スパゲッティ・ダイブ♡
『きたよー。ヒメー。』
『はーい。今あけるねー。』
僕は玄関で、ユリをお出迎えした。
あ、なんかお土産買ってきてくれてる。
『それなに?』
『ヤングドーナツ♪』
『好き!』
『知ってる♪』
ユリは僕の1番のお友達で、
都内有数のお嬢様学校、
聖ロボトミー学園に通うクラスメイト。
『今日は、僕んち両親がいないの』
『ふーん。おでかけ?』
『うん。そんな感じ。
ルワンダにコーヒー飲みに行くんだって。』
『ヤングドーナツ食べたら、やろっか?』
ユリが今日、僕んちに来てくれたのは、
次の金曜日に学園では、コンクールがあって、
それに向けての、ふたりだけの秘密特訓。
僕はなんだか不器用で、
なかなか上手にできないものだから、
ユリが特訓に付き合ってくれるんだって。
優しい子。ユリ。
———
『オッケー。ヤングドーナツ美味しかったね。』
指のヤングドーナツのざらざらを、スルスルはたいてキレイキレイしたユリは、
紺色の聖ロボトミー学園指定スクールバッグから、縦笛をとりだした。
『あれ? まだ脱いでないじゃん?』
『う……。だってなんか恥ずかしいんだもん』
『乙女かよ。』
『乙女だよ。』
『なにをいまさら照れますか……やれやれ』
ニヤリと黒幕みたいな笑みのユリは、
僕に近づいて、
淡いピンクフラワーアイボリー色の
キャミ肩紐に指をかけた。
『や……』
『乙女だね。かわいい。』
ユリの指が、肩紐を、するりと外す。
僕はユリから視線をそらした。
『や……』
『かわいい。耳まっか。』
薄着だった僕はあっという間に
肌色だけにされて、センシティブ。
つづく。




