女装
マックス
女装がしたい第一王子様
マックスの侍従・護衛
マックスを舐めてる。目の前で悪口をいうことも。
蛇に睨まれた蛙のようだった。
空気が張り詰め、息をするのも難しい。目の前の子供はこれほどの牙を隠し持っていたのか。
「…もう一度、同じ言葉を言ってみろ」
「っ…」
「言えないか。ならば二度と口にするな。頭の中で自由に想像を膨らませることは構わない。だが私の前で、私の友人を、根も葉もない言葉で貶めることは許さない」
「っ、も、申し訳、ありません…」
恐ろしい。私たちは彼の纏うオーラと有無を言わせぬ口調に押され、一つの反論もできず謝罪する羽目になった。
こんな子供ではなかったはずだ。いつも俯き、発声さえままならない醜いだけの愚鈍な王子だと思っていたのに…!!
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「あれ?今日人、少ないですね」
「…うん。…休んでるみたい」
「なるほど…?」
風邪か何か流行ってるのかな?まあ彼らがいない方がマックス様もリラックスしてるようだしいいけれど。
お茶会から1週間経って、花の妖精の衣装を完成させた私はマックス様の元をシャルロットの姿で訪れていた。
「…今日は、レオもいないんだね」
「…はい。先日のお茶会の件で、謹慎することになって」
今日護衛としてついてくれているのはジェレミーだけ。けれどあの後お母様に相談しレオ自身の希望もあって、1ヶ月の謹慎ののちレオはシャルロットの護衛に戻ることになった。
なんでレオが謹慎処分されるのかいまだに納得はしてないけど、復帰できると決まったのはすごく嬉しい。
「…そうか。…今日も採寸?」
「いいえ。今日は衣装が完成したので早速試着していただきたくて。サイズが合わなければ調整もいたします」
「…?え、…もう、完成したの?」
マックス様の大きな目がますます大きく見開かれる。ふふふ、嬉しい反応だ。
実を言うとこの衣装を仕上げるために昨日はちょっと夜更かししたのだ。
いつもなら肌に悪いので早寝するけど、マックス様の滞在期間も残り短い。もう1着作る許可をもらうためにも今日のうちに試着をしてもらいたかった。
「…!!!…すごく、綺麗…」
マックス様の前に花祭りの衣装を広げて見せる。白いサテンの生地に薄いレースを重ねたベルスリーブのシャツにVネックの真っ黒なエプロンドレス。銀色と青で薔薇の刺繍を要所要所に施して、マックス様らしい可愛さと綺麗さを両立した衣装になったと思う。
「早速着てみませんか?」
「…い、…いのかな、こんなに、綺麗なのに。…私なんかが着ても」
「マックス様のための衣装ですよ。マックス様が1番お似合いになります。…それに、シャルルを驚かせるのでしょう?」
「……そうだね。…こんなに綺麗な衣装なら、きっと…」
衣装を大事に抱えて嬉しそうに笑うマックス様。超かわいい。
流石に異性の私が着替えを手伝うわけにもいかないので着方を説明して一旦退出するが、今から女装姿が楽しみすぎる…!




