪をした後、海斗と楓に一番近くにいた男が1人で話し始めた。
その男には見覚えがあり2人の男が喧嘩をし始めようとしたときに止めた男だった。
「もう一度言わせてください」
「大変申し訳ありませんでした」
「許していただこうとは思いません」
「実際、今回のことを楽しんでいた者も中には居たようですしせっかく三春お嬢と友達になってくれそうな方をこのような目に合わせてしまったこと大変皆後悔しております」
「我々はこれまで三春お嬢や楓お嬢に近づく男を痛めつけては変な虫がお二人につかないようにして来ました」
「我々はそれでお二人が安全で楽しい学校生活を学友の方々と過ごすことができるとそう思って来ました」
「今回のことが楓お嬢に見つかり三春お嬢にそのことを知られ三春お嬢が私達に自分の今までの思いやどのように学友に接されて来たかを聞かされました」
「私達は三春お嬢が幼い時から今ほどではないにしろ変な虫がつかないように男児に脅しをかけ三春お嬢に近づかないように諭していまし口止めをしていました」
「ですが所詮は子供、学校で怖い人に三春ちゃんに近づくとパパとママとお前を殺すって言われたっと男児のみならず女児にも聞かれその園児達に広まった話はすぐさま両親へと広まり段々…」
「いえすぐに三春様は孤立したそうです」
「中学になれば男子など性の獣、幼稚園や小学校よりも告白や接触が増えると考えていましたが全くと言っていいほどそのようなことはなかったのです」
「三春お嬢から聞いて皆分かりました」
「そりゃあそうだよなっと」
「誰が好き好んで幼稚園や小学校で接触を試みようとした者、告白を試みた者の話を聞いて関わろうとするわけがないと」
「そして私達は今まで思って来た考えが間違っていることに気がつきました」
「私達は学校の中の状況まで知るわけではありません」
「ですのですお話をご本人から聞くしかなかったのです」
「私達はご本人の話を聞いてクラスでうまくやっているものだとばかり思っていました」
「帰りは毎日楓お嬢と一緒に帰っておられました」
「私達はそのことをとても仲のいい姉妹だとそんな風に微笑んで見ておりました」
「ですが本当の所はお互いが一緒に帰りたかったのではなく帰る相手がお互いしか居なかったのだと」
「それを聞いた私達は泣くことしかできませんでした」
「女子の学友と楽しくやっているのだと思っていた私達でしたが女子どころか教師にさえまともに関わってはくれない日々を私達はお二人に作ってしまった」
「楓お嬢本当に申し訳ありませんでした!!!」
男の謝罪に男達は続いて謝罪した。
「そして海斗君、我々のことはどう思ってくれてもいい罵ってくれてもいいただ、ただ三春お嬢は、お嬢のことは友と思ってはくれないだろうか」
「どうか、どうか頼む」
男はおでこを何度か強く床に叩きつけ啜り泣いた。
男達も土下座をしながら啜り泣いていた。