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王子様と友達(後編)

それはまさしく艶やかなモノクロの絵画だった。

一点の翳りもない雪のような肌に濡羽の長いまつ毛と色味がなく洗練されたデザインの顔のパーツが整然と並んでいる。

白銀の瞳は息を呑むような鋭い輝きを宿して、強張った表情にすら圧力があった。


「こ、神々しい…!!!!」

なんだこのイケメンは…!!以前神殿で見かけた春の精霊(?)と同種の神聖さを感じる。10代にして完成された美。一種の恐れすら抱かせるような。王子様、こんなとんでもない美顔を仮面で隠してたの…????


「…こ…?」

「あの、めちゃめちゃかっこいいです。本当に。ありがとうございます。

すごい、絵みたい。モノクロの…動いてる…。

やばい。かっこいい。かっこいいです。レオ、レオ並んで、並んでほしい。二人並ぶだけで国が建つ。」

限界オタクの語彙しかない。無理…尊…まじで無理好きありがとうございます本当に顔がいい。


「相変わらずだな…」

「…?????ええと…」

思わず拝んでしまう。そうだよねこの圧倒的な美を前にしたら人間みんなひれ伏しちゃうよね!!!!私の時もレオの時も相当動揺したんだけど、王子様のはなんかベクトルが違う。宗教画めいてる。


「シャルルはこういう顔が好きなんです。」

戸惑って助けを求めるような視線を向けられたレオが王子様に解説する。ありがとうレオ。私はこういう顔が好きです。

「…????すき、…って…顔…?」

「こういう顔が好きです。」


呆然。3、4回瞬きをした王子様が信じられない顔で口を開く。

「…私みたいな顔…?」

「そうです。マクシミリアン様やレオや僕みたいな顔が好きです。」

「…シャルルは…シャルルの顔、好きなんだ…?」

「大好きです」


王子様は口を半開きにしたまま固まっている。そんな表情でも綺麗なんだからすごい。

こうしてみるとレオの順応性めっちゃ高かったんだな…


「…………そっか、…好きなんだ。そっか…ふふ」

ひぇっ!まってまってまって心臓に悪い!そのふにゃふにゃの笑顔は!!!!!

固まってた王子様は頬を淡く染めて花が綻ぶようにふんにゃり笑った。


「ありがとう…好きって言われるの、初めてだよ」

「こちらこそ、素顔を見せてくださりありがとうございます。…もっと言われて然るべきだと思うのですが」

「…そうかな…。」


それから王子様は躊躇うように視線を泳がせた。

「それで…その、…お願いがあるんだけど」

「なんでしょうか?」

「…友達に、なってくれない?…さっき、は…顔のこといってなかった…から…」


あっ!えっそういうこと?!

よかった…。王子様がさっき断ったのは自分の顔を見せていないからという理由だったらしい。


「…顔見ても、友達になって…くれるなら、だけど…」

「友達になりたいです!友達になりましょう。」

「…!あ、ありがとう…」

「こちらこそありがとうございます!マクシミリアン様、よろしくお願いします」


王子様と友達になれてしまった…!初めて会った日からは信じられない進展だ。

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