↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

605/2365

第502堀:けじめ

けじめ




Side:リーア ウィード所属 ユキ護衛隊 ユキの奥さん あと勇者(おまけレベル)




「えーと、リーア。歩きにくいんだが」


ユキさんがそんなことを言ってきます。

まあ、鎧装備してますから、腕を組むのにはちょっと不便ですね。

ですが……。


「ダメです。また同じようなことがあった時の為です」


そう、これはユキさんを守るため。

私にとっての勇者であるユキさんを守るために仕方のないこと。

これは業務であり、決して私がベタベタしたいからではない。

いや、ベタベタ出来てうれしいけど。


「そうです。今回は偶然、クリーナやサマンサがいましたが、最悪護衛が誰もいない状況だったかもしれません。今回にしたって、前衛の私やリーアでなく、魔術師である2人でバランスが悪かったでしょう?」

「……それはなあ」

「あの時の私の気持ちがわかりますか? ユキやみんなが連れ去られそうになる中、そこで待機を命じられたあの時の気持ちが」

「……すまん」

「いえ、責めるわけではないのです。が、あんなことは二度とごめんです。私の本来の仕事を全うできず……。というか、ユキの妻としてあるまじき……」

「あー、落ち着け。本当に俺が悪かったから」


横で腕は組んではいないものの、密着に近い状態のジェシカはそういいながら声を震わせている。


「ジェシカなんてまだいい方ですよ? 私や他の皆なんて、気が付けばいなくなったですから。私なんてもう何が何だか状態だったし」


そう、もう何も考えられなかった。

気が付けば2日ぐらい経ってたし。

一応、みんな曰く、食事やお風呂は入ってたらしいけど、全然覚えてない。


「で、なんで昨日の今日で、バイデの領主のところに顔を出す必要があるんですか?」

「そうですね。もう少し休むべきだと思いますが」

「……これ以上休んでたら俺が干からびる気がする」

「大丈夫ですよ。ルナさんから精力を回復できる薬もらってますから」

「はい。その点でユキを危険にさらすわけがありません。昨日から約半日だけですから、みんな、まだ満足はしてないでしょう」


うん。

ユキさんとの再会の熱い夜が一日だけとか少なすぎる。

ウィードに取り残されたメンバーはもちろん、バイデに召喚されたメンバーも状況が状況だけにイチャイチャする暇もなかったみたいだし。

これは、あともう一週間ぐらい愛に満ちた休みの日々が必要だと思う。

あ、ちゃんと子供たちの面倒とかも含めてだよ?

ほったらかしとかしないよ?

そういう意味でも、ユキさんとの団欒が必要なの。


「子供たちとの時間も必要だしなー。まあ、あと少し話を詰めれば少しは休めるだろうから、今日は我慢してくれ」

「約束ですよ?」

「……まあ、予定通りではありますから仕方ありませんね」

「他の皆も休めっていうよなー。説得が大変だった」

「「当然です」」


他のみんなだって、同じ意見ですとも。

結局、昨日言っていた、二日間のお休みはとれぬまま今日お仕事となっています。

だから、私たちがこうやってユキさんに道中も囁いているんです。

ちなみに、他のメンバーは今回ついてきていません。

目下、バイデダンジョンの大改装中だからです。

なんだかんだ言っても、忙しいのは私たちも一緒というわけです。

なので、ユキさんが休むと言わない限り、私たちも休めないので、そういう意味でもこうやって休みを促すように言われてるの。


ふふふ……。

既にこのバイデ程度の文明レベルでは突破できない、武装交易都市として、邪魔者が来ても即時粉砕できる程度には配備は済んでいる。

あとは、ユキさんが「みんなとイチャイチャしよう!!」と言ってくれるだけでOKなんだ。

邪魔者は死体になっていいよ? あー、後始末も面倒だから、灰がいいかな? 風で吹けばなくなるし。


「どうした、リーア? なんか、険しい顔になってるけど」

「いえ、何でもないですよ。って違いますね。よくも迷惑をかけてくれたなーって思っただけです」

「そうか。まあ、しつこいかもしれんが、我慢してくれよ。暴れても関係のない人が傷つくだけだからな」

「はい。わかってます」


……セーフ。

いま、ユキさんの愛が下がる可能性があった。

それはダメ。絶対にダメ。

いや、愛云々以前に物騒な考えな私が悪い。

デリーユにさんざん叱られたんだから、しっかりしないと。

私は、勇者なんだから!!

あれ? でも、私が勇者なのは秘密だし、あんまり勇者って振舞わなくてよくない?

ああ、ただの殺戮者になるなって話だから勇者は関係ないか。

正直、私自身勇者っていうのは全然自覚なくて、ユキさんの奥さんで護衛ぐらいにしか認識がないもんね。


「なんか話がずれたが、バイデの領主と話をするのは、今後の予定を詰めるためだ」

「予定ですか。確か、幽閉されているハイデンの王妃を救い出して、現王家派という武闘派と旧王家派で対立させる話でしたね」

「なんでそんな面倒なことするんですか? ダンジョンをぎゅーんと伸ばして、一気に制圧すればいいじゃないですか」


私たちのユキさんやみんなを攫った原因を作ったクソ共は、私たちの手で全員縛り首にしてつるせばいいんですよ。


「ま、ただ仕返しするならそれでいいんだけどな。そうなると、ハイデンの領地は荒れるだろうからな」

「……確かに。一瞬で終わるのは私たちの実力のおかげですが、その荒唐無稽で理解を超える力を持つ相手を信じるわけもないですね。なにより、ハイデンに愛国心がある人は反発するでしょう」


むー。

なんか難しい話になってきた。


「他国からの侵略を受ける可能性もあるからな。俺たちの恨み晴らしで、リーアやミリー、ラッツがいた村や街で起こった同じような悲劇が起こるもしれない。そんなのは必要ないだろう?」

「……はい。ごめんなさい。短絡的でした」


そうか、私やみんなのような悲しいことが起こるきっかけになりかねないんだ。

だから、こうしてるんだ。

やっぱり、ユキさんは優しい。


「正直な話。そんなことしたら、ハイデンを世話するのが俺たちになるからな。仕事がさらに増えるだけだ。自分の尻ぐらい自分で拭いてもらうって話だよ」

「なるほど。当然ですね」

「うん。当然ですね」

「それで、旧王家派を復権させた暁には、俺たちにはハイデンでの自由が確約されるわけだ。ハイデンの統治はしなくていいし、煩わしい許可も必要なくなると。ウィードの後ろ盾も増えて、万々歳。これを目指す」

「そもそも、ユキの使命は国家の運営ではないですからね」

「そうだね。それよりも、すっごいことをしているんだから。ユキさんは!!」


そう、私の勇者様はスケールが全然違うの!!

王様だろうが、魔王だろうが、神様だろうが、ビシッと筋を通して、和解で済ませるすごい人!!

もう、とっても大きくて、優しい人!!

だからこそ、ユキさんを召喚、誘拐したクソ共への怒りがわいてくるんだけどね。


「普通なら暗殺とかを心配するんですが……」

「すでに、ウィードからドッペルは連れてきたしな。遠距離になるとわからんが、同じバイデ内なら今のところ問題はない。今回は話し合いに加えて、そういう検証実験でもある」


そう、すでに生身じゃない。

そんなの当然!!

ユキさんが傷つくとか、世界の危機!!

ユキさんをねらう奴は死を以って償うしかないよね。

と、そこは当然だからいいとして、そういうわけで、みんなドッペルをそろえたから、行動範囲は広がるし、護衛も少なくていいってことになってるの。

ちなみに、ヴィリア、ヒイロ、ドレッサはドッペルに慣れてないから当分待機。

でも、今までよく頑張ってたから、本当に家族になってしまえばいいと、セラリアはいうつもりみたい。

私もいいと思う。ヴィリアとかはもう本当にユキさんに尽くしているからね。

ヒイロもまあユキさんのこと好いてるしいいとおもう。

ドレッサは素直じゃないけど、バイデに来たのが原因か、なんかデレデレしてることが多い。

私としては、ドレッサが自分から告白するまで待っていたいってのが本音。

見てると微笑ましいよね。


「と、あそこが領主館だ。転移で移動してもよかったけど、護衛としてはバイデの街を見たかっただろ?」

「はい。参考になりました。とても低レベルでした。いろいろな意味で」

「ですねー。ある意味、ユキさんやみんなが安全ってわかって安心しました」


この程度じゃ、ユキさんはおろか、新人のヴィリアやヒイロ、ドレッサに有効打をいれることも厳しいね。


「そういうな。こっちにはこっちの進み方があるし、レベルが高いとか低いとかは決めつけるもんでもない。怒りもあると思うが、誰だって悪く言われるのは気持ちよくない。そういうのは注意しろ。それを言うなら、2人だって俺からすれば野蛮人だぞ?」

「失言でした。だからそんなこと言わないでください」

「ごめんなさい。ユキさんにそんなこと言われたら泣きそうです」


いやー、ユキさんから見て私が野蛮人とか、離婚の危機に思えてきていやすぎる。

うん。言葉には気をつけよう。

これは戦争になりかねない。

そんなことを話しつつ、普通に領主館に入って、執務室への前に立つ。


「中に、キャサリン殿はいるか?」

「はっ!! ただいまカミシロ様と会談中です」

「じゃ、時間を空けた方がいいか?」

「いえ、到着次第通すようにと言われています」


そういって扉がひらかれるんだけど……。

カミシロ? なんか、聞き覚えが……。

その疑問は、横にいたジェシカが呟いていた。


「……カミシロ。カグラ・カミシロ。日本人の祖先をもつ、私たちの夫を誘拐した張本人の一人!!」


ああ、なるほど……。

ソウイウコトカ。


「よくいらしてくれました、ユキ様。いまカグラと手紙の内容が……」


中には女性が2人。

大人な雰囲気の色黒の女性と、憎らしいほど、ユキさんやタイキさん、タイゾウさんを思い出させる綺麗な黒髪の私と同じ年ぐらいの少女……。


コイツカ。


私とジェシカは無言でカグラに歩み寄り。


「ひっ!? な、なんなのあなたたち!? ユ、ユキ!? なんなのこ……」


あろうことか、ユキさんを呼び捨てにしやがった。

なので遠慮なく……。


バチンッ!!


「あぐっ!?」


ビンタをかましてやった。

ありがたく思ってよね?

随分手加減してるんだから。

で、反対側から、ジェシカがさらに追撃。


バッチンッ!!

ドテッ!!


衝撃に耐えられなかったのか、床に倒れる。


「……いたっ、いたい。な、なんなのよ!! あんたたちは!! こんなことをして……」

「この程度で済んだことを喜びなさい。ユキからの言葉がなければすでに首から上が無くなってますよ」

「そうだねー。誘拐犯にたいしては、軽すぎる罰な気がするな」

「え、え? 誘拐犯って、ユキ、この人たちって……」

「ウィードのメンバーで、召喚に巻き込まれなかった俺の嫁さんたち」

「ご、ごめんなさい!! 本当に申し訳ございませんでした!! ですから、なにとぞ、ハイデンとは穏便にお願いいたします!! 最後には私の首を差し上げても構いません。ですから!! どうか、どうかっ……!!」


カグラは私たちの立場を知ってすぐに謝罪をする。

……うーん。これじゃ私たちが悪者みたいじゃないかな?

この子も、必死に手段を求めた結果だし……。

そんなことを考えていると、領主のキャサリンさんだったかな?

彼女が口を開く。


「ようこそ。ユキ様の奥様方。歓迎いたします。しかし、ウィードに残っているはずの奥様方がこられたということは、つながったのですね?」

「はっ!? そうよ!! なんでうぃーどとかいう異世界にいるはずのユキの奥さんがここにいるのよ!?」

「カグラ。簡単に考えればいい。キャサリンの言葉そのまま」

「……つまり、うぃーどと繋がったって言いたいわけ?」

「そうそう」

「そんなのありえるわけないでしょー!!」


ああ、この子もある意味、ユキさんに引っ掻き回されているんだね。

まあ、これぐらいは仕方ないよね。

私としてはビンタしてスッキリしたしこれでいいかな?





グロテスクにならなくてよかったね!!

そして、次回は恒例のウィード案内。

飛ばせと思う人もいるかもしれないけど、こういう反応を見て些細な違いや疑問を見つけるものだから、我慢してね。

まあ一週間ぐらいほっとけば3話飛ぶから、それぐらい見なければいいと思うよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 大切な人が気付いたら居なくなってたのと、目の前で拐われて行くのを何も出来ずに見ているだけなのとどっちがマシとかあり得ない論点 前者はいきなり心にデカイ風穴ぶっこぬかれた感じだし、後者は…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。