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049 今から査定を行う

翌日、時間通りに(5分前に)地下3階にある訓練場に行った。

訓練場で待っていたのは、アインズさんとアイシャさんの他にギルド職員達。

訓練場を取り巻く見学席にはホバートの冒険者ほぼ全員が集まっていた。

見世物かよ。


十字星(クロスター)の面々も来ていたが、ガゼルの姿がない。


「あれ、ガゼルさんは?」


俺の問いに、十字星(クロスター)の面々が視線を逸らす。

その視線の先にはアイシャさん。


俺はアイシャさんを見ながら顎に手を添えて、


「なるほどね。まあ、そりゃ来ないわなぁ」

「おいっ。そんなにしっかり見るんじゃない」


トアの小声の忠告は遅きに失したようだ。

アルカイックスマイルのアイシャさんがつかつかと歩み寄って来て、


「イツキ君? 言いたいことがあるなら聞くわよ。タダじゃないけどね」

「あ、ハイ、サーセン。何も言う事はありませんです」


それ以外の答えを求められてないよね。


「さあ、今から査定を行う。獲物を出してくれ」


アインズ支部長の要請に、俺達は獲物を次々と訓練場に出していく。

まず、サリナさんがマジックバッグから取り出す。


ミノタウロス、ワイバーン、ファイアーベア、ケルベロス、ステルススパイダー、モンスターバイパー、バジリスク、サイクロプス、レッサードラゴン、ベヒーモス、コカトリス。

他にも小物の魔物から抽出した魔石が沢山。


「おい、《AAA》ランクや《S》ランクの魔物や魔獣がほとんどだぜ。さすがは王国最強パーティー、十字星(クロスター)だよな」


見学席からどよめきが起きる。


ギルド職員が査定を開始する。

1時間くらい掛かって、ようやく査定が終わった。


査定額は、おおよそ『10億リザ』。

日本円に換算すると・・・・『10億円』か。

大金だよ。


「おい、イツキ、おまえの番だ」


アインズ支部長に声を掛けられた俺が[無限収納]から獲物を出していく。


「ほとんどが魔石と破片なんですけどね」


牙狼の魔石多数、オークロードの魔石多数、ミノタウロスの魔石多数、グリフォンの魔石、オルトロスの魔石多数、ヘルハウンドの魔石、サーベルタイガーの魔石多数、ヤマビルの破片多数、大猿の魔石、巨大ヤマビルの魔石、リザードマンの魔石多数、ワイバーンの魔石多数、フレイムライオンの魔石多数、巨大イナゴの破片多数。


「おいおい、こっちもすごいぞ」


見学席がどよめく。

だが、どよめきもそこまで。


スカルドラゴンを出し始めた頃には、見学席はすっかり静まり返っていた。


構わず、巨大ロボみたいなミスリルゴーレム、アースドラゴン、炎竜、ヒュドラを取り出す。


「これって、《SS》ランク以上の魔物ばっかじゃねえか」

「どうなってるんだよ、白銀の翼(シルバーウイング)

「炎竜なんて王国軍が討伐に乗り出したって半数が壊滅する災害級だぞ。ましてや、ヒュドラなんか世界中の軍が出動しても倒せるか否かわからない世界滅亡級。どうやったら、こんなの倒せるんだよ。ありえないだろう」


最後に魔核と魔剣を取り出す。


「これが、ヒュドラの魔核とベルゼビュートの魔核です」


魔核をアインズ支部長にポンと手渡す。


「ベルゼビュート――――――――――――ッ!!!!!!?」


見学席が騒然となった。


「魔族領五公主で主戦派魔族の魔公爵を――――――――――っ!!!!!!?」


見学席の諸君。説明的な驚きをありがとう。


「まだ、ベルゼビュートが持っていた魔剣ダーインスレイヴもあるんですが、これ、貰っちゃっていいですか?」


一応、お伺いを立てる。


「ああ、おまえの戦利品だ。好きにしろ」


手渡された両手の魔核に目を取られながらアインズ支部長が答える。

心ここにあらずみたいだけど、言質は取ったからね。

後で返せって言われても返さないからね。


「という訳だから、おまえにやるよ。モーニングスターより剣の方が使い慣れてるだろ?」


魔剣ダーインスレイヴをロダンに渡す。


「かたじけない、イツキ殿。ありがたく使わせて頂くとしよう」


俺のだしたブツの査定は難航した。

3時間掛かった。


ギルド職員から報告を受けたアインズ支部長が俺に査定額告げた。


査定額は、おおよそ『124億リザ』。

日本円に換算すると・・・・『124億円』~~~っ!!!?

金額が大きすぎて、もう、訳が分からない。

でも、おそらく、一生贅沢三昧して遊んで暮らしても余る金だ。

スローライフを送る為の資金としては充分過ぎる金額。

もはや働かなくてもいいんだ。


「これだけの金額はホバート支部どころか王都の冒険者ギルドにも無い。今現金で払えるのは『10億リザ』までだ。後は、ギルドにおまえの口座を作って記録上だけだが、後日そこに入金しておく。それで勘弁してくれ」


10億でも充分過ぎる金額だよ。


「ええ、それで構いませんよ」

「それから、おまえと白亜をギルド本部の審査会議に《S》ランク昇格推薦しておいた。ヒュドラと五公主のベルゼビュートを倒したんだ。冒険者ギルド始まって以来の偉業達成だ。《S》ランク昇格はほぼ確定だろう」


ちなみにロダンは《AAA》ランクの重装騎士で冒険者登録したそうだ。


家は造った。

資金も充分。

《S》ランク昇格もほぼ確定。


俺の求めて止まなかった辺境での穏やかな生活の準備が漸く整ったのだった。




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