不思議なお姉さん。5
さっきからずっと
太ももの内側を触られていてお金が儲かる。
酒と下心と金と、それだけしかないお店。
そえもんちょうのせくきゃば。
全くぜんぜん理由も無く、
僕はそこで夜をし始めた。
ちゅうと挿入だけがNGなので、
と、いうことは、それ以外は何をしてもいいってこと。狂っている。バカみたい。動物みたい。
お店には、色の褪せたように見える女の子たち。くたびれたソファで身体を触らせて、
自分をくたびれさせてお金を儲けている。
嘘の声だして。
こないだお疲れ様旅行でみんなで海と温泉に行った時に、チューリップさんが僕に、
『もう生えてきた。見て見て』
って、ビキニのボトムの中を見せてくれた。
あんまり興味無かったから、
細かいとこまでは見ていないけれど、
とにかくひどく肌色だった事だけは覚えている。
動物を終えて、商店街のアーケードの下をふにゃふにゃ歩いて、空や街や空気が明るくなる前、
その少し前に帰る。
この時間、マーケットはまだ開店していなくて、
あれから僕は夏休みを終えて、
夏休みの宿題も出さないまま
少しだけ大人になった。
大人になれた。
お胸はぺったんこ。
まだお姉さんには、会えないまま。
大人になれたから、家をポイして
頭のおかしい大好きなお友達と生活をしている。
柊ちゃんとの生活は、小さな事が小さくて、
お部屋は陽当たりが悪くて、
それがなんだか心地よくて、
僕はずっとずっとずっと、
柊ちゃんを利用している。
柊ちゃんは、ふーん。
みたいな顔しかしてくれなくて、
だから僕はいつまでもインチキな子でいられた。
テレビを見ながら。
お菓子を食べながら。
カルピスを飲みながら。
抱きしめてもらっている時だって
ずっとずっとずっと、インチキをしてる。
とても優しい頭のおかしい柊ちゃん。
大好きなのは本当で、心地いいのも本当。
でも、その本当の中に別の本当が混ざってる。
れ。
少しだけ大人になった。
身体だけ。
大人になれた。つもり。
心がずっとブラらの前で、
突っ立っている。
ぺったんこ。心が。
夜の、動物の、
嘘の声はいくらでも出るのに
たった一個の本当の声だけが出ない。
柊ちゃんに抱っこされながら
お姉さんにはまだ
好きだって言えないまま。




