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それからというもの、ぼくはアレイスターに直接魔術を教えることにした。アレイスターも大喜びでぼくも嬉しい。アレイスターから強迫観念に近い焦燥がなくなり、代わりに持ち前の勤勉さを発揮していたのは何よりだった。
「アレイスター、まずは基礎から始めよう。魔術の四大属性は?」
「火、水、土、風です」
「そう、さらに各個人に得意な属性があり、得意な属性の数が魔術師としての力量を測る一つの指針とも言える。アレイスターは種族として火が得意だね」
「お父様の属性はなんですか?」
「ギクッ」
「お父様?」
「……実は、ぼくには得意な属性がないんだ」
「は?」
「付与魔術を使った魔術礼装で補っているんだ。代わりに、属性を介さない魔術ばかり得意になってね……」
そう。天才とか呼ばれる伝説の魔術師は四大属性全てに適性を持ち、天候を操ったり大地を引き裂いたりするものだ。だが、ぼくは属性魔術の適性がない。ぼくの専門であるゴーレム創造には属性魔術の適性は必要ないとはいえ、全く使えないと不便なため専用の道具で魔術回路を補っているのだ。
「お父様も万能ではないのですね」
くすりとアレイスターが笑う。そういえば、最近はアレイスターがよく笑うようになった。
「そうですよ、純粋な魔術勝負であればアレイスターどころか従者の私にすら劣ります」
リリスが瞬間移動したかのように姿を現したが、もう何も驚くまい。
「お茶をお持ちしました」
「あれ? お茶なんて作っていたっけ?」
生命の探求こそがぼくの研究の主題だ。だから、研究を応用してここで小麦や家畜を育てている。だが、茶葉は育てていなかったはずだ。
「麦茶です」
「ああ、なるほど」
「では勉強に励んでください」
そう言って下がるリリスの背中は嬉しそうだった。




