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王子様(ニコル視点)

「やめなよ、他のお客さんに迷惑でしょ」


そう言って彼は自分の2倍くらいある大男を簡単に床に転がしてしまった。フードから溢れるキラキラの金髪、心配そうに私の方を見る緑の宝石みたいな目。画面のなかからそのまま飛び出してきた王子様のようなその少年は、いとも容易く私の初恋を奪っていったのだ。


なんてちょっと気取った書き方しちゃったけど、今日あったあの男の子がめっちゃかっこいいって話!


この世界でこんな超美少年に会えるなんて思わなかった。今時流行りの異世界転生して美少女に生まれ変わった時は私の時代きた!!って感じだった。でも成長していくうちに気づいたの。この世界、美少年も美青年も全然いないって…。


さらにショックなのがみんながいうイケメンっていうのが前世のイケメンとかけ離れてて…こう言っちゃ悪いんだけどオークみたいな見た目なのね。それでイケメン無罪みたいな行動されるとちょっと引いちゃう。


そんなわけで前世から自他共に認める面食いだった私は、恋愛は諦めて家の手伝いしてたの。私の家は食堂だし、おじさんが商人してるから珍しい食べ物とかも手に入る。新メニュー開発とかは楽しいし、充実していたんだ。

店に柄の悪い酔客が来るようになるまでは。


珍しい料理が食べれるって領都で有名になり始めて、お客さんがだいぶ増えた。そのうちにだんだん柄の悪いお客さんも増えて…うちはお母さんと二人でやってるからあんまり強く言えなくて。もともとのいいお客さんはお昼時に来れなくなっちゃうし、変なお客さんばっかり増えちゃった。


今日もお昼から酔っ払いがやってきて仲間内で喧嘩を始めちゃって、大声で怒鳴るからうるさいしうちのお皿掴んで投げようとするし、ほんとに最悪で。もう私も皿投げちゃおうか、厨房から包丁持ってきて脅してやろうかなんて考えてた。


その時だったの。あの男の子が助けてくれたのは。やめなよって言ってあっさり転がして、それから衛兵まで呼んでくれて。

多分お偉いさんだったんだと思う。お貴族様とか。

何か見せて話してたかとおもったら、明日から衛兵が昼の見回りで様子を見にきてくれると約束してくれた。


本当にかっこよかったなぁ…。まつ毛とかお人形さんみたいに長かったし、顔のパーツ全部が絵みたいに完璧な形してた。何よりあの笑顔が!!ぎゅんってする。きゅんどころじゃない。

少女漫画なら間違いなく正ヒーローだし、主人公の初恋なんだよ。


お貴族様だよねぇ…身分違いの恋だぁ…。いや!でも!頑張る、私頑張る。びびってきたもん。今世美少女に生まれたのは絶対あの男の子に会うためだって!!


またお店に来てくれますように。その時のために料理ももっと勉強しよう。

って意気込んでお母さんに話したら「ニコルは好きなタイプを見た目で選ばないのね」って言われた。解せない。

ガールズラブタグをつけるべきか悩んでいます

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