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女の子になりたい?

街から帰ってきてからマックス様の様子がおかしい。おかしいっていうか…落ち込んでるみたい。

毎日図書館に通ってまじないの本を借りてたり(魔法じゃなくておまじない。こっちの世界でも眉唾なやつ)、前以上に口数が少なくなってたり。


正直めちゃめちゃ心配なんだけどシャルルが聞いても何も教えてくれない。侍従たちのことかなって思ったんだけどそうでもないみたいで…。どうにかして励ましたいなって思ってたところで、マックス様の方から珍しくシャルロットと二人で話したいって誘われた。


「俺達は東屋から少し離れたとこで待機していますので、何かありましたらすぐに声をあげてください。」

しかも今回は本当に二人きりだ。レオとジェレミーも離れたところで待っててもらうことになった。


そこまで人払いしたがるなんて、一体何の話をしたいんだろう。

不思議に思いながら先に来ていたマックス様のまつ東屋に行くと、開口一番衝撃の発言が飛び出した。


「……どうやったら、女の子になれる…とおもう…?」

へ?????お、女の子…?

「女の子、ですか」

「…うん、…女の子に、なりたいんだ。…どうしても」


女の子になりたい、深刻な顔でマックス様はそう言い切る。

もしかして最近まじないの本を読んでいたのもそのため…?思ってたより重いぞこの相談は…!!


「…なるほど。マックス様がそうなさりたいのであれば、応援します。私が力になれることがありましたら手伝わせてください」

「…ほんと…?!ありがとう…」

事情はわからないけどなりたいというのなら手伝おう。


マックス様がおまじないの本を調べた上でこの話をしてきたということは、その中には答えはなかったわけだ。前世の知識の中には手術で性別を変換する方法もあった気がするけどこんな曖昧な知識じゃ到底実現できないだろう。


女装という手もあるけど、それじゃマックス様の願いを叶えられるかはわからない。体自体に違和感を覚えているなら装いだけでは解決できない。うーん、兎にも角にも女の子になりたい理由がわからないと。


「どうして女の子になりたいのか、ってお聞きしても大丈夫ですか…?」

「…女の子の、姿じゃないと…叶わないことがあって…」

女の子の姿じゃないと叶わないこと…!!!!…ってなんだ???


「叶わないことって…」

「……っ、…あの、…花の妖精の子、みたいに…なりたくて…」

「なるほど!とても可愛らしい衣装ですもんね」

「、う、うん!そ…そうなんだ…」

こくこくとマックス様が頷く。


そうか、あの服が着たかったんだ。それなら私でも力になれそう。

マックス様はもともと端正な顔立ちだし体つきも華奢なので工夫すれば女装しても映えるだろう。


「任せてください、マックス様。きっとお似合いですわ」

「…そうかな」

「ええ、私が保証します。」

「…!…ありがとう…シャルロット嬢に、…そう言ってもらえると、…安心するよ」


任せて欲しい。マックス様なら絶対美少女になる!花祭りの衣装をベースにしてマックス様の髪や目の色に合うデザインにしよう。ウィッグはないけど帽子で髪の辺りを覆えば印象は結構変わるんじゃないだろうか。


「……あの、…お願いが、もう一つ…あって」

ワクワクしながら考えているとマックス様がおずおずとした様子で再び口を開いた。

「なんでしょうか?」

「…しゃ、…シャルルには、…内緒にしてほしい。…驚かせたい、から…」


えっ…あっ…。

ご、ごめんなさい私がそのシャルルです。

どーしよ…サプライズ計画が初っ端から頓挫してしまった。

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