俺と推薦
「へぇ?」
「どうした、橘。そんな顔して?」
「え、いや……三種目出るのになんか競技、きつくないですか?」
「仕方ないこれは決定事項だ。まさか今から変えるとは言わないよな?」
兄件担任の圧が凄い。あー。これ断ったら後で何されるかわからんな。
「はい………」
「では、次の競技を決めていく」
その後、着々と競技決めは進んでいく。いや……これ俺キツくね?
でも何で急に、藍里は俺を推薦したんだろうか。後で聞いてみよう。
だがしかし藍里が俺を推薦した理由は、ほんの数分後一瞬で分かった。
「では、次に二人三脚ーーー」
「はい!、私が二人三脚に出ます!」
「おぉ、すごくやる気があるな。みんなも二人三脚に出るのは黒瀬でいいかな?」
みんなはこくこくと頷き、誰も反対の声を出さない。そりゃそうか、藍里はクラスの中で一番の美少女。全校の中ではナンバー2とまで言われているぐらい美少女だ。
そんな人に口を出す勇気を持ってる奴なんてそうそういない。
「やった!颯と一緒に走れる!」
「は?、一緒に?」
「どうした橘、二人三脚は男女混合だぞ」
は!?、男女混合!そんなのに出たら彗さんになんて言われるか…………絶対に怒られる!
今からでもやめると言おう。言わないと彗さんに殺される!
「あの二人三脚ーーー」
「よし、次は実行委員決めだ。誰かやりたい奴いるか?」
「…………」
次進んでしまった。あぁ終わった…………そんなことを考えていると一人の男が挙手をする。
「はい!!僕、実行委員やりたいです!!」
あれは確かさっきクラス対抗リレーに参加していた…………『松島 蓮』。
クラスの中でも確か友達が多く、みんなから人気な人だな。俺もああいう雰囲気の人は好きだ。
「あと、橘くんを実行委員として推薦します!!」
「はへぇ?」
は?、なんで俺?マジでなんで?
「それはなんでだ、松島?」
「僕が橘くんとやりたいからです!!」
「らしいけど、橘どうする?」
松島君、そんな期待のこもった目で俺を見るのはやめてくれ………断りづらくなる。
いや、でもよく考えろ。ここで俺は松島君と友達になれるのでは?
そうか!これは千載一遇のチャンス!ここは松島君の話にのろう。
「俺でよければ実行委員になります」
「ありがとな、橘。じゃあ後は女子だけだが、誰かやりたいやついるーーー」
「「私も実行委員に立候補 するわ する! 」」
「おぉ、ありがとな、黒瀬と”後藤”」
「ーーっ!」
梨花!?、なんであいつが実行委員に立候補する?なにが狙いだ?とにかくやばい。
あいつがなにをしてくるのかが、わからない。だが、あいつはどんなことをしてでも俺を貶めてくる。松島君には悪いが実行委員は辞退ーーー
「てことで、競技決めは以上。これから体育祭練習とか準備が忙しくなってくから、皆で乗り切っていこう。では、解散」
「颯!一緒に頑張ろうね」
「あ、あぁ藍里。こちらこそよろしくな」
「うん♪」
「橘くん、よろしくね」
「あぁ、梨花。これからよろしくな」
「えぇ」
タイミング!マジでタイミングが悪い。なんか仕組まれてないか?
藍里か梨花ならやりかねない。はぁ、今はとりあえず、彗さんにどう説明するかが大切だな。
「よろしくな!!橘くん!!早速だが呼び方は颯でいいかな?」
「あ、あぁ、よろしく松島くん。颯でいいよ、俺も松島くんのことはなんて呼べばいいかな?」
「俺も蓮でいいよ!!」
「じゃあ蓮、ありがと」
「あぁ!!」
下校時
「……て、ことがありまして...」
「ふ~ん。私という人がいながら、他の女の子と一緒に二人三脚を走るんですか~」
「それはさっき話した通り、仕方がなかっーーー」
「ぷっ、あはは!」
俺が言葉を遮るように彗さんは笑い出した。一体何なんだ?
「颯くんはやっぱりかわいいな」
「き、急にどうしたんですか?」
「颯くんは私を裏切らない。そんなこと、わかってるよ」
「彗さん……」
やっぱり、彗さんは優しい。天使だ。彗さん、結婚しよう。と、そんなバカなことを、考えていると彗さんが口を開いた。
「許してあげる代わりに……んっ、」
彗さんはそう言うと、俺の方に手を差し出してきた。こ、これはまさか………!
「手、繫がない?」
上目遣いでお願いしてくる彗さんは多分、いや、絶対この世で一番可愛いな。
尊い。てぇてぇ、です。
「は、はい。手、繫ぎましょう」
恋人繫ぎ……、彗さんいきなりハードル高いな。てか、彗さんの手って、こんなにもやらかいんだな。すごく、ぬくもりがあって、ずっと繋ぎたいと思わせるような心地よさだ。
あぁやっぱ、俺の彼女は尊過ぎる!!




