青
切ないなあ……。
とか言いつつ、持ち帰ったお仕事をする。
『この商品を売るために、言葉を考えるのです。それはお仕事です。わかった?』
僕は目の前にいる、半分ねむねむ、
半分ヨッぱらいの、青ちゃんに微笑む。
『はあい』
青ちゃんはきちんとお返事をしてくれました。
『まずはね、見た感じ、まあるい。』
『うん』
『そしてしっとりしていてー……ぐにゃぐにゃ』
『うん。ぐにゃぐにゃ。』
ここまでの流れをちゃんとノートにメモする。
『そのまま言葉にしてもロマン不足だから、
これから少しいー感じにしてみるね』
『うん。』
『夏深い8月の青空、雲ひとつない。』
『うん。青い!』
『夏休み、物語が始まる!』
『うん。はじまる!』
『爽やかな麦茶の味、懐かしい甘い氷。』
『うん。甘い!レモン味!』
『え?青ちゃんレモン味が好きなの?
知らなかったなあ。メモしとくね。』
『うん。レモン味! 黄色!』
『黄色……っと。生活を豊かに彩ります。』
『うん。豊かに!』
『それは天空の神話。あなたに極上の時間をお約束します』
『うん。なんかすごいふわふわ気分!』
『軽くてキュートで本格派』
『うん。かわいい!』
『初恋の味』
『うん。きゅんきゅんしちゃう』
『夜の闇に潜むモノ。決して見てはいけない』
『うん。わ。ホラーこわい!』
『……ちゅう、したいなあ』
『うん。ちゅうしよー』
ちゅ。
『にひひ。好き。青ちゃん。』
『うん。私も好きー。』
『キッスは唇にして』
『うん。やん。大人セクシー!』
『オッケー。まあこんなもんだろね。おわりー』
『うん。もうお仕事おわり?』
『終わりだよ、青ちゃん』
『わあい。』
『ちゅ。』
そうして、僕と青ちゃんの言葉でラッピングした商品は、明日から全国のコンビニと文房具屋さんと、あとケチャップ屋さんと風俗店でも販売する予定なのでお買い求めください。
定価980円。(税別)
↓
《 夏深い8月、雲ひとつないしっとり青空。
爽やかな麦茶と、懐かしいレモン黄色の甘い氷。生活を豊かに彩る軽くてキュートな本格派。
なんかすごい、
ぐにゃぐにゃふわふわきゅんきゅんしちゃう
初恋の味。
それは天空の神話。あなたに極上の時間をお約束する夏休み。物語が始まるよ!
……夜の闇に潜むまあるいモノ。
決して見てはいけない、こわいホラー。
切なくてかわいいけれど大人セクシー。
キッスは、
ちゅ。
青唇にして。 》。




