穏やかな時間
「レオ〜……」
「どうした、んなへろへろな声で」
「………友達のさ、知られたくない秘密とか…知っちゃったらどうする…?」
「…そりゃまぁ、知らないふりするとか」
知らないふり…していいのだろうか…。
「知っちゃったって言った方が良かったりしない?」
「ん〜。まぁそれも誠実な対応ではあるんじゃないか?でも知られたくないっぽいなら言ってくるのを待つのもありだと思う」
「まつ…」
「シャルルの女装の時みたいに後で教えてくれるかもしれないだろ」
確かに…!!!一言ですごい納得してしまった。
シャルロットの姿で会っちゃった時の苦し紛れの言い訳にレオが乗ってくれたことを思い出す。確かにあの時は知らないふりがありがたかったなぁ…。
「ありがと、レオ。言わないで待ってみることにする!」
今回はサプライズしたいって言ってたし、後で教えてくれることは確実だもんね。そうなると実は知ってました〜!っていうより知らないふりしてた方がいいや。サプライズ計画のことは一旦忘れよう。
悩みも晴れたので足取り軽く自室に戻り、早速持っている布地を広げてみる。マックス様に似合いそうなのはやっぱモノトーンかな。黒髪が艶やかで綺麗だし。でも笑った時の頬がふわっと薔薇色に変わる様子もかわいい。
花祭りの衣装は薔薇の刺繍が入ったエプロンドレスと大きなリボン。エプロンドレスのエプロンの色は基本的に黒が多かった。それに合わせてスカートは赤色とか華やかな色が多かったけれど…。マックス様の場合、強めの色は慎重に使った方がいいと思う。
やっぱり黒と白、銀色を使うのが安牌かなぁ。差し色に青とかは入れてもいいと思う。うん、薔薇を青に染めて顔周りに色足しても素敵かも。青薔薇の花言葉は「夢叶う」だしね。
装飾はフリルよりレースを多めに使って繊細な雰囲気にしよう。襟はVネックにして肩の印象を和らげて、ウエストの高さは意図的に上げる。男装をする時とは正反対でちょっと面白い。デザイン画を描きながら足りなそうな布地やボタンなどを確認する。
「また新しい服作るのか?」
「うん、ちょっと次の挑戦してみようと思って。どんなのかはまだ内緒だけど」
「そうか、楽しみだ。シャルルの作る服見たり着たりするとワクワクする」
「えっ、ほんと?」
ワクワクできる服を作れてるなら嬉しいな。こっちの世界ではあんまり見ないデザインだし、抵抗あるかなってたまに不安になる。
でもレオとか私とかはぜっっっったい前世のデザインの方が似合うから。正装のレオとか目の保養でしかないもん。いつも本当にありがとうございます。
マックス様も、今回は花祭りの服がベースだけど、今度ゴスロリとかも提案してみたいな。ちょっとダークで耽美な雰囲気とか合うと思う。今回の女装が終わっても続けたいって言ってくれるならだけどね。
その後も授業だったり、街に買い出しに行く予定だったりをレオを話しながら型紙を書いていった。
ジェレミーやマックス様が来てからレオを二人で話すタイミングが少なくなりがちだったけど、やっぱりこういう時間は落ち着くなぁ。




