長い休み
合否を確認した次の日、海斗は朝食を食べるとバス停に向かいバスに乗りバスの終点の駅に着いた。
海斗は駅で切符を購入し電車に乗った。
カダンゴトンガタンゴトンという音を聞きながら景色を見ていると時が過ぎるのは早かった。
海斗は電車のアナウンスを聞くと電車を降りた。
海斗が向かったのは祖母の実家。
祖母の実家には曽祖父が住んでおり海斗は山へ入っていいかの許可を取りに行ったのだった。
海斗は曽祖父のこと山のこと全て忘れていたが昨夜夕御飯を食べていた時母親が曽祖父の話を始め海斗の頭に曽祖父との記憶が流れてきて曽祖父のことを全て思い出すと山で力の確認しようと思いついたのだった。
海斗がバス停でバスに乗り目的の場所でバスを降り祖母の実家へと向かった。
祖母の実家に着くと海斗はインターホンを押した。
そこから出てきたのは曽祖父とともに住んでいる祖母の妹のおばさんだった。
「あれ?海斗君どうしたの?」
「こんな遠くまで」
「おおじいちゃん居る?」
「お父さんなら畑にいると思うわよ」
「ありがとう!」
海斗はおばさんにそういうと畑へと向かった。
畑へ向かうとおおじいちゃんが畑で何かを収穫していた。
「おおじいちゃん!」
「おぉぉ」
「海斗じゃね〜か」
そこからだおおじいちゃんの訛りが強すぎて何を言っているのか分からなかったが相槌を打って返した。
「おおじいちゃん!」
「ん?」
「山入ってもいい?」
「んんんん」
「だめだぁ」
「そこを何とか」
「先っちょだけ先っちょしか入んないからさ」
「ん〜」
「ちゃんと守れよ」
「じゃあいいの?」
「うん」
「じゃあ行ってくるね」
「待て」
振り返るとおおじいちゃんが籠を持って近づいてくると中に入ったトマトを一つ取り渡してきた。
「持ってげ」
「ありがとう!」
海斗はそういうと山へと向かった。
向かう最中貰ったトマトを服の内側で入念に拭き思いっきり頬張り柔らかな果肉を噛む海斗はその甘さと瑞々しさを堪能した。
山に着くとトマトは一切の果肉が残っておらず綺麗にへとだけが残っていた。
「よし!着いた!」
海斗は山の中に入っていきおおじいちゃんに悪いと思いながら進み少し深いところに着くと止まった。
「この辺りでいいか」
「山を傷つけたくないし魔法を選ばないとな」
海斗は少し考え。
「そうだ!」
「異世界チートスローライフ系の漫画で出てたあの魔法試してみよう!」
「熾天使の奇跡の光」
海斗が手の平を前に出しそう言葉を発すると手からは何も出て来ず背中から目を開けられないほどの光が現れ光は形を変えそこには2枚の大きな翼で顔を隠しまた別の2枚で体を隠し残りの2枚を飛ぶことに使っている天使が現れその天使の形の光は散り散りに散らばっていき草木に宿ると光が宿った辺りの草木はぐんぐんと成長していった。