表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/44

祝福


ことん。ことん。


洗濯機を見つめながら、ナッちゃんが難しい顔をしている。


『どうしたの?』


『んーん。まだわかんない。』


『そっか。りんご食べようよ。おいで』


『りんご好き。』



その次の夜も、ナッちゃんは洗濯機の前にいて何やら考えている様子。

ふたりで、りんごを食べた。


次の夜、ナッちゃんは、洗濯機を分解した。


『どうしたの?』


『ことん。ことん。

って作動音しか、しないから……』


『そうだね。振動の。』


『ご近所にもきっと、ことん。

て聞こえているかもしれないし。』


『うん。りんご食べる?』


『これ終わってから食べるね。』


『うん。じゃあ待ってる。』


僕はニコニコしながら、ナッちゃんが洗濯機に何かをしているのを見ていた。


朝。カーテンのあみあみから光が差し込む。


完成した洗濯機からは、ことん。ではなくて

アヴェマリアが聞こえてくる。

カッチーニの。


『りんごおいしい』


微笑むナッちゃんの頬を撫でて、僕は聞いた。


『どうして、カッチーニなの?』


『……気まぐれ。へへへ。』



ただ繰り返す一言の、

祈りの祝福の中にいながら、

切ないのはなぜなんだろう。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ