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「お風呂に入ってくれば?」
確かにさっきの返り血で、それはそれはおぞましい見た目になってしまっている
見た目だけじゃない、生々しく血の匂いが私から漂っている
確かにこんな状態でご飯は食べない方が良いな
私も一刻も早くこの服を脱ぎたい
「はい、入ってきます」
お風呂のスイッチを入れ、着替えを探す
タンスに向かう
タンス…どこだっけ?
ぐるぐるぐるぐる部屋を回る
どこだっけ?どこだっけ?
ない、服がない
まっくろさんの嫌な匂いが体にこびりついている
なんだか耐えられなくなりそうだ
「どうしたの?」
ミツキさんが近くにきていた
「タンスが見当たらないんです
服が無くて」
「タンス?」
ミツキさんも一緒にタンスを探す
「うーんないね
俺の家に行って服をとってくるわ
お風呂入ってて?」
「え、外に行くんですか?」
「うん」
隣の家といっても外だ
「いやいやいや、危ないんじゃないですか?」
ってもう玄関に行ってる…
「居ないみたいだよ」
そして、なんの躊躇いもなく扉を開けた
行っちゃった…
5分たった
叫び声は聞こえない
私はというと ホウキを持って構えている
ガチャリ
ドアが開いた
ミツキさんだ!
ホウキを収納する
「Tシャツと短パンで良いかな?
はい」
「ありがとうございます
無事で良かったです」
お礼を言って、お風呂に入る
ついでに服も洗う
こびりついた血はなかなか取れない
「この服はもう着れないかな」
少し残念に思いながら湯船に浸かる
まっくろさん
ブランコの男の子
ミツキさん
色々な事があった
心臓を頂戴ってなんだろう
私はミツキさんの事を何も知らない
お隣さんで、幼馴染で…2階に住んでて…
あれ?ミツキさんって隣に住んでたよね
その時、お風呂場の入り口の曇りガラスに影がうつる
何かいる?
そこにぼぉっと黒い影が浮かんでいた
ヒッと身構える
この家にはミツキさんしかいないはず
あの影はなに?
ミツキさんなの?誰?なんで?
湯船からあがる
お風呂の蓋を体の前に置き、盾を作る
「誰?」
黒い影が薄くなる
ミツキさんなの?誰なの?
見なくちゃ!じゃなきゃ絶対後悔する
ミツキさんを信用できなくなる
ドンッっとドアを思いっきり開けた




